2013/09/18

835横浜港景観事件(14)あの結婚式場が姿を現したがどうもつまらない風景だ

 ようやく暑さも控えめになった日、みなとみらいホールに出かけた。
 途中の桜木町駅前からみる新港の風景の中に、例の景観問題になった結婚式場の工事用の囲いが取り外されて、その華麗なる?姿を現しているのであった。
 ほお、これがあの騒ぎの結果であるかと、日本丸パークからしげしげと眺めたのであった。
 まずは汽車道からの新港、北仲にかけてのパノラマをご覧あれ。

 記憶を戻して、例の結婚式場の最初に事業者から出された絵である。これが横浜市都市美対策審議会でNOと言われたのであった。設計者は清水建設である。

 その案をもとに横浜市当局と事業者が調整して、結論としてGOとなったのが、この絵↓である。上の絵とはどこが違うか、クイズになる。

  そうして、今、これが現実に姿を見せた実物である↓。さて、上の絵と同じだろうか。

 わたしの第1印象は、計画時に示されていた絵よりも、なんだかボケているなあ、であった。色もメリハリがないが、建築の形もごたごたしていてメリハリがないのである。
 隣のワールドポータースの建築デザインは、なんともまとまりがないが、その延長上でまたゴタゴタデザインが登場した。なんだか増築に見えるが、それは相互に商業的には成功かもしれない。

 どうもつまらないのだが、なにが詰まらないかと考えて、いわゆる遊園地型の商業建築としてのデザインを狙ったのだろうが、万事中途半端なのである。いろいろな形態が登場しているのだが、その間に統一感はないし、ひとつひとつにも美しさに欠ける。
 かといって、異なるものの組み合わせによるポストモダンやハイブリッドのもつ面白さもない。
 全体的にプロポーションがよくない。基壇部とその上という二つに分けているのだが、その間のプロポーションが悪いし、基壇上部の建築プロポーションもよくない。

 どう見ても、お隣の遊園地にある大観覧車と一体になった遊園地施設である。その点では、周辺景観と調和していると言える。
 以前に観覧車を人質にとったデザインだと批評したことがあるので、もしもこの観覧車が無くなったらどうなるか(仮設だから)、いたずら戯造をやってみた。
 おお、なんだかしまりのない風景になったなあ。あとからあとから増築を重ねた旅館のようである。悪い景観が出現したというよりも、つまらない景観になってしまった、というところだろう。 
     
   ちょっと悪乗りして、こんな戯造をやってみた。
 ふふふ、もしも、こういうのが出てきていたら、どうする?

もうひとつ悪乗り、こんなのだったら?

だんだん過激?になる 結婚式場に洲崎弁天復活か
  
ついでに右のほうにも、へへへ

参照:これまでのこの件のブログ記事
723横浜港景観事件(13)キリンが見ている横浜新港の結婚式場工事
660横浜港景観事件(12)ほぼ当初計画でGOサインの結婚式場計画
647横浜港景観事件(11)新港地区という島全体をどうしたいのか
646横浜港景観事件(10)横浜の景観行政見に新港地区へ
640横浜港景観事件(番外2)建築家の言うことはよくわからない 

634横浜港景観事件(番外)神戸の港でもコスプレ建築の結婚式場が
633横浜港景観事件(9)新港登場「新擬洋風」建築は新ランドマークか
632横浜港景観事件(8)赤レンガ建築群が建ち並ぶ出島かと思ってたら
628横浜港景観事件(7)現代の結婚式場は鉄柵の中の異教徒礼拝所
                                        
                
626横浜港景観事件(6)もっと楽しい風景にしてほしいと思うけど、
624横浜港景観事件(5)ラブホは愛の空間、結婚式場は幸福の時間
623横浜港景観事件(4)幸せと愛の空間は教会と城郭と神殿にある  

622横浜港景観事件(3)隣の遊園地と景観的調和を図りました
621横浜港景観事件(2)下手な模倣デザインをするなとデザイン指針
620横浜港景観事件(1)かの有名な横浜市の景観政策が座礁気味 
 
599横浜港景観事件(序2)非日常・異日常そして日常の風景
592横浜港景観事件(序1)市場における都市美とは?

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