2014/08/20

984・戦争でも死んでしまえば敵も味方もないだろうと地域別戦没者数を見て思う

 8月15日に訪れた千鳥ヶ淵戦没者墓苑の入り口の脇に、大きな説明版がある。東アジア、東南アジア、中部太平洋の地図に、各地域ごとの戦没者数が書いてある。

 先の大戦における海外主要戦域別戦没者数一覧図 
 総数 2,400,000人
 備考
 1.本図の戦没者数は、昭和12年7月7日以降、各主要戦域毎の軍人軍属及び一般邦人の数    である。
 2.国名地名は、平成15年4月1日現在の表記である

 つまり、盧溝橋事件の日、日中戦争が本格的に始まった日からである。
 ということは、日本の戦間期は、日露戦争が終わった1905年から、この1937年までであったのか。でも、わたしの父は、その前の満州事変と言われる戦いに兵役について、万里の長城で戦闘に参加した。

 地図に記載されている主な地域の死者をあげると、中国本土465,700、旧満州245,400、フィリピン518,000、中部太平洋各地247,000、東武ニューギニア・ソロモン諸島246,300、ミャンマー・インド167,000などなど、ものすごい数である。

 そんな遠くまでそんなにも大勢が出かけていって死んだのか。しかもこの数字は、「軍人軍属及び一般邦人」とあるから、軍隊の構成員でない人たちも含んでいる。
 その一般邦人がどれくらいの数だろうかと気になった。ネットで調べていて、下記のサイトを見つけた。
http://mainichi.jp/feature/afterwar70/pacificwar/data1.html

 そこには軍人軍属の戦没者数を書いてある。これに、上記の墓苑のにある掲示の数字をそれぞれに赤で書き込んで比較して見た。
 これをみて驚くのは、旧満州地域である。軍人軍属が46,700人に対して、一般人が20万人近くも死んでいることである。
 軍の庇護のもとに進出して行った日本人たちでさえ、これほどの死者数ならば、現地の住民たちはどれほど死んだのか。

 さらに驚くのは、沖縄では軍人軍属89,400人に対して、一般人が10万人近くが死んでいることだ。
 日本での地上戦でこれほど死んだのなら、そのほかの各国の各地の地上戦では、そこに暮らす人々がどれほどの人が死んだのだろうか。

 死んでしまえば敵も味方もないだろうから、両方の戦没者を記録することが、次の戦争を防ぐための道だと思うのだが、どうしてそうならないのだろうか。
 地域ごとのその国の人々の死者数をネットで探したのだが、どうしてもうまく見つからない。

参照→靖国神社の喧騒と千鳥ヶ淵墓苑の静寂


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