2018/02/12

1317・不良共同住宅ビル→不良民泊共同ビル→空き家ビル→ドヤビル:不良住宅再生産ドミノ現象の街

熊五郎:チワーッス、ご隠居、元気に生きてるかい。
ご隠居:おお、熊さん、いらっしゃい、何とか生きてるよ、今年は寒いねえ。
:寒いっても、うちに籠ってちゃ身体によくないですよ、徘徊に行かなきゃ。
:うん、ありがとね、ちょっと徘徊してきたよ、昨日の証拠写真だ。

:よしよし、日付がありますね、でも、ただのマンションでしょ。
:あのなあ、マンションてのはもともとは環境の良い超豪華邸宅のことだよ、それが日本じゃあ不動産屋が誇大広告宣伝文句に使いおって、それに世のバカが乗せられてるんだよ、これは単なる共同住宅ビルだよ。しかも目の前が高速道路の劣悪環境だよ。
:そうそう、ご隠居に言わせりゃ「名ばかりマンション」だ。で、これがどうしたんです。
:ではこの写真はどうだ。実は同じ位置から去年3月に撮ったもんだよ。上の共同住宅ビルは、この時に工事が始まったばかりでまだ見えない、これって南側から撮ってるよ。

:ほう、じゃあ、この去年撮った写真に見えてるマンショじゃなくて共同住宅ビルは、新しい共同住宅ビルでまるきり日陰になったんですね。
:そうなんだな、この同じ横から見た去年と今年の写真を比べとくれ。左が新ビルだよ。ついでに合成GIFアニメだよ。



:うわッ、まるきり日陰になっちゃった。スゴイなあ、揉めてないのですかねえ。
:実際は揉めたかどうか知らないけど、実はその日陰になったのは共同住宅じゃなくて簡易旅館なんだよ。
:でも旅館だからって、日陰でいい、通風も眺めもプライバシーも駄目でいいってことないでしょうに。
:実は旅館と言っても、一泊1000円から2200円位で泊める超安宿なんだよ。このあたりはこういう宿が多い。
:あ、わかった、寿町ドヤ街のドヤビルでしょ。そのドヤビルを日陰にして新共同住宅ビルが建った。
:おお、ようやく分かったか、そうなんだよ、寿町ドヤ街の南に新しく建ったんだが、見たところこれはドヤじゃなくて共同住宅らしい。賃貸か分譲かわからないけど。
:そうか、写真の左上斜めに黒く見えてるのは、中村川の上にかぶさる高速道路ですね。ってことは、この新共同住宅ビルは目の前からビュンビュンと車の騒音と排気ガスが襲ってくるんだ、ヒドイところに建てるもんですねえ。
:そう、考えようによっては、この新共同住宅ビルが、その北のドヤビルの騒音と排気ガスの盾になったんだね。
:ワハハ、日陰にしたお詫びに騒音を遮ってあげましたってね。でも、そんな騒音排ガス満杯住宅に入る人がいるんですかねえ、この住宅余り時代だってのに。
:ごらんよ、このドヤビルを。別々のビルのすごく狭い隙間に各部屋の窓と窓が向き合ってるんだよ。このあたりではこんな有様のドヤビルばかりだよ。

:へえー、で、ここにどれくらいの人が宿泊してるんです?
:ちょっと前に聞いた数だけど、このドヤ街地区の広さはおよそ6ヘクタールなんだが、6500人くらいいるらしい。
:つまりヘクタール当たり1100人ってことになる、ウワッ、それってむちゃくちゃ過密も過密、超過密スラムだなあ。
:実際はほとんどの宿泊者は生活保護の高齢者で、宿泊と言いながら実は住宅として暮らしているそうだよ。住民登録もここにしていてね。
:それじゃあ、ここは宿屋で住宅じゃないから、日照も通風もプライバシーもなくていい、なんてことは言っちゃいけませんね。
:でもヘンだよねえ、今、日本じゃあ空き家が増えて大変だそうだけど、こんな劣悪宿やまがい住宅に住む生活保護が、そんなにもいるなんてねえ。
:ちかごろ景気がいいなん言ってるけど、どうも何かどこかおかしいですね。
:うん、おかしいねえ、ドヤじゃなくて普通の共同住宅も、こんな例を見たよ。上の写真は昨日写したんだが、下は去年の写真でこれはグーグルストリートからコピーした同じところだよ。

:ありゃ、これじゃあ後ろの共同住宅はまるきり日陰ですね。う~む、空き家が増える一方で、こうやって新築住宅がストックを不良住宅化させるんですね。不良化するとそこがまた空き家になるでしょ。
:そうなんだねえ、不良住宅化すると空き家になる。いやその前にドヤビルに変身するかもしれないねえ。実は寿町ドヤ街は、じわじわと拡大してるんだよ。
:ドヤが周りに広がってるんですか。
:寿町の外周りの街区に新ドヤビルが建つ地域拡大と同時に、地域内でも建替えて高層化が進んでいるんだよ。
:ってことは、ドヤマーケットは広がっていて、ドヤ業は景気がいい、つまり住宅困窮者が増えてるんですね。ふ~む、ドヤ業ノウハウを持った事業者が、空きビルリニューアルで事業拡大に取り組むかもなあ。
:あるいは空きビルを民泊ビルに変身とかね。民泊もドヤも、住まないから環境はどうでもいいんだと、ますます不良住宅が増えそうだな。
この写真で気になるのは、左の駐車場が高層ビルになるだろうってことですね。そうすりゃ、この新共同住宅も日陰ビルになり、そのうちにドヤビルになるでしょ。
不良住宅と空き家再生産ドミノ現象の街だねえ、どうなるんだろうね、いやな世の中だなあ、こうなりゃもう逃げ出すしかないな、あの世に、、。
:また、ご隠居の例の口癖だ、しょうがないねえ。そうだ、ご隠居、ご安心ください、近いうちに南海トラフ巨大地震が一気に片づけてくれますよ
:だから、その前に逃げ出したいんだよっ!


関連ページ
横浜寿町ドヤ街は新築高層ドヤ建築が林立して周辺へ拡大貧困ビジネス繁盛
寿町宿泊体験記
◆シリーズ「横浜ご近所探検隊が行く


2018/02/02

1316【FACEBAKA与太記事2018年1月】ロシアバカメール、カリフォルニア俳人、茶席宝庵、明治大好き、終活コンサル、ドーピング解禁、昔美男などなど

1月29日
【モテてる気分!?】ロシアから連続バカメール攻撃だあ、 数日前から、いろいろな名前の外人女性(らしい)から、バカメールがやってくる。 その名は、Katya、Julia、Natasha、Polina、Anastasia、Irina、Helen、Yulia、Victoria、Valeria、Ksusha、Kseniya、Natalia、Sveta、Ekaterina、Alexandra、Kate、Darya、Sasha、Masha、、なんだかロシア名が多いような気がする。
 そして、1部を開いて読んだが、たぶん、文章はどれも同じで、最後の名前だけが違う、つまらないなあ、いろいろ変えて書いて欲しいなあ、せっかくくれるんだからね。
You seem like my type and I would like to know you more! Write me if you are interested, here is my email e●●●a@rambler.ru and, if you want, I will send some of my photos. Hugs, Yulia、

1月29日
【カリフォルニア俳人】
 今朝の朝日新聞に、カリフォルニアに住む友人が朝日俳壇(長谷川櫂選)に入選しているのを発見。
   元旦の空気さやけき台所  大竹幾久子
 おや、なんと平和な句なんだろう、と、思ったのは、この歌人はこれまで朝日歌壇に、原爆を落とした国に住む原爆被爆者として、怒りと悲しみを込めた歌を投じてきていたからだ。このような出版物もあるひとだ。
『いまなお原爆と向き合ってー原爆を落とせし国でー』大竹幾久子著

1月26日
 北鎌倉に、山口文象設計の「うつし」茶室建築(1934年)2棟があり、「北鎌倉・宝庵」(ほうあん)と名付けて、今年4月から公開される。建て主は、横浜市立大学初代学長関口泰氏。
 山口設計の「新宿区立林芙美子記念館」(1940年)とおなじように、創建時の姿で登場するが、こちらは見世物じゃなくて積極的に活用する。

1月23日
【今朝の新聞2018/01/23】宰相は大好き甘い明治キャラメル
 安倍さんが唱える憲法改正って、明治憲法に憧れて言ってるんだね、そりゃまあ、明治初動期の大戦乱で、アンタの長州は勝ち組だったからね。
 でも、それが明治78年に日本大破局を招いたんだよなあ。

1月22日
灰色の天の毛布のわたぼこり降り積み敷きて白布となりつつ

1月18日
たわむれに広告写真に手を添えて わが老い深きを強迫されたり

1月17日
【今日の新聞】記事の内容はつまらないものだが、そこに「婚活コンサルタント」って商売があると書いてあるが、お見合いさせ好きの世話焼きオバサンを言い換えただけだろう。 
 じゃあ、「終活コンサルタント」ってのもいるだろうなあ、ならば、教えてもらいたいな、棺桶の中で楽だった姿勢とか、火葬で気持ちよかった火加減とか、気持ちよく成仏させてくれた坊主とか、それらの逆とか、死んだやつから情報集めて教えてくださいな。

1月12日
 【横浜風景】崖の上には不動尊のお寺、赤い四角な格子骨組みも、白いゴツイ不格好な格子骨組みも、じつはその上に建っている本殿を支える崖の土木構造物だが、下半分も真直ぐに格子を組めば美しいのになあ、そして赤く塗ればいいのになあ、なんでそうしないんだろ?
 崖の下には赤鳥居の稲荷社、こちらから鳥居の向こうの稲荷とか不動に手を合わせると、どなたか知らぬが個人の立像を拝むことになる仕掛けが、なんとも面白いなあ。

1月12日
 今年初めて書店にはいれば、たくさんの雑誌やムックや特設棚にも西郷隆盛の顔が大量に登場、え、なんで今ごろ西郷BOOMなんだよ?、生誕ウン百年なのかと見れば、なんだ、TV大河ドラマの主人公かよ、へえ~、こちとらTV見ないから知らないけど、たったそれだけのことで、こんなに西郷本を買うヤツが世には居るのかあ、そういうのって世の中なんだかコワ~イコワイ。

1月10日
 酒と同じで禁止するから犯罪が起きるんだ、いっそのこと、ドーピング解禁にしたらどうだ?、オリパラ期間中の新聞は、たぶん読むところないだろう、新聞やめようかなと思ってるけど、こんな事件がどんどん起きるなら、新聞も面白そうだなあ。

1月9日
【言葉の酔時記:実家】
 昔は「実家」というと、嫁入りあるいは婿入りしたとき、出てきた家のことを言った。「里がえり」の里が実家で「婚家」の対語だ。近頃は生家あるいは生家でなくても親の家のことを実家というらしい。
 男が「実家に行ってきた」と書いているのを読むと、「この人は婿入りしたんだな」って、わたしはつい思ってしまう。良い悪いじゃなくて、言葉の意味は変るから、どうでもよいこと。
【年賀状対応】
 昨年の正月分から決断して、こちらからは誰にも年賀状も寒中見舞いも出さないのに、今年もけっこうたくさん年賀状をいただいて、まったく恐縮してしまう。そこで、返事の年賀状を出す、電子通信で年賀返事を出す、放っておく、このいずれかに分類して処理しているが、まあ、ヒマツブシにはなる。
 さて、幼馴染旧友から元日に賀状をもらったのだが、本日またも2通目の年賀状がやってきた。8日も間を開けて来るとは、ボケて2通も出したふりして「お前も年賀状をよこせ」って催促なんだろうなあ、いや、ホントにボケたのかなあ、だって返事の電子賀状をとっくに送ったんだもん。あ、返事への返事かな、、キリがない。まあ、こっちだって返事年賀を、同じ人に2通出しているかもなあ、、う~む。

1月8日
【今朝の新聞:持続可能なオリパラだって?】
 東京オリパラに「SDGs」ってなんだあ?、ふ~ん、持続可能な開発にするんだってさ、で、新国立競技場の工事には、どこか南洋のジャングル伐採して、住民を困らせる環境破壊じゃない木材を使おうってことらしい。
 おい、おい、それじゃあ、南洋住民以前に、既に日本住人が環境破壊を蒙ったじゃんかよ、どうするんだよ~、なんで記事にしないんだよ、ほら、もう忘れたのかい。新国競に絡んで、道路を挟んだ向うの都営住宅団地を、キレイに壊してしまったじゃん、住民が居るのを追い出して、これからも使える建物を壊したじゃん、明確にSDGs大違反でしょうに、なんで朝日新聞はこのこと書かないんだよ~、あ、そうか、「朝日スポーツ新聞」だもんなあ、しょうがないか。
●参照;2013/12/08【五輪騒動】都営住宅消滅、JSCビル焼け太り

1月7日
 いいかげんにせい!!、星野って何者か知らんけど、昨日の夕刊も今日の朝刊も同じ記事ばかり、商品二重売りだぞ、新聞代返せ!、朝日スポーツ新聞もう取るのを止そうかなあ。

【今朝の新聞広告】
 ウワッ、あのハンサムボーイたちが、こうなった!、83歳と85歳の今、歳とりたくないもんだ、って広告だな(このふたり、だーれだ?)

2018年1月1日
【写真で故郷の神社に初詣】謹賀新年
 この写真で、狛犬を見て戌年の初詣気分、、、になるかも、、、わたしの故郷の高梁盆地にある神社、しかも私の生家の神社、この境内で生まれ育った、この拝殿は1977年の建築。もっとも、わたしは初詣ってしないけどね。

2018年1月1日
 【元旦の新聞】ええ~っ、カラオケでみんなが盛り上がり合唱する歌が、なんとまあ、『君が代』だって~!??、これって、ほら、あの相撲の歌でしょ、ケダル~イ国歌、へえ~、、今どきって不思議な時代なんだね!!!??? それにしても、毎年の元旦新聞って、連続休刊3日分のゴミだね。

2018/01/14

1315【言葉の酔時記:アメリカ俗語研究】トランプはshit-hole countriesと言ったと非難されてるが実はshit-hot countriesと褒めたかったのをうっかり言い間違えたのかもなあ

 “Why are we having all these people from shit-hole countries come here?”  中米とかアフリカとかの国々を、トランプがこう罵ったらしくて、「野外便所」の国と朝日新聞は訳している。ネットでも話題で、世界各地でそれぞれ勝手な訳語をあてているらしい。  スラングの辞書をみたら、shit-holeのあたりは罵り言葉ばかり並んでいて、面白いけどねえ、そんな汚い言葉を大統領が話すって、アメリカって庶民の国なんだなあ。
 わたしが一番に思い付いた訳語は「野壺」あるいは「肥溜め」なんだけど、思えばこれはいまでは死語なんだね。  昔は人糞を作物の肥料にしていた。田畑の畦道際に大きな丸い桶を埋めて、人糞をこれにしばらく溜めて腐敗させてから作物の根にまいていた。ときどき子どもがこれにハマって糞だらけとか溺死する事件が起きたものだ。いたずらで石を投げ込んでいたら、農家のひとに「こらっ、拾い出せッ」って叱られて、なんともはや困りきったこともある。  うーむ、「肥溜め国」ねえ、よく言うよなあ、すごいなあ、正直だよなあ、政治家には向かない人だなあ、。  もしかしてトランプは、アメリカの肥やしになる国々って言いたかったのかなあ。それも正直な発言の様な気もする。  いや、もしかして、実は「shit-hot countries」と、おおいに褒めるつもりを、「shit-hole countries」って言い間違ったのかもしれないなあ、、あるいは聞いた方が聞き間違えたかもなあ。

2018/01/03

1314【FACEBAKA与太記事2017年12月】退位、原発、ミサイル、なんだかんだ、、、

2017年12月にフェイスバカに掲載した与太記事のまとめ

12月2日
天皇が退位したら、当然のことに、内閣総理大臣も退位するんだろうなあ、むかしから天皇を敬愛する偉い人って、ホラ、追い腹切るでしょ、乃木さんみたいにね、

12月4日
あっちじゃ造ったものが壊れて撤去作業中、
こっちじゃ作ることやめて会社切り売り中、
どうなるんですかねえ、TOSHIBAさん

2018/01/01

1313【更に・山口文象設計茶席常安軒】北鎌倉浄智寺谷戸に関口邸茶席を創った人守ってきた人未来に伝える人

北鎌倉浄智寺谷戸関口茶席由来記 その6
伊達 美徳

北鎌倉浄智寺谷戸の旧関口邸茶席が公開されるとて、その80余年の由来を建築家山口文象を軸に記すことにした(6回連載)
その5】のつづき

●関口邸茶席を創った関口泰

 この茶席をつくった関口泰(せきぐち たい 1889~1956)は、朝日新聞論説委員だったジャーナリストであり、評論家として政治や教育論の著作を多く世に問い、加えて旅と山歩きを趣味として随筆や短歌俳句もよくした。
 著作の公刊書も36冊と多く、『民衆の立場より見たる憲法論(1921年)から始まり、『軍備なき誇り(1955年)が最後であった。没後に関口を惜しむ人々や近親者が編集刊行した『関口泰文集(1958年)と『関口泰遺歌文集 空のなごり(1960年)に、主な著作が収録されてその足跡がよく分る。
 この浄智寺谷戸を愛した関口は、『金寶山浄智禅寺(1941年)なる深い歴史考証の著作を出版した。その「後書」に、関口が浄智寺谷戸に居を構えた1930年頃の風景や人物の状況を細かに記している。それらを瞥見して関口のことを記す。 
浄智寺の庭の関口泰 引用元:『空のなごり』1960年

2017/12/29

1312【又々・山口文象設計茶席常安軒】鎌倉に居ながら京都の大徳寺忘筌の庭に高台寺遺芳庵吉野窓を眺めようと欲張り技の茶室写し

北鎌倉浄智寺谷戸関口茶席由来記 その5
伊達 美徳

北鎌倉浄智寺谷戸の旧関口邸茶席が公開されるとて、その80余年の由来を建築家山口文象を軸に記すことにした(6回連載)


その4】のつづき
さて、ようやく関口邸茶席の本館とも言うべき
数寄屋会席について述べる。

どこか別のところで見たことあるような


 
●関口邸茶席の数寄屋会席今と昔

 浄智寺谷戸の道から草屋根の門をくぐり路地を歩めば、最初に出会うのがこの数寄屋建築の会席である。吉野窓茶席はその裏に隠れて、やがてやってくる客を待ち受ける。

 吉野窓茶室が小面積なのに大きな髙い屋根を載せて、ボリュームを大きく見せているの対して、数寄屋会席の方はその大面積をできるだけ小さく低く見せようとしている。屋根を小瓦一文字葺きと杮(こけら)葺き(いまは金属板葺き)の奴(やっこ)葺きで薄く軽く見せる。
左に数寄屋会席、右に吉野窓茶室

2017/12/25

1311 【又・山口文象設計茶席常安軒】北鎌倉には三角茅葺屋根とまんまる吉野窓が浄智寺谷戸にも明月院谷戸にも古雅な姿を見せる

北鎌倉浄智寺谷戸関口茶席由来記 その4
伊達 美徳

北鎌倉浄智寺谷戸の旧関口邸茶席が公開されるとて、その80余年の由来を建築家山口文象を軸に記すことにした(6回連載)

【その3】のつづき

●大工棟梁山下元靖の回顧譚

 この茶席常安軒の工事をしたのは、大工棟梁の山下元靖であり、『工匠談』(1969年 相模書房刊)という本を出して、自分のいろいろの仕事を語っているが、その中でこの茶席の想い出も35年も前のこととして語っている。
 この本には、山口文象による「山下さん」という序文があり、関口から設計を依頼され、山下と「毎日浄智寺の現場で……けんかをしながら楽しんで仕事に没頭した」と記している。どちらも30歳そこそこの若者だった。


 山下はその本の「北鎌倉の関口邸の茶室」という章で、数寄屋会席については何も述べず、吉野窓茶室と離れの工事についての自慢話をしているのが興味深い。
 その吉野窓茶室について、草ぶき屋根の小屋組み仕口の仕事を茅葺屋根専門の職人から褒められたこと、吉野窓を貴人口にも使うように工夫したこと、土庇柱の沓石に寺院の向拜の沓石を転用したように古びて見せる工夫をして関口を感心させたことなど、職人肌が面白い。
窓は吉野窓にし、直径を京間の六尺の大丸窓にしました。
それは貴人口にも使用する関係で、丸窓の下部を半紙幅の半幅、
つまり下から約四寸の高さのところを図のように水平に切り、
掃き出しも兼用できるようにしました
」(『工匠談』)

2017/12/21

1310【続々・山口文象設計茶席常安軒】ベルリンでの関口と山口の話で始まった浄智寺谷戸への京都高台寺遺芳庵の写し茶室「吉野窓由来」

北鎌倉浄智寺谷戸関口茶席由来記 その3
伊達 美徳
北鎌倉浄智寺谷戸の旧関口邸茶席が公開されるとて、その80余年の由来を建築家山口文象を軸に記すことにした(6回連載)

【その2】のつづき 

●京都高台寺遺芳庵の鏡写しの茶室

 この茶席をつくるにあたっては、関口泰があの茅葺の茶室をつくりたいことからはじまったらしい。京都で見たある茶室の姿に惚れて、浄智寺谷戸の持ってきたい、そして山口文象も関口よりも前にそれを見て、素晴らしいデザインだと知っていたというのだ。
 だから、この茶室は既存の茶室のコピーである。ただし、コピーするときに左右逆転の設計をしている。
 なお、昔から茶室の建物は、「写し」といってコピーをつくることが普通に行われていたから、特に不思議でもない。

 さてそのコピーされたほうの京都の茶室は、高台寺ある「遺芳庵」である。
 この茶室については、なんだか俗受けする由来があるようだが、ここではそれはおいといて、関口茶席としての由来を書いておく。
 だがわたしは茶室建築には暗いから、興味だけで書くから間違っているかもしれない。

2017/12/20

1309【終活余談】あきひとさんの終活でちょうどよい機会だから日ごろ面倒な「元号」をもうやめてちょうだいな

 「終活談義」なるお題を、「現代まちづくり塾」の塾報編集委員からいただいたので、わたしだって終活年齢だが、それを書くにはまだ早い!?、ここではある有名なお方の「終活問題」を書こう。
 そのお方とは、あきひとさん(この人には姓が無いのでこう呼ぶしかない)である。なんでも、歳とって疲れたのでもう辞めるって、つまり終活に入るとTVで宣言したとのこと。

 どうぞどうぞ、ご勝手に終活をおやんなさいよと、庶民のわたしは思うのだが、どうも、その終活のトバッチリが庶民にも及ぶらしいのだ。ほんとに困るのである。
 それは改元とて新「元号」の登場である。まったくもって元号は高齢社会の邪魔ものである。だって、ほら、元号と西暦と換算するでしょ、明治には1867、大正には1911、昭和には1925、平成には1988を、それぞれ加えると西暦になるんだけど、歳とるとその暗算が無理なんだよなあ。それらにまたひとつ計算が加わるともうどうしていいもんか。いちいち計算機を叩くってのもなあ。
 あ、これってもしかして、おカミの国民ボケ防止対策かもしれないなあ、う~む。

2017/12/17

1308【続・山口文象設計茶席常安軒】リベラリスト関口泰が愛でて後半生を過ごした浄智寺谷戸の自然と茶席と庭と

北鎌倉浄智寺谷戸関口茶席由来記 その2
伊達 美徳

北鎌倉浄智寺谷戸の旧関口邸茶席が公開されるとて、その80余年の由来を建築家山口文象を軸に記すことにした(6回連載)

その1】のつづき
大き巌うしろになしてこの梅はことしれうらんと咲きにけるかも  関口 泰

●関口泰が愛でた浄智寺谷戸の風景

 鎌倉は谷戸(やと)と呼ばれる地形に特徴がある。三浦半島特有のデコボコ丘陵ばかりで、海辺の外には広い平地が少ないので、12世紀ごろの昔から丘に切りこむ狭い谷間に宅地をつくってきた。
 谷戸は谷の向きや深さによっては、日中のほんの少ししか日が当たらない。奥になれば坂道は急になり階段になる。歳とると住みにくい。

 浄智寺谷戸は南上りであり、旧関口邸茶席はその奥にある。まわりを緑の丘陵に囲まれていて、豊かな自然風景に恵まれているが、その一方で陽光が照る時間は少ない。
 この茶席をつくった関口泰も谷戸を愛し、短歌「浄智寺谷風景」や随筆「小鳥と花」に自然を描いている。
 そこには、鶯の声で目を覚まし、彼岸桜、紅梅、山桜、染井吉野、大島桜、蝋梅、雪柳、緋桃、芍薬、牡丹、山躑躅、山吹、山藤などの花々を愛でる日常を、優雅な筆にしている。