2012/12/11

696日本で地震からも津波からも核毒からも米軍基地からも逃れる地域はどこだろうか


●疑わしくても罰しないのが原発だって
 今朝の新聞には、国の原子力規制委員会が敦賀原子力発電所2号機の真下を走る断層が、活断層の可能性があると発表したというニュースがある。
 ということは、この原発はかなり危ないってことであるらしい。

 原発事業者は、そんなことは絶対ないと否定し、敦賀市長は、可能性あると言ってるだけだからまだ黒じゃない、疑わしきは罰せずだ、と言っているそうだ。
 この疑わしきは罰せずって、ここで言うのがすごいと思う。普通はこういう時に使うもんじゃないよなあ。明日、敦賀地震が来たらどうなるのか。

 それにしても、今や日本では原発近くに住むってのはかなり勇気がいると思う。
 それは、地震の津波で襲われるとわかっていながらも海岸地域に住むのと似ている。
 こうなったら思い切って、原発から20㎞か30㎞圏に住むことを法律で禁止してはどうか。建築基準法第39条の「災害危険区域」に指定するのである。

●東北では津波被災で災害危険区域を決めた
 今、東北地方の被災地では、津波で被災した地域に、法律による災害危険区域を定めて、かなり広い範囲の土地に、これからは居住禁止を強制することにした。
 その指定区域内では、住宅を造って住むのは禁止だが、工場や店舗はよいのだ。

 たとえば宮城県山元町では町域の3分の1がそうなっている。それだけ津波被害が広かったということである。
 だからその地域に住居のある人たちは、他に移転しなければならない。安全のためには仕方ないが、移住のための法的な支援措置があっても、あれこれ大変なことである。

 それはそれで気になるが、わたしがもっと気になるのは、そうやって居住禁止した土地は、これからどうなるのだろうかということである。
 住宅でなければいいというのだが、それでは工場や店舗の事業者が、そんな危険なところを選んで立地してくるだろうか。
 地域の人たちだって、そういう危険な地域で働くのも考えものだし、買い物に行くのも気になるだろう。

 ショピングセンターの事業者は、喜んでやってくるかもしれない。彼らは2年くらいで投資を回収するから、それまで津波が来なければよいのである。まあ、10年くらいは来ないだろうよなあ、?、いや、つい3日前にも津波騒ぎがあったなあ。

        (津波が来た街)
でもそうなると、今の日本各地で問題になっている中心街の疲弊、つまり生活圏の便利さが失われていくことが、ますます進むだろう。
 となると、せっかく計画的に作った移住先の街も、また住みにくくなるかも知れない。

 多分、空き地のままの災害危険区域が広がっている風景となるだろう。
 防災集団移転促進事業によって移住した跡地ならば、公有地になるから公園にする案もあるだろう。しかし、何か施設を造ってもそんな広くては、維持管理が大変である。
 田畑にして耕作するのが一番良いだろうが、農業振興の問題が横たわっている。TPP問題もあれば農業人口の高齢化問題もある。

 その土地はもとはと言えば海だったところである。自然の持ち物だった海を埋め立てて、人間が使うようになったのである。津波はいわば自然からの返却命令である。
 ならば、いっそのこと海に戻してはどうか。浚渫して出てくる土で陸のかさ上げをし、掘り込んでできた内海は港や養殖漁業の場とするのだ。

●太平洋岸はどこも災害危険区域でしょうに
 ところで、東北の被災地では今になってあわてて災害危険区域を指定しているが、同じように津波での災害危険区域ならば、茨城から鹿児島まで太平洋岸全部がそうであるはずだ。
 こっちはどうなっているのだろうか。

                 (これから津波が来る街)
東海、南海、なんとか大地震が言われているのだが、地震津波が来てから災害危険区域を指定しても、遅すぎやしませんかねえ。
 こちらの津波で危ない海岸地域全部に、あらかじめ指定しておいて、津波が来る前に移住するようにするのが、あるべき防災政策と思うのだけど、そうはいかないのだろうなあ。
 なにしろ、現実にあまりに多くの人が住んでいて、それを移住させるとなると超大問題になって、とても区域指定できないのだろう。わたしが日ごろ唱えているマンション禁止と同じである。

 つまり、大津波が来て何万人何十万人も死んでから、おもむろに災害危険地域を指定するってことにならざるを得ないと、これはとても科学的判断じゃなくて、いわば政治的判断ですな。
 日本は人柱が立たないと、前に進まないのである、昔から。
 実はかく言うわたしが住んでいるところも、海抜2~3m、港から2km足らずだから、もうその時はその時である、歳だって先は長くないことだし、。
 ある人から聞いたのだが、海岸地域に住む人が次第に内陸に移転しているそうだ。持ち家の人は簡単じゃないが、借家の人は好んで海辺に住むことはないから、とうぜん内陸に移住するだろう。

 原発の近くも災害危険区域その指定をして、これから廃炉になり、地震が来ても核毒が漏れないようになるまで、指定解除はしないことにする。
 沖縄の嘉手納基地周辺なんてのも、災害危険区域の資格が十分にあるように思う。ここも移住するなら防集事業である。もっとも、基地のほうが移住するべきだろうが。

●地震津波核毒基地から安全な地域はどこだ
 津波海岸から遠く、地震の巣から遠く、原発から遠く、そして軍事基地からも遠く、かつ学校病院文化施設や飲み屋から近い、そんなところに、わたしは住みたい。
 ということは、そういうところが日本の中にあるならば、そしてそこが人口減少で悩む地域ならば、それを宣伝すると地域再生になると思いますが、いかがですか。

 実は、先ごろそう思って、あれこれ調べていたら、わたしの生まれ故郷(岡山県高梁市)がそれにぴったりとわかったのであった。


  まずこれを見てください。高梁のあたりは地震が少ない。
  日本全国広域 最新30日間の震央分布図 (独立行政法人防災科学技術研究所)
 http://www.hinet.bosai.go.jp/hypomap/

 そして今の一番怖い四国沖での南海大地震が起きても、何とか大丈夫のよう。もちろん津波はここまでは来ない。
  中央防災会議資料
 http://www.jjjnet.com/image/shindo_nankai.gif

 上の地図だと島根県あたりのほうが安全に見えるけど、そこには島根原発がある。島根原発は高梁に一番近い原発だがそれでもかなり遠い。下記のサイトで島根原発のところの図を見てください。
  全国の原子力発電所の周辺人口(2005年)埼玉大学谷謙二研究室
 http://ktgis.net/tohoku_data/genpatsu/

 南海やら東海やら大地震が起きてもなんとかなるだろうし、津波が起きても瀬戸内海から高梁川をさかのぼるには遠すぎるし、島根原発が核毒まき散らしてもここまでは来ないだろうし、富士山が爆発するらしいけど高梁まで灰が降ってくることはなかろうし、一番近い米軍基地は山口県岩国だからかなり遠い。

 というわけで、故郷はよいところと分ってはいたけど、こういう意味でよいところと今頃になって知ったのである。
  もう何年も減り続けている人口が、これを日本全国に宣伝すると、増える方向になるでしょうね、多分。
 故郷の方々、いかがですか。

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