2010/07/10

290【言葉の酔時記】新聞の人名呼称ってなんだかオカシイよ

 女子中学生二人の放火犯罪が新聞に載っている。記事を読んでいてなんだかよく分からない。
 
二人の女の子が共謀してそれぞれ自分の家に放火したらしいのだが、どちらも女子中学生で、放火した家は別のところにあるのに、人名呼称がどちらも「女子中学生」だから、どっちがどっちか、どっちの家の子か分からない。

 書いた新聞屋もそう思ったか、一方を「長女」と書いているが、これももう一方も長女かもしれないし、よけい分からない。
 事件は気持ち悪いし、読んでも頭がこんがらかるし、途中で読むのをやめた。

 特定の人間を指しているのに、普通名詞の女子中学生とか長女とか書くからおかしいのだ。A女、B女と書いてくれると簡単に分かるのに、わざとこんがらかるように書いている。
 他のところで4人くらい女性が登場する記事があって、ここでは新聞屋もさすがに困ったらしく、A子さん、B子さんなんて書いている。

 犯人と確定しているのじゃないけど、どう見ても犯人らしいやつを、敬称を付けないでどう表現するかって、新聞屋さんのお困りが、そのまま読むほうのお困りになっているのですよ。
 男の犯人なら「男」、男の被害者なら「男性」と書くのも、どっちも普通名詞だから、同じ記事で何度も「男」が登場すると、途中から、世の男ども全部が悪い奴ってことないでしょう、なんて抗議したくなってくる。
 昔の新聞では仮名ってのを使っていたけど、世に同じ名の人がいると怒るだろうから、ここはA女、B女性、X男、Y男性なんて書いてはどうですか。

●参照→195女は悪いが男性は悪くない

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