2010/06/30

285【世相戯評】世界タマケリ大会に占領された新聞がようやく普通の新聞に戻った

 これでようやく新聞も普通に戻るだろうと、ほっとしている。
 なにしろ今朝の新聞は、負けたのに1面も社会面も占領して、困ったものである。
 そう、世界タマケリ運動会の記事である。
 実は、昨夜は日本パラグアイマッチをTVライブで見た。はじめてである。
 これで決着つくかと期待したら、そのとおりになった。
 PC画面のはじっこに小さく写しながら、文章書きをしていたが、うるさくて音を消した。
 ブブセラもそうだが、それよりもおしゃべりがうるさい。あんなにしゃべらなくても見れば分かるよ。それともタマケリ試合ってのは、解説がないと世のファンは分からないのかしら、。
 いちばん面白かったのは、最後の1対1の対決であった。
 相手の作戦というか、心理状態というか、目つき動作というか、それを互いに読みあってすばやく予想して対応する。力や技じゃなくて心理作戦で相手をうまく裏切った方が勝ちってのが、面白い。
 それに引き換え、本試合のほうは2時間も右往左往しているだけで、なにが面白いのか。

(夜、追記)
 夕刊もデカデカと1面から最後まで占領しているので、ハテナ、もしかしたら日本チームは勝ったのかしら?、サッカーのルールはゴール数が少ないほうが勝ちなのか?、と、今朝は読まなかった記事を読んだら、やっぱり負けていた。もう、いいかげんにせ~よ、。

●参照
http://datey.blogspot.com/2010/06/277.html

284【言葉の酔時記】縦割りでそれぞれ勝手な言い方の役所用語

 区役所の年金保険課から手紙が来た。
 「課税所得」が現役並みなので医療費負担が3割になるが、夫婦とも70歳以上なので特別申請手続きすれば1割になるのでどうぞ、というのである。

 そこで所得税確定申告の控えを見ると、「課税される所得金額」は現役並みに届かないのである。おかしい。
 一方、区役所の民税課から来た税額決定通知書の「課税標準額」を見ると、これは現役並みの額である。
 とすると、「課税所得」(区役所年金保険課)と「課税される所得金額」(国税庁)と「課税標準額」(区役所市民税課)の関係はどうなっているのだろう?

 保険課に質問したら市民税課にきいて教えてくれた。
 分かったことは、まず同じ区役所の「課税所得」と「課税標準額」とは同じものであること。同じなら同じ名前にしろよ、わざわざややこしくするなって。
 次に「課税される所得金額」(国税庁)と「課税所得」(中区保険課)とは、違うとのこと。控除する金額を所得税の場合とは異なる計算をするのだという。
 ソックリな用語で実は違うってのは、誤解を招きやすい、ややこしい。
 縦割り勝手な名づけ役所用語をナントカしてくださいよ。

2010/06/29

283【各地に風景】そうか静岡は徳川家康の町であったと足と目で認識してきた

 静岡に行ってきた。このたびは地元の商店街の経営者の人たちや、静岡の都市プランナーたちと一緒であったので、わたしはなにも知らない静岡の歴史について学ぶことが多かった。
 そのなかで、特にわたしの無知が恥かしいが、この街は徳川家康で持っているのであった。

 徳川家康というと、静岡あたり出身であるらしいことは分かるが、やっぱり江戸でしょうよ、と思っていたのだ。
 ところが征夷大将軍をたったの2年で退いてからは大御所といわれて、静岡つまり駿府で10年間も実質的に政治の実権をもっていたののであった。天皇家ならば院政である。

 江戸初期の静岡は、日本の政治中心であったのだ、と、静岡の人たちは思っているようだ。
 浅間神社商店街できいた歴史的な話にも、徳川家康、金地院崇伝、林羅山などが地元の人として登場するのである。徳川様の町である。
 家康号、竹千代号という名のボンネットバスが、浅間神社商店街を走っている。

 徳川家といえば、徳川慶喜は敗軍となって静岡に蟄居したが、このとき江戸から観世流能役者たちが家元ともども静岡に移った。
 おなじように学者も移って来て、「静岡学問所}ができたそうである。
 ほかにもその時代の一流どころが移ってきたすれば、維新前後の静岡は一時的にせよ、日本でもかなり高い文化的状況であったのだろう。
 それは今の静岡に続いているのだろうか。

●参照→静岡:門前町の盛衰ー静岡の街並み(2010.06)

2010/06/28

282【世相戯評】博打騒ぎの相撲界に都市計画界の大御所の伊藤滋さんが登場とは???

 今日の新聞(朝日新聞2010年6月28日)朝刊第一面トップに、伊藤滋さんの写真が載っている。
 あれ、珍しくも都市計画で大ニュースなのかと見れば、なんだ、相撲取りどもの博打騒ぎである。
 なんとまあ、伊藤さんはご専門から大きく外れて、相撲協会の賭博事件調査の担当委員会の座長であるとか。教育者としてのご出馬であろうか。

 いつだったかいただいた年賀状に「去年いちばん驚いたことは、相撲協会の理事に推薦されたこと、、」なんて書いてあったのを、思い出した。
 でも、この伊藤さんの記事を見た世間の人たちで、この方が日本の都市計画の大御所であることを知っている人は、どれくらいいるものだろうか。

 ほかの委員の肩書きは、元検事とか元警察のなんとかとか、ご専門がもっともらしく分かるのだが、伊藤さんの肩書きは早稲田大学特命教授である。
 これでは何がご専門なのか分からないが、もしかしたら早稲田大学から特に任命されて、相撲協会のごたごたに首を突っ込まれているのかしら、と思うひともいるだろう。

 ちなみに、伊藤滋さんは、文学者伊藤整のご子息である。
 なんだかしらないが、伊藤先生、ご健闘を祈ります、、。
 へえ~、相撲取りが野球賭博やるのか、じゃあ野球屋は相撲賭博やっているとか、今はサッカー賭博が流行っているとか、あるのかしら?
 ところでご関係者は、ゴルフで賭けをやってないんでしょうね。

2010/06/26

281【世相戯評】こんなにもたくさんの政党があるのかよ~

 あきつ新党、改革党、共産党、公明党、幸福党、国民新党、自民党、社民党、女性党、スマイル党、世界経済共同体党、大地党、たちあがれ日本党、日本創新党、新党フリーウェイクラブ、新党本質、民主党、みんなの党

 新聞の参議院議員選挙立候補者の一覧を眺めていたら、なんだか面白い名の政党がある。そこでしげしげとあちらこちら参照しつつ、政党名らしいものを拾い上げたのがこれである。選挙の公平性から50音順にならべておく。

 ただし、新聞では略称だけしか書いていないものもあって、これが正しい政党名かどうか分からない。
 東京都の選挙区にとくに珍しいというか、普段は聞いたことのない政党名の立候補者がおおいのは、毎度のことである。

 新聞(朝日)の政党名の候補者欄への記述が、政党名の略称をかいてあるものと、諸派とひとくくりにしてその他大勢の分類にしているものがある。
 例えば、選挙区欄では、幸福党は「幸」とかいてあるのに、日本創新党、世界経済共同体党やスマイル党は「諸派」としてその他扱いである。そのくせ、比例区欄では日本創新党、女性党は諸派ではなくて政党名が書いてある。
 この差別はいったいどこから来るのだろうか。

 ところで、選挙の投票推進運動で、「みんな幸福のために女性スマイルたちあがれ」なんて標語は禁物になったんであるな、。
 むかしは「公明選挙」といっていたものだが、政党に乗っ取られた。

●参照
174選挙あれこれ 
http://datey.blogspot.com/2009/08/174.html
172またもや翼賛選挙
http://datey.blogspot.com/2009/08/172.html
042選挙に行かない
http://datey.blogspot.com/2008/09/election.html
175選挙TV報道
http://datey.blogspot.com/2009/08/175.html
163言葉の酔時記・政党の名前
http://datey.blogspot.com/2009/08/163.html

2010/06/24

280【能楽鑑賞】惜しまれる能楽師関根祥人の死

 関根祥人がなくなったと今朝の新聞にある。祥六の読み違いと思ったがそうではなかった。
 わたしがファンであったこの能楽師は、まだ50歳であの芸を見せてくれなくなってしまった。

 去年の5月、横浜能楽堂で祥六、祥人、祥丸の3代が出演する石橋をみた。
 今年は7月3日に観世能楽堂で再演する予定であったのが、その日が葬儀となってしまったのが、お気の毒である。
 死因は急性大動脈解離とあって、WEBで見ると高血圧性の病気らしい。

●参照→134三代の能楽 http://datey.blogspot.com/2009/05/134.html

2010/06/21

279【世相戯評・言葉の酔時記】二つの大企業の新聞広告を批評する

 今朝(2010年6月21日)の朝日新聞に、二つの全面広告がある。それがなんだかおかしいのである。
 ひとつはIBM世界で、日本で、スマートな都市が生まれつつあります
 コンピューターグラフィックらしい「スマートな都市」の絵が大きく載っているのだが、これのどこがスマートなのか? どうみても立体スラムにしか見えない。
 広告ってのは、どこか現実から少し乖離したあたりを示して、それに憧れ、あるいは羨ましく思わせるものと思うのだが、この絵はへたくそというか、現実そのものを絵にしただけである。
 形容詞のスマートsmartの意味を辞書(英辞郎)で見ると、
「利口な、賢明な、賢い、頭が切れる、頭の回転が速い、(機器が)高性能の、コンピュータを用いた、コンピュータ化された、ハイテクの、気が利く、(外見などが)格好いい、おしゃれな、洗練された、小粋な、ハイカラの、最新流行の、(人や店などが)上流社会の、粋な、高級な、(人の動作や物事の動きが)きびきびした、活発な、急激な、(人の言動が)生意気な、こしゃくな、抜け目のない、〈和製英語〉スマートな(やせている)」
 この広告がどの意味なのか分からないが、視覚的にはとてもスマートな広告ではない。
     ◆
 二つ目は、イオン命あふれる森を、未来のこどもたちへ
 まず、「子どもたちへ」は言葉としておかしい。「子供」は子の複数形だから、さらに複数を意味する「達」をつけてはヘン。
 写真は、中国の万里の長城あたりである。ここに苗木を植えて森にするプロジェクトをずいぶん前から続けている。それは高い評価をしたい。

 問題は、そのイオンが、日本では森をつぶしてきていることだ。郊外の田畑や森林をつぶして巨大なショッピングセンターをつくり続けてきている。
それは緑をつぶすばかりか、その近隣の歴史的な街の商業をつぶして、街を壊してもいる。そして市場が飽和あるいは縮小すればさっさと撤退していく。いわゆる焼畑商業である。跡は廃墟となったままであるから、「跡は野となれ山となれ」よりももっと始末が悪い。

 どうもこの中国植樹プロジェクトは、日本で緑壊しをしてきた罪滅ぼしでもしているように見えるのは、わたしの僻目である。
 僻目ついでに言えば、これでイオンは中国でのイメージを上げておいて、これからは中国各地の都市郊外で巨大ショッピングセンター開発を容易にする基礎づくりをしたので、焼畑商業を輸出するのであろうか。

2010/06/20

278【怪しいハイテク】merory of PC

 わたしのPCが時々つまづくような感じがするときが多いような気がする。稀にはストップして、いわゆるフリーズになってしまう時もある。
 そんなところに旧友から来たメイルに、彼もそんなPCにあいそうつかして買い換えてWIN7にしたという。なにやらかにやら入れ替えが超面倒だったけど、こんどは滞ることなく早く動くようになった。

 そうか、わたしもそうするかなあ、うちのPCはメモリーの奴がたしか512MBなんで、けつまづくんだろうなあ、買い換えるかなあ、でもいまのWINXPは動いているしなあ、買い換えて乗り換えのために馬鹿マニュアルにつきあわされるのはごめんだなあ、いや、あの超めんどくささに腹たてているとボケ防止になるなあ、でも高価なボケ防止だなあ、この間スキャナーが壊れて複合プリンター買ったし、続いて洗濯機が壊れてこれも買ったしなあ、ここはメモリー増設するほうが手っ取り早くて安価で、そうだっ、なによりまだ使えるPCをゴミにするモッタイナイことしなくて環境対応志向であるのがいまどき的でよろしい、と、まあこういう言い訳を考えついたのであった。

 メールでそのナヤミを旧友たちのメーリングリストに流したら、なかの一人が経験上でそれがよろしいといってくれた。
 さっそくWEBサイトでうちのPCに適するメモリーを探して型番を調べ、その型番のメモリーを売っているところを検索した。結局はAMAZONから代金引換で512MBを2枚買った。それ以上の増設は不可のPCである。
    ◆
 次の日にはそのメモリーはやって来た。さっそく取替え作業にに入る。
 電気製品の修理なんてのは、電線が切れたのをつなぐか、電球の切れたのを取り替えるくらいしかやったことがない。こんな精密機械をいじったことは皆無である。
 これもWEBサイト大明神にお伺いを立てて、メモリー取替え方法を教えていただいたのである。

 問題は、PCの箱を開けるのがどうしたらいいかわからない。WBサイト見てもよく分からない。
 とにかくビスをはずしまくって、こねくり回していたら、パカッとあいたのだった。良く見たら3つのビスをはずせばすむのを8つもはずしていた。開ける方法ぐらい箱に書いておけよ。

 来た奴と同じ格好のメモリーがあるので、どう刺さっているか見極めて抜き取り、新品を同じようにはめこんだ。
 箱の蓋を元に戻し、電源をつなぎ、あれこれつないでスイッチオン、おお~、画面が登場したぞ、インターネットにもつながるぞ、よかったよかった。
 小学生の頃、4球スーパーなるラジオを組み立てて、音が出たときの感激を思い出した。そうか、あの時はわたしも精密機械をいじったのだったか、。
    ◆
 でも、これで渋滞や凍結がなくなるのか、前より早くなったのか、しばらく使ってみないと分からないが、せっかくやったのだから、とりあえず早くなったような気がすると思い込むことにする。
 取り外したメモリーなるものを、捨てる前にしげしげと見ると、これがまあ、すばらしいアートなのである。
 まさかアートとしてデザインしているのではあるまいが、「機能的なものは美しい」という、近代建築のデザイン原理を思い出させる。
 メモリーのメモリーとして写真を撮った。

(追記100620)
 さっそくこの状況を書いて旧友たちのメーリングリストに流したら、推奨してくれた彼からこんなメールをもらった。
「処理速度はCPUで決まるので、通常作業ではスピードアップの実感はないはず。沢山のアプリケーションをパラで流しているときには、メインメモリーの容量を越え、HDDとのアプリ入替えが始まると、極端にスピードが低下する。最近はネットのブラウザの規模が大きくなり、数箇所をパラで流しているときによく経験した。今回の増設はこのケースを回避できるということ。したがって早くなったような気がするだけで、通常の作業では作業速度の変化はないはず」
 あ、そういうものなんですね。眼に見えて劇的に何かが変わると思い込んでいたのが恥かしい。早くなったと思い込んでもしょうがないような、思い込んでもいいような。
 とにかくありがとう。

2010/06/16

277【世相戯評】世界たまけり運動会

 新聞もテレビもインターネットも、アフリカで開催している「世界たまけり運動会」のことで一杯である。
 あんなに点が入らない、つまらないスポーツゲームはない。90分もの長丁場を、大勢のプレイヤーが、たまけりしつつ右往左往するばかり、それのどこが面白いのか。
 ごく稀に点が入ると、大げさに喜んで大の男たちが抱きつきあったりして、こちらが恥かしくなって見ていられない。

 そして日本から行ったチームが、アフリカのどことかチームに勝ったとて、大騒ぎである。優勝したのかと思ったぞ。まだ1回戦ジャン。
 新聞のスポーツ欄からはみ出して1面にも社会面にも大きく場所をとる。TVのニュース番組にもはじめのほうにでしゃばってきている。読むところがない、見るニュースがない、困ったものである。

 それも妙なことに、今日も日本が勝った記事やニュースを放送しているのだが、どうも一昨日のプレイのくり返し報道らしい。同じ事件で3日も稼ぐなんて、あくどいぞ。
 たまけりゲームで日本人のチームが勝つのは、かなり珍しい事件なのだろう。

 もうすぐ高校野球が甲子園で始まるらしい。そうしたら、こちとらはダブルパンチである。新聞代とTV聴視料金を負けろ。
 サッカーといえば、はるか昔の高校生のときのこと。運動会の後の校庭でファイアーストーム(あら、懐かしい言葉だ)をしたとき、勢い余って木製のサッカーゴールを倒して薪にして燃やしてしまった。大いに怒られた。

(追記 2010.6.20)
 今朝の新聞を見ると、日本からのチームは今度はオランダに負けた。負けたくせに第1面のトップ記事で反面以上占めているし、社会面もそうである。
 ところで、普通なら新聞は国名をイギリスとか英国とか書くのに、サッカー大会ではイングランドと書いているのは何故か。あそこも韓国と北朝鮮みたいにナントカランドと分裂国家なのか。


276【怪しいハイテク】新印刷・読取複合機

 8年くらいまえに買ったエプソンのスキャナーが壊れた。修理に出そうかと思ったが、いまどきは修理のほうが買うより高いこともある。
 プリンターとスキャナーの複合機を買おうか、スキャナー専用機を買おうかと迷った。プリンターはキャノンの安いのが手元にあって、まだ使える。
 問題はスキャナーなのであるが、プリンターも疲れ気味の感もあるので、このさい複合機を買うかと調べた。いまやプリントも、スキャンも、ものによってはファクスもできる複合機が主流らしい。
 でもハイテク機器にはおなじみの、どうせ要りもしない機能があれこれついているのだろう。
    ◆
 わたしは1万枚くらいのマウントしたカラーポジフィルムがあり、これをデジダルデータにする必要があるので、その機能がつくものを探した。
 ところが、それがないのである。ようやくひとつだけあったのが、キャノンのMP990というタイプである。そういう用途に使う人はいないのだろうか。
 でもネットで調べると、スライドフィルムからデジタルデータにするのを外注すると、1枚100円もするのだ。それじゃあ100万円もかかってしまう。
 実は1万円でYASHICAのフィルムスキャナー専用機を買ったのだが、性能が悪くてこれはどうしようもない代物であった。付属のソフトがエプソンのスキャンソフトと競合して動かない。しょうがないからペイントで取り込むのだが、光源の明るさの自動調整がないらしく、画面がハレーションを起して使い物にならない。これは買わないほうがいいですよ。
 壊れたエプソンのスキャナーにはもちろんフィルムスキャナーがついているのだが、これが読み取りがまったくもって遅いのである。新しい奴ならもっと早いだろうと期待もする。
    ◆
 プリンターも今のは安物だから、両面印刷が自動的にはできない。これからブックデザインと手作り本を趣味にしようというとき、それでは困るのだ。
 という理由をつけて自分を説得し、キャノンMP990を買うことにした。
 近くの電器屋の新聞折込広告に31600円とあり、そばに小さく値段は相談に応じますと書いてある。ネットで調べると最安値が26160円とある。
 店で店員にもうちょっと負けてよというと、500円安くしますという。
 え、ネットでみるともっと安いよ、そこまでとは言わないけど近い値段にしてよ。
 店員はネットで調べていたが、持って帰るなら26800円にするという。これならネットで注文して代金引換手数料を払うことを思えば大差ない。で、買った。
 店から家まで150m、30kgくらいありそうで重くて抱えて帰るのが大変だった。ちょうど雨が降ってきても両手がふさがっていて、傘もさせないのであった。
    ◆
 さて性能である。まだよく分からないが、いちばん期待するマウントスライドフィルムのスキャンは、壊れたエプソンよりもかなり早いので、これはよかった。
 セットアップするために嫌いなマニュアルを読んでいたが、そこでわかったことは、写真のプリントがいかに簡単に美しくできるか、ということばかり強調していることだ。
 そうか、世間の人は写真のためにプリンターを買うのか。おまけにつけてくれたのも写真用の紙ばかりであった。
 わたしはめったに写真のプリントをしない。ほとんど文書であるから、マニュアルの途中で、このプリンターは文書印刷できるのかと不安になったくらいである。文書“も”印刷できます、そんな書き方である。
 なんだかでかくて重くて、いろいろどうでもいいような機能がついているらしいが、使うことはないかもなあ。
 OCR機能もある。これはよくつかう。20年位前には200万円くらいで、とても手が出ないソフトだったが、いまやおまけソフトなのである。
 そういえばその頃に買ったスキャナーは40万円もしたなあ、でもなあ、あれはほとんど使い物にならなかったなあ、、。