2008/12/27

076【老いゆく自分】商店街のまんなかで転んでしまった

 ひょいと足が空を踏んで、前のめりに、何かにつかまろうとしたがむなしく、まえにとっとっとのめって、歩道に手を突き、右膝を打った。
 痛い、でも、カッコウ悪い。なにしろ箱根観光の玄関の町の商店街の真ん中だから、通る人がいっぱいいて、大丈夫ですか、と、親切に言って下さる人もいる。

 ハハハ、大丈夫です、ありがとう、、なんて強がり言いつつ、膝のゴミをさっと払って、すっくと立ち上がり、そろりと足を踏み出す。打った膝が痛いが、歩くことはできる。
 振り返って転んだところを見たら、街路樹の根元の周りが、舗装面から低くなっていて、うっかりそこに足を突っ込んだのであった。
 そろりと歩き始めて、次第に調子が戻る。ハハ、なんともないよなあ、と、自分言い聞かせつつ行く。
 電車に乗ってから落ち着いてみると、右膝のズボンが破けている。おお、中身はどうかと触ってみたが、血は出ていないがちょっと皮がむけている。
 もう10年も前だったか、長崎の町の繁華街で、突然ばたんと見事に転倒模範演技のごとく転んだ。このときも周りに大勢人がいて、恥ずかしかった。きれいに舗装した道だが、どうして転んだのか、ちょっと舗石に段差があったらしい。
 このときはズボンが破れるだけでなくて、血が出た。急いで薬局で絆創膏を買って、それでズボンを応急修理し、ついでに傷口もふさいだのだった。

 老いる自分の衰えに気がつかずに、特に足元に注意することなく歩いているらしい。疲れると足の上がり方が鈍ってすり足になり、ちょっとした舗装の石の段差でも転ぶようだ。
 転びかかっても、立て直す踏ん張り能力とか、反射的になにかにつかまる能力に欠けてきているらしい。

 そのうちに、転んで骨折して、寝込んで、そのまま老化急進行ってことになるのだろう。母がそうだった。
 今度からは転んだら、カッコウなんかつけないで、転んだままでおおげさに助けを求めることにしようか、一回くらいは救急車に乗ってみたいから、、。 

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