2015/12/29

1160【五輪騒動】建築家はあれこれやかましいが都市計画家は新国立競技場や神宮外苑の都市計画に何にも言わないのは何故か

 すったもんだの末に新国立競技場の計画は、どうやら決まったようだ。こんどはうまくいくのだろうか。
 でも、以前にあったように、突然にワンマン宰相がでしゃばってきて、また白紙撤回って言い出すかもしれないから、まだまだ五輪騒動の楽しみは尽きない。

 建築に関する騒動はこうやって出直しになったが、そのもとになっている都市計画については、景観とか風致とか髙さとか、世の評判からさっぱりと忘れられてしまったらしい。
 今度きまった新国立競技場案によって都市計画を変更するのか、しないのかさえも分らない有様である。ザハ・ハディド案をもとにしてそれを実現するように決めた都市計画だから、普通ならば、こんどの大成・梓・隈組案によって決め直す変更をするのであろう。
 もしも、そのままで公園も地区計画も都市計画の変更をしないのなら、大成案はザハ・ハディド案を踏襲したことになる。模倣とまでは言わないにしても、オリジナリティがない案であることを証明するようなものだ。

 建築界がこれだけ騒いでいるのに(ピントハズレもあるが)、不思議なのは都市計画界が何にも言わないことである。
 わたしがこのブログでその方面を何度も挑発しているのだが、都市計画家のどなたも乗ってこない。無視されている。
 今回のような騒ぎには、都市計画家は無関係ではあるまい。区画整理事業を持ち込むとかニュースもあるから、当然に地区整備計画の変更だってあるだろうし、その未指定エリアに新指定も必要だろうが、それについてどうあるべきか、都市計画の誰も言わないのはどういうわけだろうか。
 それとも、わたしが知らないだけで、都市計画系の学会や協会などでは、論文や意見がでているのだろうか。
 
 雑誌『建築ジャーナル』から、この地区の都市計画ついての論考を求められたので、2015年12月号に寄稿した。下記にそれを載せておく。執筆日は2015年11月16日。
 
====『建築ジャーナル』誌 2015年12月号寄稿論考=====


新国立競技場と明治神宮外苑で
都市計画家は何をしてきたのか

伊達 美徳 (都市計画批評家)    

 都市計画家は
建築から都市までマネージする

 この新競技場建築計画に関しては、多様な問題が世間の話題になったが、要はその建築のあまりの巨大さへの批判である。
 では事業主の日本スポーツ振興センター(JSC)のもとでその巨大さを決める仕事をした専門家は誰であったか。新競技場の建築計画をまとめ、国際コンペの裏方を務め、実現のための都市計画案を策定し、東隣の神宮外苑も含む大規模な都市計画へと歩を進める役割をした都市計画家とその都市計画の抱える問題に目を向けよう。

 これまで新国立競技場について多くの建築家が登場したが、では都市計画家は誰なのか。有識者会議に都市計画家の岸井隆幸(日本大学)が名を連ねており、2012年11月決定の国際コンペの審査員でもあった。しかし、都市計画の実務作業をしたのは、その下に技術調査専門員としてついた都市計画家・関口太一(都市計画設計研究所)であった。

 JSCが関口が主宰する都市研に「国立霞ヶ丘競技場整備に係る基本計画策定等」の業務を発注したのは2012年4月だが、実際にはかなり前から作業していたであろう。
 その内容は、新国立競技場の建築計画、国際コンペ実施の裏方支援、それを実現させるための都市計画案づくりなど多岐にわたった。都市計画家・関口太一による基本計画の上に、建築家たちがあの巨大な新競技場の絵を描いたのであった。

 その基本計画をもとにして国際コンペによるザハ・ハディドの競技場案が生まれるのだが、巨大すぎて現在敷地におさまらない。だが、オリンピックの錦の御旗のもとに無理矢理はめこむとて、足りない敷地は隣地も公園も道路もとりこみ、厳しい都市計画規制の緩和措置も必要だ。これは都市計画の出番であり、都市計画家の仕事である。
 そして新競技場関連地区の都市計画の変更案や新設の地区計画の詳細案をつくる。

 これとは別に、東隣の神宮外苑に関しても計画が進められてきている。2003年に都市計画学者の伊藤滋を長とする委員会が「明治神宮外苑再整備構想調査」報告書をまとめた。
 外苑の出自に留意しつつ新時代の都市公園としてのあり方を構想しており、この都市計画家は今井孝之(都市設計研究所)である。

 これら東西ふたつの計画をひとつに合体した都市計画が、「神宮外苑地区地区計画」である。これはJSCを代表者として国、都、明治神宮、隣接民間企業等の土地所有者が共同で、東京都に都市計画法に基づく提案(2012/12)をして、受理した都が評価の上で都市計画決定(63.3ha、2013/06)をした。

 地区計画はそこに整備する建築をベースにした都市計画であるから、都市計画家は官と民の多数の関係者の建築計画をひとつの地区計画にまとめて、このプロジェクトの実現へのマネージメントをしてきたことになる。
消えた国立競技場の向うに東京都体育館が見える

都市計画公園指定の神宮外苑は
どのような姿で開園するのか

西側の"新競技場関連地区"の地区計画は具体的であり、ザハ・ハディド新競技場案と日本青年館・JSC新ビル計画案に合わせて高さ、容積率、用途の緩和がその内容である。
 高さ制限の緩和は、許可基準を変更して風致地区も高度地区も大幅に突き抜けた。これについて都市計画としても都市公園としても妥当か否か、総合的な検討があったのだろうか。

 東側の"神宮外苑関連地区"の地区計画は、大きく2分して、絵画館と銀杏並木のあるラケット型エリアは保全地区として、創建当初への復元を目指している。
 この保全地区を除く神宮球場等のある外苑と、外苑外のラグビー場及び企業用地等については再開発等促進区としている。企業用地が取り込まれた事情がわからないが、地区整備計画も未指定で詳細はいまだに不明である。

 しかし、外苑再開発地区の土地利用基本方針には、"既存スポーツ施設及び関連施設の更新・再編、新時代のスポーツニーズに対応した施設整備、神宮外苑の緑豊かな風格ある都市景観と調和、魅力的な賑わいの商業、文化、交流、業務機能の集積"とある。
 地権者たちのつくった地区計画企画提案書には、"見直し用途地域は商業地域、見直し容積率は現行の指定容積率に上乗せ設定"と、都市計画的にドラスティックな表現がある。

 一部に企業用地を含むからか、これでは何でもありの商業地再開発の意図で、神社境内だからとて縁日の見世物小屋や屋台店を常設の大規模商業ビルにして立ち並ばせるのか。
 地区計画は、開発構想計画に基づいてそれを実現するように定めるものだが、都市計画家はどのような絵を描いているのだろうか。既に地区計画指定しながらその構想図さえも非公表であるのが不可解である。

 忘れてならないのは、この神宮外苑には都市計画公園の指定があることだ。そもそも神宮外苑はかつて国家神道の国有地であり、戦後に宗教法人となった明治神宮に時価の半額で譲渡(約5.5億円、1956)したから、いわば半分は国民の財産である。
 であればこそ東京復興内環状緑地(1945)、都市計画公園(1957)、風致地区(1970)等の指定をして、都市公園という公共的施設への方向づけをしたのであろう。
 しかし、公園指定から半世紀を過ぎた今も未開園のままである。この機会にその歴史を踏まえた構想計画を練りあげて公表し、例えば特許公園としてでも、全面開園へと進めてほしいものである。

地区計画の区域設定が
都市計画として不可解である

 この地区計画区域には都市計画として不可解な点がいくつかある。都市計画家たちはどう考えたのだろうか。
 第1に、西側の事業が明確な新競技場地区と、東側の内容不確実な神宮外苑地区とは、実体的には無関係なのに同時にひとつの地区計画としたことだ。
 オリンピックで急ぐ官側の計画に、民が便乗したのか。

 第2に、霞ヶ丘都営住宅の廃止である。JSCが都に都市計画提案した時点では、東京都住宅マスタープランに霞ヶ丘都営住宅は"建替え等の事業実施が見込まれる特定促進地区に指定、公営住宅建替事業"との文言があるから、廃止する提案は上位計画との整合性に問題があった。
 この廃止が必要になった都市計画的理由は、移転する日本青年館・JSC新ビル用地(図の)が都市公園指定地であり、公園には建てられない建築用途だから公園指定を廃止、だが、都市公園法により公園面積の減少をできないので、都営住宅地を代替公園としたからであろう。
 オリンピック敗退第1号が公営住宅であるのが、いかにも居住政策のない日本らしい。
消滅させられる都営霞丘団地

 第3に、その南隣の民間共同住宅ビル(図の)は、盲腸のようにぶら下がり、都市計画的に何の脈略もない。
 ①及び都営住宅と一体再開発ならまだしも、私営の民間共同住宅ビル単独建て替えを規制緩和して優遇の一方で、都営の共同住宅ビルを消滅さてしまうとは、なんとも不公平かつ不可解である。
どういうわけか地区計画に入っている外苑ハウス
第4に、青山通り沿いの複数民有地(図の)には、既に大規模建築が大規模敷地に建ち並び、都市的整備済みであるのに再開発計画に含むのはなぜか。
 その一方で、外苑前交差点あたりの細分化した土地に鉛筆ビル群が並ぶ整備が必要な地区(図の)を除外しており、いずれも不可解である。
どういうわけか向うの大規模ビル群が再開発区域

 都市計画批評を試みるつもりが批判となってしまった。建築批評のように、専門家の間に都市計画批評が根づき、一般社会に広まることを期待している。
(写真は、このブログののために付加した)



参照●五輪騒動:新国立競技場と外苑都市計画に関する論考集(まちもり散人)

2015/12/28

1159【くたばれ名ばかりマンション】雑誌建築ジャーナル201年1月号特集:マンションは買うな:基礎杭偽装傾きマンション事件の本質はマンションというシステムだ

 「マンションは買うな」という特集の、雑誌『建築ジャーナル』(2016年1月号)が発売されました。

http://www.kj-web.or.jp/

 横浜都筑区の大型共同住宅ビルの一部が傾いた、地下に打ち込んだ基礎杭打ちに原因があったらしい、そしてその工事データに偽造があった、しかも全国的に偽装が判明という大事件が、この号の特集テーマです。
 
 その中に『マンションは買うな 緊急座談会!』という記事があります。
 座談会メンバーは、マンションでの生活者、マンション反対運動の経験者、マンション設計の建築家、マンション問題の弁護士の方たちに、そして「くたばれ名ばかりマンション」と言っている私にもお呼びがかかりました。
 いろんな立場の専門家や市民の話は、なかなか興味深いものです。

 わたしの発言の一部。
「マンションという共同建築は、所得や年齢、国籍や文化の異なる赤の他人たちが、全くの偶然に集って、超高額不動産を共有して運営するという、実に奇妙な代物です。事件に直面して初めて分る難問題がたくさん潜んでいます。……今回の問題の本質は、実は杭打ち工事にあるのではなくて、マンションというシステムにあると考えています」

 そのほかに構造家や弁護士による論考もあります。
 こちらを参照⇒建築ジャーナル http://www.kj-web.or.jp/

●参照「くたばれ名ばかりマンション」(まちもり散人)
https://sites.google.com/site/machimorig0/#tosikyoju

2015/12/26

1158【書評】住宅供給公社は初心に立ち返って日本の住宅政策を転換する先兵となってほしい


【書評】神奈川県住宅供給公社編
 『横浜関内地区の戦後復興と市街地共同ビル』
(2014年、神奈川県住宅供給公社、非売品)

 今年2015年の秋、横浜郊外の都筑区にある持家共同住宅ビル(世間はマンションと言うが、それは欧米で豪壮大邸宅の意だから、日本では“名ばかりマンション”)が傾いて、基礎杭工事偽装事件が日本列島各地を震撼させている。

 そしてこの秋、横浜都心の関内にある借家共同住宅ビルがひっそりと姿を消した。ビルの名は「弁天通り3丁目第2共同ビル」という貸家ビル、1958年竣功、持ち主は神奈川県住宅供給公社である。
 それは太平洋戦争で荒廃した横浜都心が、戦後復興した記念碑的な建築であり、同潤会による関東大震災からの東京復興共同住宅に匹敵するものだった。

 横浜都心の関内関外地区は、太平洋戦争中の空爆と戦後のアメリカ軍の占領で、道路も建物も大部分が滅失して関内牧場と揶揄されたほどだったが、朝鮮戦争が終わる1954年ころから本格的復興を始める。
2012年撮影 弁天通り3丁目第2共同ビル
2015年撮影 ビルは消えて駐車場となった
日本の多くの戦災都市が区画整理事業で都市基盤を整備して、その上には地主がそれぞれ勝手に建物を建てたのだったが、横浜都心では官民が協力して、災害に強い耐火建築で都市計画的に街並みをつくりあげていった。

 その事業手法は、公的規制とインセンティブを持った耐火建築促進法による防火建築帯造成事業である。関内関外の道路沿いは耐火建築の3階建て以上とすると法による決定をして、そのための公的な資金助成や建設技術提供や調整支援をして建築誘導したのであった。
 中区のエリアで1950年代の10年間で265棟、間口総延長30kmに達したとされる。
 現在、その半数以上が建てかえられたらしいが、その連続共同建築の街並みが、横浜都心景観のベースとなっている。プレ田村期の壮大な住民参加型都心再生まちづくりであった。

その公的指導機関の中心となったのが、(財)神奈川県住宅公社(現在は県住宅供給公社)と横浜市建築助成公社である。この2者が技術と資金のタッグを組んで、上層階に賃貸共同住宅、下層階に店舗や事務所のある、複数地主たちによる共同建築を建てて、その数は52棟に及んだ。
 横浜都心に賃貸住宅と商業施設を合わせて積極的に供給することで、被災した地主たちの生活と仕事の復興とともに、市民の日常の暮らしがある活気に満ちた都心の復興を目指し、それは成功したのであった。

 ここに紹介する本は、その事業を積極的に進めた県住宅公社の関内関外における共同住宅ビル建設の記録である。
 特に記念碑的な上記の共同ビルを取り壊すにあたって、その記録保存とともに、建て替えが進んで忘れられがちになる戦後都心復興期の実情を、公的事業者の立場から全般的に調査した報告書である。
ここにある「公社物件」52棟のうち26棟が現存とのこと(藤岡泰寛氏)

 建設されてから、それらのビルの中でどのような動きがあったかも分って、都市民俗学的な興味もわくのである。特に名作でもない戦後建築が壊されるときに、その意義を再評価して記録保存をする時代となったのも感慨がある。
 今後に望むのは、民の側の動きも含めて防火建築帯の全体像について、どなたか(この本の執筆者のひとりの藤岡泰寛さんか)ドキュメンタリーを書いてほしい。来たるべき巨大震災後の都心復興に役立つにちがいない。

 最初にあげた事件のような持家型共同住宅の問題は、杭打ちという工業的技術よりも区分所有システムに根本原因がある。
 戦後復興期は借家政策であったのが、高度成長期から持ち家政策に転換してから、住宅という箱づくりの経済政策はあれども、社会政策としての居住環境づくり無いままである。
 だからいまや空き家問題が澎湃と起きてあわてているが、すぐに持家共同住宅にも及んでくるだろう。

 大震災が来ようとしてもしている今、大問題にならぬうちに公的対策を打ち出す必要があり、所有と管理が安定する借家政策を再び推し進めるべき時代が来ていると、わたしは考える。
 そう、今こそマンション再生に、戦後復興時代の意気に燃えた住宅公社が動きだすべきである。日本住宅政策を借家政策に転換するべく、空き家問題、マンション問題を社会的に解決する先兵となってほしい。
 
 この本のしめくくりに公社専務理事の蔀健夫さんがこう書いている。その言や良し、大いに期待する。
 「現在の公社も非課税法人として果たすべきセーフティネット機能などの公共的役割は大きいが、それだけが公社の役割ではない。将来を展望しながら地域に密着して必要な事業を展開する企業(ソーシャル・エンタープライズ)としての本質を失ってはならない。それが住宅公社の創業の精神であり、団地再生等の新しい事業の中でその精神を生かしていくのが今後の我々公社職員の使命である。」
 
*この場を借りてちょっと宣伝、雑誌「建築ジャーナル」2015年12月号に新国立競技場の都市計画についてのわたしの論評を寄稿、おなじく2016年1月号に杭打ち偽装事件がらみの「マンションは買うな」緊急座談会でしゃべっています。おヒマなら読んでくださいませ。(伊達美徳2015/12/12記)
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小論は、『現代まちづくり』(2015年12月 現代まちづくり塾発行)に掲載した。なお写真は、この記事のために追加した。

2015/12/24

1157【五輪騒動】当選案は〝早い安い不味い〟ファストフードスタジアムなんだ~!新国立競技場の審査採点結果一覧を見て分ったぞ

 寒さが迫ってきた東京へ、知人の展覧会を観にいったついでに、信濃町であった新国立競技場に関する、市民勉強会を覗いた。
 70人ほどが集まって、建築や運動競技の専門家を招いて、こんどの公募の結果に関しての自主勉強である。熱心なことで頭が下がる。

 わたしはオリンピックにも競技場そのものにも、ほとんど興味はないのだが、こういう場外乱闘には興味がある。JSCの発表を読むのがメンドクサイので、他人から聞こうとの魂胆である。
神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会 緊急勉強会 
原っぱ組の岡目八目・・・新国立競技場二案をどう読むか

 司会の方が見せてくださった、この一枚のAB両案の比較表が面白い。
 このたびの二つの応募案に対する、審査員たちの評価点を並べたのものである。こうやって点数をつけて、客観的(なふりして)評価をしたらしい。
 結果は合計点が多かったA組の勝ちだが、詳細を見るとこうなのであったらしい。
新国立競技場再公募2案の審査員による評価点一覧
工期短縮でブッチギリの差をつけてA組の勝ち

 勝ち点のほうに赤丸を、わたしが今ここでつけたのだが、要するに、「早い・安い・ヘタ」A組「遅い・髙い・うまい」B組ってわけである。
 これには笑ってしまった。
 吉野家って牛丼ファストフード屋の宣伝文句が、「うまい やすい はやい」といったが、実体は「まずい やすい はやい」である。まさにそれである。思い出したが、糸井重里がこれをもじって「はやい、うまい、いとい、よろしく」と言っていた。
 B組は「うまい」だけじゃあ勝てなかったんだ。ワンマン宰相の白紙撤回騒ぎの結果が、「はやい、やすい、まずい、クマ」かよ~、

ファストフードスタジアム



 会は2時間もすすんで、年寄りは寝る時間が近づいたし建築家たちのお話にも飽きたので、中座して帰ろうと会場の外に出たら、司会者が追いかけてきて、何かしゃべって行けとのこと。
 建築のことじゃなくて都市計画のことでもよいかと聞くと、それで良いとて引き返して、10数分しゃべった。時間がなくてうまくしゃべれなかったのが残念、ここに発言要旨を書いておく。

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●発言要旨     2015/12/23            伊達美徳

 わたくしは、一介の都市建築ディレタントの都市徘徊人です。オリンピックにもラグビーにも、サッカーにも全く興味がありませんが、このような場外騒動には大いに興味があります。
 ザハ・ハディド案(コンペ応募案)が実現したら、この大嫌いな神宮外苑の国家権威主義的な景観をブチ壊してくれるだろうと、大いに期待していました。
 しかし今回きまったのは、ベランダで盆栽を楽しむ「名ばかりマンション」の広告の絵のような軟弱な姿のものとて、実に残念です。ワンマン宰相がまた白紙撤回を白紙撤回してくれることを期待しています。 

 都市計画の面から意見を申し上げます。
 まず最初に、世間に流布しているらしい、本件の都市計画に関する情報の間違いを指摘しておきます。
 ひとつは、神宮外苑の地が日本で最初の風致地区指定されたという風説が間違いであることです。1926年9月14日内務省告示第134号において、東京都市計画風致地区を指定しましたが、この場所は神宮外苑の中ではなく、その外の街でした。外苑も内苑も風致地区ではありませんでした。外苑の全部を風致地区指定したのは1970年のことです。内苑も同じです。

 もうひとつは、都市計画である地区計画を、コンペの結果を見て決めたのは、順序を間違っているという風評ですが、これも誤りです。
 地区計画は、その計画する地区の特性によって、どのような建築や景観を作り、守るかという具体的な計画を前提として、それが適切であり悪影響をもたらさないと評価したうえで、その具体的計画を確実に実現させるために、強制力を持つ都市計画によって担保するものです。異なる形の建築計画等を禁止していると言ってもよろしい。
 したがって、ザハ・ハディド案を的確な計画と評価したからこそ、それを実現するための地区計画を定めたのです。
 結果として、白紙撤回になったのは、的確な計画でなかったことになるのですが、それは都市計画のせいではなく、カネメのせいという奇妙なことでした。

 ということで、今回はザハ・ハディド案とは異なる、このA組の案が登場したのですから、その名のごとく、Aクラスの計画であると都市計画的に評価をして、その上でこれを的確に実現するための地区計画・再開発等促進区の地区整備計画に、変更をするべきでしょう。
 また、都市公園の都市計画変更も行うべきです。ザハ・ハディド案をムリヤリ納めるために、都市計画公園の明治公園・四季の庭を立体公園にするという、ウルトラCの奥の手の離れ業をやりました。今回それを元に戻すように、新国立競技場の外郭を調整し、変則極まる立体公園を廃止するべきでしょう。コンクリ床の上に、本物の森は育ちません。ついでに言えば、建築のバルコニーに森はできません、名ばかりの杜です。
 
 そして提案ですが、新国立競技場の敷地全部を、明治公園として新たに開園するべきでしょう。 
 もちろんそこにはこの地に適した樹種、つまり潜在自然植生種の樹木等の苗木を植えて、時間をかけて本物の森を作ることにしましょう。市民参加で植えると、かつての「勤労奉仕」ですね。
 神宮外苑も、東京都体育館も、ラグビー場もこのあたり全部が都市計画公園の明治公園なのです。ただし開園しているのはそのうちの1割ほどです。新国立競技場ができた暁には、開園公園をできるだけ広くしたいものです。

 都市計画に関しては、さらに国立競技場の南にある、都営住宅、三角公園、テニスコート跡地、外苑ハウス等のエリアについても、変更すべきでしょう。
 このことに関しては、ここでは時間的に述べきれませんので、わたくしのウェブサイト
に、提案を書いておきましたので、ご覧ください。
 たぶん新国立競技場とこのあたりを含めて、地区計画の変更、地区整備計画の変更と追加が、今後の都市計画手続きに乗ってくるはずです。東京都民は注意深くこれを監視して、手続きに積極的に参加しましょう。

 さらに今後の都市計画で大きな問題は、現段階では地区整備計画がないままに、地区計画の再開発等促進区に位置付けられている、神宮外苑とそれに隣接するラグビー場や青山通り沿いの民間ビルのある地区です。
 そもそも、地区計画の再開発促進区で、地区整備計画がないのが非常に不思議と、私は思っています。具体的な計画なしに、あるいはそれを見せないで、都市計画決定するのは、法的には違反しなくとも、なぜそれで再開発等促進区を定めるのか、行政当局、都市計画審議会、そして手続き中に何も意見書を出さない東京都民に、わたしは不審を抱くものです。

 この議案を審議した新宿区の都市計画審議会の議事録に、専門家の委員から、具体的な開発計画の絵がないから内容が分らないと、指摘されています。
 審議会にも構想図を見せていなのです。よくまあ、それで都計審は承認したものです。多分、無いのではなくて、隠しているのでしょう。
 これから、新国立競技場周辺と神宮外苑周辺の、地区整備計画が都市計画手続きに出されるでしょうから、東京都民はしっかりとそれをチェックされるように、神奈川県民のわたくしは要望しておきます。

 都市計画と並んで、都市公園のことも留意する必要があります。公園は都市計画法ではなくて都市公園法によって律するので、緩和の考え方が異なります。
 今後、都市計画公園の開園に向けての手続きがどう進むのか、もしかして公園を廃止するのか、見守る必要があります。

 以上、都市計画の面からのコメントでした。ご清聴を感謝します。
==========

 ということで、発言の機会をいただいた主催者にお礼を申しあげます。(つづく)

●五輪騒動:新国立競技場と外苑都市計画に関する論考集(まちもり散人)

2015/12/22

1156【五輪騒動】おやおや白紙撤回再公募新国立競技場案は、クマ組の勝ち、イトウ組の負けかよ

1155【五輪騒動からのつづき

●クマの勝ち、イトウの負けだってさ

熊五郎:ご隠居、てえヘンだ、決まりましたよッ、負けました~。
ご隠居:おや、熊さん、なんだよ、朝から騒々しい、。
:へへへ、あっしが負けましたよ、ほら、昨日の新国立競技場の賭けですよ、A組の勝ちですってよ、ほら、この新聞記事。
:どれどれ、おお、あたしゃA組に賭けたんだっけ、じゃあ、ラーメン奢っておくれ。
:しょうがないや。ご隠居がA組がいいっていうから賭けたのになあ。
:うん、わたしの好みとは違ったなあ。まあ、どっちでも、どうでもいいんだけどね。これで一番ほっとしてるのは建設業界だろうな。
:なんでです?
:あのね、壊した国立競技場は大成建設の施工だったし、白紙撤回されちまったザハ・ハディド案も大成が既に着工してたからね、業界常識的では大成がやるのが当たりまえなんだな。
:なーるほど、では、もしも単純に入札で決めたら、業界で談合して大成になるはずだったんですね。あ、プロポで既に談合があって、B組が負ける提案したかも、、。
:まさか、そこまでは言わないがね。
:でも、まだわかりませんよ、このまえだってワンマン宰相の一言で突然に白紙撤回になったんだから、こんども審査結果をお得意の解釈変更して、B案当選にするって言い出すかもしれませんよ。
:そうかもしれんなあ。そうなると面白いね。白紙撤回を撤回してザハ・ハディド案にする、とか。


●都市計画の変更はまず都市公園から

:ところで、これでまた都市計画の変更をするんでしょうかね。
:そうそう、それだよ、このあたりの今の都市計画は、ザハ・ハディド案を造ることを前提にして、都市公園を変更し、地区計画もそれに合わせて決めたんだよ。
:ということは、こんどはA案を造ることを前提にして都市計画変更するんでしょうねえ。
:この前の変更はかなり大慌てで決めたからか、いろいろ不可解なところもあるんだよ、だからこの際、再変更して決め直すべきだね。
:どこが不可解なんです?
:一つは都市公園の変更だな。このあたり一帯に明治公園という名の都市計画公園の計画蹴ってしてるんだな。その一部が開園しているんだけど、その四季の庭ってところがもろに新国立競技場の建物にひっかかるもんだから、無理やり変更して立体公園なんて、空中に持って行ったんだな。
:空中公園なんて、かっこいいでしょ。
:でもねえ、コンクリ床の上に木を植えたって育たないしなあ、渋谷川をコンクリ床の上を流すこともできないしなあ。
:で、こんどの変更で四季の庭を元にに戻そうってことですか。
:そうそう、どうせ変更するんだから、建物を寄せて立体公園をやめてもらいたいね。そしてね、わたしの新提案は、新国立競技場の敷地全部を四季の庭にして、開園すればいいと思うんだよ。
:おお、そうすればまさに「杜のスタジアム」になるなあ。ご隠居もケチ付けるだけじゃないんですね、時にはいいことも言う。
:年寄りをからかうもんじゃないよ、わたしだって真面目に面白がってるんだよ。そこでだな、わたしは役に立つかもしれない変更都市計画案を考えたんだよ。
:まったく大きなお世話ですね、何の関係もないし、オリンピックに興味ないって言ってるクセして。
:うん、そう、暇つぶしにだよ、この図をご覧よ、まず、さっき言ったように、新国立競技場敷地全部を「スタジアムの杜」って名の都市公園として開園するんだよ。どうだ、いいだろ。

(参考までに)現在の都市計画公園

上のように変更前の都市計画公園


●区画整理に合わせて地区整備計画を変更

:シャクだけど、いいですねえ。じゃあ、ついでにほかにも真面目な提案があるんですかね。
:おお、あるとも、ほら、この敷地の南側の都営住宅などのあるあたりの不可解さを何とかしたいね。
:そうそう、JSC・日本青年館新ビル建設のトバッチリで都営住宅が消されるってことと、外苑ハウスってマンションがどういうわけか都市計画に入ってるってことですね。
最近のニュースによると、そのあたりに土地区画整理事業をかけて整備をするらしいんだな。それなら当然のことに、ここらあたりも地区整備計画を変更しなくちゃならないよ。
:そうか、新国立競技場ばかりじゃなくて、なんにしても都市計画変更が要るんですね。それじゃあ、この前のようなドサクサまぎれ都市計画じゃなくて、きちんとやってもらいたいですね。
:そこでだな、上の図は、わたしが勝手に妄想する土地区画整理の案も画いてるよ。土地区画整理ったって、ここじゃあ土地の入れ替えだけだからね、ごらんのように、三角公園を復活、都営住宅用地の一部と財務省用地の入れ替え換地、建て替えする都営住宅用地の復活、外苑ハウス用地を外苑西通り沿いに換地、その跡地を街区公園にする、まあ、こんなところだね。
:財務省ってなんです?
:それは日本青年館が建ってた土地が財務省の土地なんだよ。青年館がJSC用地に移るから、跡地を都営住宅用地の一部と交換して新国立競技場の敷地にし、「スタジアムの杜」と名付けた明治公園の一部にする、という方法で、外苑西通り沿いに換地したらどうかってことだよ。
:へえ~、おかしいなあ、ご隠居は急に親切になったみたいですねえ、オリンピック敗者第1号の都営住宅が敗者復活、外苑ハウスも道路沿いに高層化、公園も必要なところに必要な大きさで復活、おお、こんないいこと提案して、頭は大丈夫ですかあ?
:うん、善良な年寄りになるとポックリ逝けるかもと思ってな、でもまあ、わたしは勝手に遊んでるだけだよ、誰からも何にも教えてもらってないよ。まあ、おかげでボケ進行が遅くなってるかもしれんなあ、一連のオリンピック騒動に感謝だよ、これからもいろいろ騒動があるといいなあ。
:さて、この次は何がありますかね?
:まだまだあるよ、イチャモンが、こんどは神宮外苑関係の不可解な都市計画問題だね。お楽しみに。(つづく

●五輪騒動:新国立競技場と外苑都市計画に関する論考集まちもり散人)



2015/12/21

1155【五輪騒動】もうすぐ「ザハ・ハディド案白紙撤回再公募新国立競技場案」が決定するらしいがスポーツトトカルチョやってるんだろうか

俗受けA組案対プロ好みB組案

熊五郎:ご隠居、出ましたよ、とうとう。
ご隠居:おや熊さん、いらっしゃい。出たかい、とうとう、ボーナスが。
:ボロ長屋に住む町場の大工にボーナス出るわけないでしょ、ホラ、新国立競技場の新案ですよ。
:ボロ長屋で悪かったな、そうかい、ザハ・ハディド案白紙撤回再公募新国立競技場案だな。
:そう、そのザ白再新国競ですよ、縮めても長すぎるなあ。
:再公募したらたったの2組だけ応募だったってな。
:これがその応募の2組の絵ですよ。これみてどうです、ご隠居。
:フム、このA組案がクマさんだな。
:いや、あっしは応募してませんよ。
:いや、お前さんじゃなくて隈さんだよ、大成・梓・隈がA組だな。で、こっちが竹中、清水、大林、、日本、伊東のB組だな。
:どうしてそうだと分るんですか、JSCは匿名で発表ですよ。
:うん、わたしは建築をみてケチ付けるのが趣味だからね、この絵を見ただけで、わかるんだよ。伊東と隈じゃあ、伊東がだんぜん上手くてプロ受けする、隈は下手くそだけど俗受けするって、これが定評なんだよ。これ見りゃそうだよ。
:へ~、こっちの緑が建物中に植わっているA組のほうが格好がいい、あっしはそう思いましたが、やっぱり俗人ですかねえ。
:これねえ、土のない建物に木を植えたって、管理に手間ばかりかかるだけなんだよ。こんなところで税金で盆栽遊びしないでもらいたいね。
:あ、そうだ、これってプラスチックで作った樹木ですよ、きっと、今じゃあ見ただけで本物と区別できませんよ、それなら管理費がかからない。
:ケッ、まあB組案だって、列柱の回廊をめぐらして、ナチかファッショ建築かねえ。
:ケッ、ケチ付けりゃいいてもんじゃないでしょ。で、どっちがいいんです?
:まあ、どっちかと言えば、B組案だなあ。どっちでもいいんだよ、あたしゃ、オリピックもサッカーもラグビーも興味ないんだから。それにここは神社境内だよ、縁日には見世物小屋やら屋台やら神楽やら百鬼夜行の風景が出現するところだから、なんでもいいんだよ。ま、正確には境内じゃないけど、昔はそうだったんだよ。

●日本的建築を求められたらしい

:今回の公募には、日本的なデザインを求めたらしいですよ。
:だからかい、B組は法隆寺とか唐招提寺とかの列柱と大庇をイメージしたのかねえ、どこかクサイよなあ。日本的なものを求めるって、なんだか大昔のコンペにもそんなことあったなあ。
:そうそう、有名なのが国立博物館でしょ。
:そう、当時は帝室博物館だったな、瓦屋根を載せたのが当選したよ。その頃からなんだかんだと大きな公共建築には瓦屋根が流行ったもんだよ、帝国主義の冠をいただくので帝冠様式って言われたもんだよ。
:でも、新国立競技場の隣りの絵画館は、帝国主義の象徴だった明治天皇を記念しているのに、瓦屋根が載ってませんね。
:それはだな、神宮内苑が和の帝国主義なら、外苑は洋のそれというコンセプトだったからだよ。内苑は日本の神として森の奥深くに祀り、外苑は西洋式帝王として衆人に見せるように祀ったんだよ。
:そうか、和と洋の二つの権威主義景観を作ったんですね。
:そういや、いつだったか二人でこんな和のデザインを造ったよな。
:そうそう、なんてったって明治神宮本殿の屋根なんですからね。
:庶民がお好みの銀杏並木から絵画館への風景全部が、日本帝国主義を象徴する作りこんだ西洋流の帝冠洋式なんだね。わたしはそれが嫌いでねえ、だからザハ・ハディド案の新国立競技場が、20世紀半ばまで日本を支配した国家主義の風景をぶち壊してくれるって期待してたんだよ。惜しかったよなあ。
:こんどの両案とも、そのインパクトにはかけてるんですね。
:ザハ・ハディドのコンペ応募案をどこか別のところで建てるってプロジェクトがあるといいなあ、例えば皇居前広場とかでね。

●神宮外苑も内苑のような森にするなら

:神宮の森っていうけど、内苑はともかくとしても、外苑は森じゃなくてベルサイユ宮殿みたいに帝王のための西洋式庭園なんですね。
:そうだよ、森に見えるのは幅の狭い境界保全林だよ。
:あ、そうだ、今空き地になっている国立競技場跡地に植林したら、これは森になりますね。
:そう提唱している人たちがいるね。内苑の森はいかにも日本の自然林のように見えるけど、全国から集めた多様な樹種を植栽したので、生態学的にはバイアスがかかっていて、この地にふさわしい本物の森じゃないんだね。こちらに植林するならこの地の潜在自然植生種の樹木を植えると、20年もすると本物の森になるね。
:じゃあ、こうしましょうよ、新国立競技場がA,Bどっちになるにしても、その建物の周りの敷地を、その生態学的に本物の森にしましょうよ。昔、全国から青年団が勤労奉仕したみたいに、苗木を市民参加で植えるんですよ、ほら、いま東北の海岸部で緑の防波堤をやってるみたいに。
:思い出したけど、ずっと前にこんな森の案を考えたことがあったな
:そうそう、パロディ戯作ですがね(⇒こちらを参照
:そうだな、ついでに新国立競技場の建設費用も、オリンピック好きな人たちや、外苑景観の好きな人たちの寄付でやったらどうかね。昔々、神宮外苑はそうやって作ったんだからね。もっとも、全国各地に割り当てだったらしいがね。とにかく、あたしの払う税金で、なんの関係もないものを作られてはたまんないよ。
:もうすぐ、A組かB組かの審査の結果と、それを審議する閣議とかで、どっちか決めるらしいですよ。さあ、どっちが勝つか、賭けましょうか。
:よし、なにを賭けようか、そうだ、負けたらラーメンを奢るってどうだい。
:ケッ、1500億円の事業にラーメン一杯ですか?
:それくらいしか賭ける価値がない事業だって意味なんだよ。
:しょうがない、じゃあ、あっしはB組に賭けます。
:さっきと違うだろ、熊は隈に賭けるんじゃないのかい、うむ、やられたな、しょうがない、わたしはA組だ。
:あっ、ちょっと待ってくださいよ、引き分けって場合もあるでしょ。ほら、同点で優劣着け難いから、両方とも合格ってね。
:おいおい、それにも賭けるのかい。じゃあ。八五郎をそれに賭けさせよう。で、そりゃどんな格好になるんだい。
:はい、ごらんのとおり、左右真半分で。(つづく


●五輪騒動:新国立競技場と外苑都市計画に関する論考集まちもり散人)

2015/12/19

1154【終活ゴッコ】PC類とヴィデオデッキ等小型家電品の処分を無料でやるレアメタル都市鉱山

 PCなどの小型家電製品を、無料で引き取ってくれる企業があるという。ありがたい、終活にもってこいである。
 だいぶ前に、モバイルPCを細かく分解して、燃えるゴミでして捨てたことがあるが、まだ捨てるべきPCが2台ある。


 ひとつは12年前に買って、昨年まで使っていたWINXPである。WIN7を買ってからも、壊れたときは戻れるように置いていたが、一度も使わないままなので、この際捨てるのだ。久しぶりにほこりを払って机上に持ち出し、中をあけてハードディスクを取り出した。

 もう一台は、ずいぶん前に買ったモバイルPCだが、ほとんど使い物にならずお蔵入りしていたが、これも捨てる。
 外付けCDドライブ、液晶モニター、ヴィデオデッキ2台、コード類やらなにやらと箱詰めした。
 
 しかし、どうして無料でも引き取るのかと、ウェブサイトを見たら、どうやら都市鉱山とて、レアメタル類を取り出すらしい。近ごろなんでも捨てちまうのに、レアメタルってのはそんなに高いものなのか。
 都市鉱山と言えば、都市金山ってあったなあ。人間の焼骨灰の中から、金歯を集めるのが日本最大の金山だって話を、昔に聞いたことがあるが、今でもそうなんだろうか。金歯を入れている人がいなくなってみたいだけどなあ。

 そのうちに、人間を無料で処分してくれる時代がくるかもなあ、宅急便で送るんだ、、。

2015/12/16

1153【五輪騒動】オリンピックで大急ぎ新国立競技場ドサクサまぎれ都市計画にチャッカリ便乗した周辺開発イイカゲン都市計画

   1152【五輪騒動】より続く

●霞丘都営住宅廃止の不可解

 明治公園ことで前々から気になっていたのは、霞ヶ丘都営住宅地を新たに明治公園にしたのは、なぜなのだろうか、ということである。
 国立競技場の敷地に明治公園の「霞丘広場」を取り込んだので、開園している明治公園面積が減る、その代りに都営住宅敷地を公園にした、ということなのだろうと、単純に思っていたのだが、よく考えるとどうも、それがオカシイのだ。

 オカシイからとて、東京都の都市計画部局のどたかに教えを乞うのも、何の関係もないわたしでは気がひけるし、聞くのもシャクだから、ヒマにまかせて図面をにらみつつ考えてみたのだ。
 それで分ったかというと、よく分からないし、関連してもっと不可解なことも発見して、余計に分らなくなった。まあヒマだから、ナンダカンダと考えたこと書く。
 
 前に述べたように、霞丘広場も日本青年館も敷地にとりこんだ国立競技場の全部を、明治公園として開園すれば、霞丘広場の代替地は不要なのである。それをしないで、わざわざ都営住宅敷地を公園代替地にしたのは何故か。
 東京都は霞丘都営住宅を潰したかったのか。しかし、東京都の住宅マスタープランには、建て替え事業をここでやると書いてあったのだから、それもおかしい。

●都営住宅廃止はJSC・日本青年館新ビルのトバッチリか
 
 どうも、霞丘都営住宅は、近くに移転してくるJSC本部ビルと日本青年館のトバッチリを食らって、あえなく廃止という犠牲になった様な気がする。
 JSC・青年館新ビルの敷地は、都営住宅のすぐ南東の外苑西テニスコートがあった、JSCの土地である。ここに新ビルを合築するとて、すでに工事中である。
都営住宅、外苑ハウス、JSC/青年館新ビルあたり
黄色線内は地区計画の範囲

外苑地区計画全体図

明治公園指定区域全体図

このテニスコート敷地も国立競技場や外苑などと同じく、都市計画公園の指定をしている土地であったが、例の立体公園を決める時に一緒に、この土地を都市計画公園から除外する変更を行った。
 それはなぜか、たぶん、こうだろう。JSC・青年館新ビルは都市公園法からすると、都市公園内には立地できない施設である。将来、ここも明治公園として開園するとなったら違反建築で取り壊しになるおそれがある、あるいは知っていながら既存不適格建築を文科省が建てるわけにはいかないと思ったのか。だから公園を廃止した。
 
 ところが、この廃止をしたままだと、都市公園指定の面積が減少するのだが、都市公園法第16条で、廃止の時は代替公園をつくるように決めている。そこで代替の公園用地として、霞丘都営住宅をそれに充てる都市計画変更したのである(のだろう)。

 つまり、このわたしの妄想が事実ならば、都営住宅はJSC・青年館新ビルの犠牲、そのもとは新国立競技場の犠牲、そのもとは東京2020オリンピック・パラリンピックの犠牲になったのだ。
 オリンピック敗退者の第1号が、公営住宅であるってところが、なんとも住宅政策のない日本の象徴的な事件である。

●都営住宅と外苑ハウスの不可解かつ不公平

 このたびのプロポ案のグランドレベルの図面を見ると、霞丘広場と日本青年館を取りこんで、競技場の前庭は十分に広いように見える。都営住宅跡地にできる公園に、わざわざデッキまで掛けて渡る理由が、どこにあるのだろうか。
 都営住宅を新霞丘広場にしなくとも、一向に問題がないように思えるのだ。元に戻しなさいよ。
 まあ、でも、そうして元に戻したら、JSC・青年館新ビル用地を公園に戻さなければならないから、困るだろうなあ。

 そこで、このあたりの地区計画の図面をにらんでいたら、妙なことに気がついた。霞丘都営住宅の南隣に外苑ハウスなる共同住宅ビルがあり、これが地区計画区域に入っているのである(ここを公園指定すればいいかな)。
 このあたりで新国立競技場とは何の関係もない民有地である。地形もゲリマンダーのシッポのように飛び出しているし、まわりは地区整備計画があるのに、ここだけが方針のみである。

 ここを地区計画区域に取りいれ、しかも再開発等促進区としているのだが、地区整備計画がないからその開発内容が分らない。
 一つの敷地の一棟のビルを都市計画として独立的に定める、しかも緩和型にするのは何故か。こういう都市計画がありうるのか、ヘンでしょ。

 都営住宅はあえなく廃止、こちら単独民間共同住宅は容積や高さ緩和して再建築とは、不公平かつ不可解である。 
 
●総合的な再開発計画があるなら地区計画決定の時に出せ

 最近のマスメディアの報道によれば、このあたりを土地区画整理事業を行う予定があるとのことである。
 その範囲がわからないが、国立競技場、日本青年館、都営住宅、JSC・青年館新ビル用地、外苑ハウス等をその区域として、土地や道路・公園の入れ替えや整形を行うのだろうか。

 そうやって総合的に再開発を進めて、明治公園も新たに開園し、都営住宅も外苑ハウスも建て替えをし、JSC・青年館ビルもそれらと一体の景観の中で建てなおすのなら、どのような姿になるかわからないにしても、まあ、理解できなくもない。
 でも、それならそうと、地区計画決定の時にそれを組み込むべきである。そもそも再開発等促進区は、そのような具体的な再開発計画がないままに定めるべきではない都市計画なのだ。

 周辺に影響が大きい緩和型地区計画の再開発促進区を、方針だけで指定するのはあまりに安易な都市計画である。
 それは、外苑地区地区計画全般について言えることだ。どうもオリンピックで大急ぎの新国立競技場ドサクサまぎれにチャッカリ便乗して、内容が決まってもいない外苑ハウスばかりか神宮外苑や隣接民有地までもイイカゲン地区計画に取り込んだ気配が濃厚である。
 提案書を作った都市計画家、審査して計画書を作った都や区の行政の都市計画家、それを審議した都市計画審議会の都市計画家、どいつもこいつも恥ずかしくないのかい? (うわ、言いすぎか、天に唾か)

 じっと地区計画の図面をにらんでいると、なんともはや外苑地区地区計画全体が不可解なことがたくさんあるのだ。(つづく)

●五輪騒動:新国立競技場と外苑都市計画に関する論考集(まちもり散人)



2015/12/15

1152【五輪騒動】やり直し新国立競技場プロポーザル2案を勝手に審査、イトウに軍配、クマの負けだよ

●やっぱりクマよりイトウの方が数段うまいなあ

 突然、ワンマン宰相による白紙撤回指示で、振り出しにもどった新国立競技場地競技場計画の、やりなおしコンペ(正確にはプロポーザル)による応募案が公開された。
 噂通りのたったの2案応募、しかも応募者のうちの大半が、白紙撤回前の計画に携わっていたんだから、他のものでは手を出しようがないどうにも変なコンペである。


 提案書を全部見るのがめんどくさいから、図だけを見て、ここで勝手に審査をすることにした。
 結論を先に書く。ジャジャ~ン、当選は「B組」です。
 B組とは、公開文書では隠してあるけど、提案者名は、竹中工務店、清水建設、大林組、梓設計、伊東豊雄(あるいは伊東豊雄建設計事務所)である。
 ついでに、勝手審査落選のA組の提案者名は、大成建設、日本設計、隈研吾(あるいは隈研吾都市建築設計事務所)である。

 思い出したが、伊東豊雄って国際コンペに応募して落選、槙文彦の後にくっついてザハ・ハディド案反対の言説やら新案提示、そして今度はまた新案提案、ふ~む、今回は最初のコンペ応募案と同じなんだろうなあ、同じじゃない、また違うん案だとしたら、なんだか節操がない人だよなあ、デザインはうまいけど、。

●権威に頼る応募者たち

 どっちも優秀な建築家を抱える大手の設計事務所がいるのに、デザインアーキテクトにどっちも東大教授を起用しているところが、なんとなく権威に頼ろうって雰囲気が見えて、気にくわない。
 国立大学教授がこんなところでアルバイトやっていいのかい。
 ま、両教授の腕前競争になったが、これまでの両者の建築から予想したとおりに、伊東の腕前には、隈はとてもかなわないってことを再確認したようなものである。

 これらの応募者のうちの大半が、かつてザハ・ハディド案の実施設計や工事アドバイスなどやっていたから、両チームとも内容は熟知しているので、細かく見るヒマはあるが面倒だから見ないことにしても、たぶん、機能的には全く同じものであろう。
 違いは、外観と周辺環境対応のデザインである。

 わたしが観るっところでは、どちらもB案のほうが優秀である。
 ここでは外観についてはあまり論及しないが(世の人々があれこれ言いいたいだろうから)、A案の森のスタジアムとて、建築に木を生やすなんて、子どもっぽい絵には笑ってしまう。建築家の森への認識って、この程度のものなんだよなあ。
 ま、M2から続く隈流のポピュリズムデザインであるが、機能的にはこういうニセモノは森とは言わない、盆栽である。手間ばかりかかる。

 B案のもつ、ある種の様式性が、記念的な意味を持つスタジアムにふさわしい。白い帽子の鍔が広がり過ぎだが、貴婦人を気取ったか。
 なお、念の為にまた書いておくが、わたしはザハ・ハディド案に反対ではないし、期待もしていた。明治神宮外苑の持つ20世紀半ばまで日本を支配した国家主義的な景観を、これでぶち壊してくれるはずだったのだ。
 その意味ではA案はどうしようもないし、B案にも不満を持つしかないのである。

●都市計画公園への対応をどう考えるのか
外苑地区地区計画
明治公園全体像


明治公園の都市計画変更
立体公園部の右側カーブはザハ・ハディド案をなぞっている


 出直しになって、わたしがいちばん期待していたことは、都市計画的対応である。
 とくに都市公園の明治公園を、ザハ・ハディド案に合わせるために、一部を大幅にいじめる立体公園に都市計画変更したことに対して、出直し案がそれをどう修正するか、ということである。
 いじめた内容は、「四季の庭」の部分を、渋谷川も流れず、草木も繁茂しないコンクリ床の空中庭園にしたことである。

 要するにザハ・ハディド案の建築の幅が広すぎるので、四季の庭にはみ出すのだが、なにがなんでもと言われるもんだから、都市公園の下に潜り込ませて、公園を空中に持ち上げたのである。しかも道路の上まで含む空中に持ち上げたのだから、姑息極まりない。
 なお、国立競技場敷地も都市公園指定範囲であるから、都市公園そのものの面積は減少してはいない。空中という妙なところに一部移転したのである。

 さて、この立体公園を、A,B両案はどう扱ったか。平面図と断面図だけで判断する。
 A案は、グランドレベルの四季の庭をつぶして、屋上に空中公園をもうけているから、ザハ・ハディド案の通りである。渋谷川を描いているが、姑息である。
 B案は、現在の都市計画決定の立体公園の位置を避けて、本体建築をしている。つまち立体公園でなくてもよいのである。それでも立体公園だからとて、下がピロティになった空中デッキを、建築本体とは別にわざわざつくっているのが奇妙だが、こんなものは不要である。
もう少しうまく配置を考え直すと、四季の庭を復活できそうである。
 だからこれは、B案のブッチギリ勝ち(のように見える)。

 そもそも、立体公園にしたのは、ザハ・ハディド案をなにがなんでも実現せよとの、オリンピック筋から脅迫されて(多分)、しょうがないからドサクサ、ムリヤリ考え出した方法である。
 こんどは白紙出直し案がでたのだから、それに合わせて都市公園の変更も白紙見直しするべきである。それは渋谷川の四季の庭の復元である。そうなるように、新計画を調整するべきである。
 ドサクサムリヤリ都市計画なんて、プロとして恥ずかしいだろ。

●国立競技場を明治公園として拡大開園を

 この明治公園であるが、そもそも東京都体育館、国立競技場、明治神宮外苑まで、このあたり一帯全部が都市計画決定している明治公園である。
 都体育館まわり、四季の庭、霞丘広場が開園しているが、そのほかは未開園で、開園面積は指定面積の1割程度である。
 だから国立競技場も未開園だが、じつは明治公園の一部なのである。

 今回の新提案を見る限りでは、両案とも周囲に広い緑地を計画しているから、この際、ここも明治公園として開園すればよいのである。明治公園の開園区域の拡大である。
 東京都体育館の敷地のように、国立競技場の建築だけを避けて(その理由は都市公園法の建蔽率制限対応のため)、ここの敷地の全部を明治公園として開業するのだ。
 立体公園なんて、草木も生えないような姑息なことをお止めなさいよ。そうしたのはオリンピック開催という恐喝にあって、ムリヤリだったんでしょ。

 新国立競技場敷地を明治公園として開園すれば、霞丘都営住宅用地を霞丘広場の代わりの明治公園にしなくても良いはずである。
 それなのに都営住宅を廃止してまで公園にした理由が、不可解極まるのである。地区計画図を見ながら考えていたら、その不可解さの原因が分かった。つづく
 

●五輪騒動:新国立競技場と外苑都市計画に関する論考集

2015/12/13

1151【言葉の酔時記】消費税、今年の流行語、懐かしいニュース、そっくり偽装、気になるてにをは

●消費税虚戯ニュース
 自民党と公明党は協議を重ねた末、新消費税を10パーセントに増税するにあたって、軽減税率適用品目について次の結論に達した。
(1)軽減税率適用品目を、酒と外食を除く飲食料品としていたが、その線引きが難しいので、全商品に対して軽減税率を適用する。
(2)これによって数兆円の税収が失われることに対処するため、新消費税率を20パーセントにし、軽減税率を10パーセントにする。
 ということで、軽減税率の度合いも大きいし、税収も増えるし、徴税納税の事務的煩瑣も無いし、消費者は計算が簡単になるので、国民は喜んで自公両党に票を入れるだろうと、官邸筋では歓迎している。

●今年の「新語・流行語大賞」知ってる知らない談議
 毎年恒例らしい流行語大賞、でも知らないなあ
×「トリプルスリー」:ぜんぜん知らない
○「爆買い」:銀座に行くとおおぜいのアジア系外人と思しき人たちが大きなカバンを引きずって歩いているから、ハハン、これが爆買人だと知った。でも、日本側から言うと「爆売り」でしょ。
○「アベ政治を許さない」:誰だったか俳人の書をデモ参加者がコピーして持って行ったんだけど、わたしが行った時は見なかったなあ。
×「安心して下さい、穿(は)いてますよ」:ぜんぜん知らない
○「一億総活躍社会」:知ってるよ、一億総括丼社会でショ
○「エンブレム」:前から知ってる、シンボルマークのことね
×「五郎丸(ポーズ)」:なんのことだか?
○「SEALDs」:知ってる、頑張れよ。
○「ドローン」:忍術で消えるときに言うよなあ、
×「まいにち、修造!」:知らないなあ

 おお、今年は知ってる率が6割とは、好成績であった。ちなみに、2014年は集団的自衛権と危険ドラッグのたったの2割、2009年は政権交代、事業仕分、新型インフルエンザ、脱官僚、派遣切りの5割だった。

 また別のGoogle検索による流行語ランキングなんてのもあるのだそうだ。
その2015年版は、一位から順に、わたしが知ってる知らない判別。
○1「マイナンバー」(大賞):知ってるよ、さすがにね。
×2「ラッスンゴレライ」:ぜんぜん知らん、聞いたこともない。
○3「エンブレム」:知ってる、シンボルマークのことを言いかえたらしい。
○4「ドローン」:まあ、知ってる。
○5「北陸新幹線」:これも知ってる。
×6「あったかいんだから」:こんなの普通に言うじゃん、なんで流行語なんだよ。
○7「大阪都構想」:知ってるよ。
×8「火花」:え、なんでこれが流行語なの?、普通に使う言葉じゃン。
×9「おにぎらず」:なんだろう?、おにぎり関連用語かしら?
×10「モラハラ」:モラルハラスメントの四つ文字略語かな?
 ということで、こちらは知ってる率(知らない率)5割でした。

●懐かしいニュース(その1)
「空爆、まるで無差別」なんて、誤解を承知でいうけど、なんだか懐かしいニュースである。1944
年から45年にかけて、太平洋戦争下の日本列島でも、こんな無差別大空爆があったよなあ。沖縄以外の日本列島各地200以上の都市が、アメリカ軍による無差別空爆、いったい何人が死んだか未だに分らないけど、1000万人くらいは被災した。26万人が死んだ広島原爆もそのうちのひとつ。沖縄は空爆じゃなくて、地上戦になった。
「シリアを逃れるしか」とあるけど、日本では外国に逃げだそうにも、まわりは海だし、隣国と戦争しているのだから、列島内で逃げ回るしかなかった。疎開という言葉が、空爆(空襲と言った)から避難する意味になったのはその時からだ。
「ISいなくても標的」って、日本のあのころは、軍需施設でなくても、どこもかしこも標的になったよなあ。歩いている子どもでさえも、空から狙い撃ちされたよなあ。

●懐かしいニュース(その2)
おや、これって、1970年代日本の新聞に、ちょくちょく登場した風景だよ、懐かしいなあ、通勤も通
学もみんなマスク姿だったなあ、アメリカの新聞に日本ではみんなマスクして生活してるって書かれたことあったなあ、近ごろは光化学スモッグって言わないのかな、環八雲ってのもあったなあ、こうやって地球上の人々は豊かになっていくんだなあ。

●そっくり偽装事件
 杭屋さんと薬屋さんが、まるで真似したような偽装事件。 これで分ったのは偽装手口の上手下
手、超ヘタクソ杭屋さん、超知能的な薬屋さん。 杭屋さんは教えてもらいなさいよ、薬屋さんに上手なごまかし方を、。



●気になるてにをは


2015/12/01

1150【マンション撲滅論①:買ってはいけない7か条】こんな不安定な資産なのに世の人は大借金してまでなぜ買うのだろうか

 「マンション撲滅論」とは、過激である。だが、近ごろの杭基礎偽装問題が起きたから急に言い出したのではない。阪神淡路大震災の頃からだから、もう20年以上も前から「くたばれマンション」と悪態をついているのだが、一向に効き目がないので、過激に言うことにしたのだ。

 ところで、ここでいうマンションとは、基本的にはマンション建て替え円滑化法に言う、2以上の所有者がいる共同住宅建築のことである。だが、もともとはアメリカ大統領一家が住むホワイトハウスのような大邸宅をいうのであり、日本のマンションは不動産屋の誇大広告用語だから、実は「名ばかりマンション」というのが正しいのだ。

●大借金を背負わないと家に住めない超後進国日本

 なんだかオカシイよなあ、世の中はそんなに金持ちばかりいるんだろうか。買う人がいるから建
武蔵小杉の写真つき記事
つんだろうけどなあ。
 え、なんのことかって、分譲共同住宅ビルのことですよ、マンションとも言いますね、本当は「名ばかりマンション」ですけどね。
 今の日本は金持ちばかりなのか、それとも巨大借金をしても返していけるほどに、将来も安定した大会社サラリーマンばかりなんだろうか。
 それとも成金中国人の爆買いなんだろうか。この爆買いで名ばかりマンション事業者は、売り逃げできて嬉しいだろうなあ。

 最近の新聞によれば、分譲共同住宅(マンションと言うらしい)の一戸当たり平均価額が、首都圏ではなんとまあ5300万円を超えているそうだ。そんなに髙いのに、あとからあとから分譲巨大共同住宅ビルが、競うように建ってくる。買いたい人がいるから建つのだろう。
 そうなれば粗製乱造も出てきて、杭打ちを不真面目にやった建物が傾いた事件が相次いで起こっている。

 神奈川県川崎市に武蔵小杉というところがある。このあたりは工業都市川崎市の内陸工業地帯である。大小の工場が肩を並べている地域だ。
 ところが産業構造の変化らしく、駅周辺の工場群が閉鎖してその跡地が住宅地に転換しつつある。それも超高層分譲共同住宅ビル(タワーマンションと言うらしい)が林立してきつつある。
 わたしはこの街を大昔から知っているが、駅前あたりの変わり具合は尋常ではない感じもある。
武蔵小杉2004年:右の白い建物群は日本電気工場・研究所

武蔵小杉2014年:右の日本電気工場は健在
中央から左方の工場跡に超高層名ばかりマンション林立
駅周辺だけ大変化だが町全体としては変化なし
大きな公園もなければ、文化施設もない街
はっきり言って、武蔵小杉は住宅地のイメージは全くないと言ってもよい所であった。
 それが今やタワーマンション群のイメージ先行で、最近ある不動産系の企業が、住みたい町のアンケートを若い層にしたところ、1位:吉祥寺、2位:恵比寿、3位:横浜 4位:目黒ときて、5位に武蔵小杉が登場とは、へ~である。この後は、品川、中目黒、表参道、池袋、新宿とベスト10だそうだ。
 このような調査はマンションを売るためのバイアスがかかっているとみなければなるまいが、それにしても恵比寿、武蔵小杉、品川、池袋、新宿なんて、昔なら住宅地としてハナもひっかけない地名があるのが、今どきなのか。田園調布が出てこないのも、ご時勢か。

●持ち家政策はあれども借家政策はない超後進国日本

 実を言えば、名ばかりマンションなるものは、人間が生活するには実に危ない不安定な代物である。
 それなのに政府が持ち家政策ばかり推し進めて、借家よりも一時的な見かけ上の支払額は安いから、家を買うしかない。家の欲しい国民は、借家じゃなくて持ち家しか手に入らないように誘導されてしまったのだ。
 日本人が持ち家が好きだからという言説があるが、それはウソで、戦前派半数以上が借家であったのだ。

 戦争直後から1960年代までは、公営と公団の団地に象徴されるように、住宅政策派社会政策として公的借家を作ってきたのだ。企業も社宅という借家を供給した。
 ところが1970年代から、その公的借家層が革新勢力への傾斜が著しくなり、危機感を持った保守政権が借家から持ち家へと政策転換を行ったのである。小さくても財産を持てば、庶民は保守層になるというわけである。

 以後、借家政策は後退に後退を続けて、いまや公営住宅はほとんど作られないし、公団のあとを継ぐURは制度変更で新規借家は作ることができなくなった。
 そして、高度成長下での景気を支える経済政策として住宅政策が使われた。だから高度成長に乗れないが公営住宅に入る資格のない低中間層は、住宅貧窮階級となった。その典型は都市における低質の民間木賃住宅群の出現である。 

 だから借家が需要がないのではない。阪神淡路大震災で作った災害復興公営住宅は38000戸もあり、東日本大震災で東北3県でのそれは20000戸もあることに見るように、いったん災害が起きると持ち家は、必ずしも頼りにならないことを証明した。
 長期にわたって公営住宅を作ってこなかった東北三県の自治体は、震災が起きても公営住宅を建設するノウハウも人材も失っていたので、復興が遅れているといってもよい。

 住むには持ち家しか無いような日本の雰囲気だが、戸建て住宅は環境が良ければともかくとしても、区分所有型の共同住宅の持ち家までも、持ち家としてもてはやしているのは、とんでもない間違いである。今やこのシステムは破綻の寸前にある。
 とにかく「名ばかりマンション」を買うのはおやめなさい。近ごろ、戸建て住宅の空き家問題が起きているように、もうすぐ名ばかりマンション空き家問題が起きてくる。だが、この解決策は超難しい。
 問題が起きる前に、名ばかりマンションを買うのはおやめなさい。すでに名ばかりマンションを買ってしまった人は、はやく売り逃げしなさい。


●名ばかりマンション買ってはいけない7か条

1・名前からして大嘘つきの「名ばかりマンション」
 もともとマンションmansionって大邸宅のことで、例えばアメリカ大統領の住むホワイトハウス。昔に不動産屋が誇大広告でマンションと付けた名称が、ひとり歩きどころか、法律名称にまで使われるという、官民一丸となって誇大宣伝である。欧米系外国人に、「わたしはマンションに住んでます」なんて言わない方がいいですよ、恥かきますよ。

2・こんな大借金をしないと家に住めない日本
 そもそも借金しないと家に住めないのが大問題のうえに、その借金さえもできない非正規雇用の雇用の若者、そして高齢者がどんどん増えている。
 なのに住宅政策はあいかわらず持家推進の経済政策、居住は憲法にも補償する基本的人権なのに、まったく生活後進国ですねえ日本は。

3・大借金返済に大苦労で返済終ればすぐ死ぬばかり
 借金で来て家を買ったはよいけど、人生の半分くらいをその借金を返すために働くという悲惨さは、わたしも経験した。日本の持ち家政策には恨み骨髄である。だからわたしは今、公社による賃借住宅に住む道を選んでいる。しかし、家賃の決め方が、近くの民間賃貸住宅と同じベルにするというのが気にくわない。
 西欧諸国では、公的賃貸住宅の家賃は民間借家の家賃を適切に誘導する役割を持つのだそうだが、そうあるべきだろう。住宅政策が経済政策だから民間に従うという、西欧諸国にくらべて超後進国である。

4・超高額の資産を見知らぬ人たちと共有する大冒険
 多いものなら1000戸以上もある名ばかりマンションだと、それを管理するには町村なみの行政能力が必要になるのに、実体は俄か素人集団の管理組合である。うまくいくわけがない。
 見知らぬ人(倫理欠如ヤーさんとか異文化外国人とか)と、高額な財産を居有するって、それがどれほどの大冒険なのか想像できますか。単に隣の人じゃないんですよ、運命共同仲間ですよ。

5・人口減少でマンション空き家幽霊ビル問題時代が今に来る
 戸建て住宅の空き家問題が急に騒がれるようになったが、名ばかりマンションももうすぐ空き家問題にぶつかる。
 いったん空き家が出始めると雪崩を打って増殖、幽霊ビルになったら犯罪の巣である。戸建てなら壊すことができても、共同住宅はその一部を壊すことは不可能だから、スラムになるにまかせるしかない。

6・古くなったり壊れたりして建て直しになると貧乏人は追い出される
 法律では建てなおす時は、8割の以上の戸数が賛成すればできる。つまり2割が反対しても、無理矢理に時価で買取られて、追い出されるのである。
 つまり、建て替え費用を分担できない貧乏人は、買った時よりも安くなってる家の代金をもらっても、替わりの家を買えないから路頭に迷うのである。それに対する政策的な支えはほとんどない。

7・財産としての価値は下落する一方
 名ばかりマンションは、土地がない家のようなものだから、買った時から価値がどんどん下落するのが当たり前である。価格を維持するには、常に金かけて維持する必要があるが、これも貧乏な人ばかりか分からず屋とか、多様な住人がいるから難しい。
 建物価値が下がっても土地の価値は下がらないと思えど、じつは土地は細分化された共有地だから、土地だけ処分できないので財産価値は無い。

 というわけで、この大問題物件に気が付いたお方は、早いこと売り逃げしましょうね。共同住宅がお好きならば、一棟全部賃貸方式の借家に移転しなさいね。そのほうが身のためですよ。
 ほら、阪神や東北の大震災地では、何万戸もの復興災害公営住宅、つまり賃貸住宅に引っ越していますよ、東南海大地震がまだ来ない今のうちに、先取りして賃借住宅に入っておきましょう。
 
 次回からは、「マンション撲滅論・賃貸住宅礼賛論」を書いていく。  (つづく)

参照:姉歯大震災の喚起するもの2005~2007
    ……これで怖いと分かったマンションなる不安定な財産……
参照:民主党の都市と住宅政策はどうだったか(2009‐2010)
    ……実はなんにも分ってなかった新政権……

参照:都市居住論:くたばれマンション
https://sites.google.com/site/machimorig0/#tosikyoju