2014/07/17

972「安全だと言わない」という原子力規制員会委員長は委員会設置法違反のような

 昨日(2014年7月16日)、原子力規制委員会は九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)について、「新規制基準に適合している」とする審査書案を定例会で了承したので、これでもって政府は安全のお墨付きが出たので、再稼働へGOサインを出すというニュースである。

 ところがメディアのニュースには、田中委員長が記者会見で「基準への適合は審査したが、安全だとは私は言わない。」と言ったとある。
http://mainichi.jp/select/news/20140717k0000m040063000c.html
 え、そういうものなのかい、規制委員会でしょ、規制に合うようにしたから、規制解除してもよい、だから「安全になった」のじゃないのか、どういうことなんだろ?

 しょうがないから、「原子力規制委員会設置法」なるものを読んでみた。
 その目的は、第1条「原子力利用における安全の確保を図るため必要な施策を策定し、又は実施する…中略…、もって国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資する」とある。
 ほら、「安全を確保」って書いてあるでしょ?
  
 じゃあ規制員会の任務は何かと読めば、第3条「原子力規制委員会は、国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資するため、原子力利用における安全の確保を図ること」とある。
 ほら、「安全を保障」して「安全の確保」と書いてあるでしょ。

 それなのに、委員長が「安全とは言わない」と言うことは、川内原発は安全じゃないんだよなあ。
 だから、メディアが報じる様に、安全じゃないものを政府が再稼働にGOサインを出すって、そんなことがあるはずがない、そうにきまっている、、、そう、、だよね、。

 ということで、新規制基準に合っているかどうか審査するってことは、文字通り調べて査定して、委員会設置法の任務にもとづいて、その原発は「安全」てことにしたんだから、それを「安全とは言わない」という委員長は、原子力規制委員会設置法第3条違反である。
 もしかして、委員長は原発に対して、ひとりの科学者として、一定の矜持を示したのかもしれない。
 だが、矛盾は矛盾である。設置法違反の行為である。

 その規制基準そのものの意味を問われないままに、規制基準に合いさえすれば安全というは、まるで解釈改憲と同じじゃないか。
 なんとか3原則とかって新基準に合いさえすれば、第9条の本質の意味を問わないままに戦争の加担するってことと、ほぼ同じような気がする。
 そうやって、今度もまた「解釈安全」をやるらしい。原発に対する市民の「集団的自衛権」はどこかにおかれている。


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