2015/11/06

1144【神宮外苑あたり徘徊③】なんだか懐かしい風景の霞ヶ丘都営住宅団地を消滅させる外苑都市計画提案は実は都住宅マスタープランに背反していたのでは?


●どこか懐かしい風景の霞ヶ丘都営住宅団地へ

 銀杏並木から消えた国立競技場そしてと体育館へと歩いてきて、消えた明治公園四季の庭に沿って外苑西通りを南へ、半分消えた明治公園霞が丘広場、そして霞ヶ丘都営住宅へとやってきた。

 この都営住宅はまだ建っているが、いずれ新国立競技場のトバッチリを受けて、消える運命にある。トバッチリ組の霞ヶ丘広場がここに移ってくるからである。都営住宅を地区内のどこかに建てるのかと思ったら、完全に消えるらしい。

 なんとも懐かしい団地風景である。5階建てだけどエレベーターがなくて、階段で上り下りする。給水塔があるのも懐かしい。わたしは1970年代に10年ほど、このような団地に住んでいたことがある。
 庭には今、たくさんの果樹があり、柿やミカンや柚子等がたわわに熟している。いまどきのキレイに刈り込んだ造園ではなくて、草も繁っているのだが、なにやら懐かしく成熟感がある。


●建て替えられた北青山都営住宅団地

 実はここによる前に、外苑銀杏並木の東隣にある北青山1丁目都営住宅に寄ってきたのだ。
 そこはかつてはここと同じような低層棟が建ち並んでいたのだが、いまは高層住宅に建て替えられている。
 その周りはここと違って、いかにも造園デザインの風景で、キチンとしているのである。いまどきで言う高級マンションのようだ。立地条件も高級住宅地並である。

 霞ヶ丘都営住宅だって、ほとんど同じ立地条件である。建て替えすれば、暮らしやすい良い住宅になるだろうに、なぜトバッチリで消滅させるのだろうか。
 代替の都営住宅として、JSC・日本青年館ビルに高層都営住宅を併設したってよさそうなものを、もったいないと思う。

 いま、空き家問題やマンション問題が起きている。大災害で住宅難民が大量に出ることが予想されている。東北地方では大震災後に大慌てで大量の公営住宅を建てている。
 そういうことから分るように、いまこそ公的賃貸住宅が重要な時なのである。遊びの場の競技場のトバッチリで、こんな良い立地の公的住宅が消えるなんて、なんともやりきれない。

●霞ヶ丘団地を消す地区計画提案は都マスタープラン違反

 そこでちょっと調べてみた。東京都や新宿区には都市マスタープランとか住宅マスタープランとか呼ばれる、まちづくりの基本計画がある。そこにこの霞ヶ丘住宅のことをどう書いてあるか。
 外苑地区計画を提案したときの書類「地区計画企画提案書」に引用してある「東京都住宅マスタープラン」には、「霞ヶ丘地区の都営住宅建て替え事業が特定促進地区として指定」と書いてある。新宿区の都市マスタープランにも同じことが書いてある。
 そして引用の図には『「低中層個別改善地区」地区の特色を考慮した良好な住環境へと改善するために地区計画等を活用して整備する』と記入がある。
 つまり霞ヶ丘団地も、北青山団地のように、建て替えをすることに決めてあったのだった。

ということは、ここの地区計画を提案内容には、もちろん霞ヶ丘都営住宅が競技場のトバッチリで消えるようになっているから、これは上位計画に背反している提案である。
 う~む、それを受け取った東京都は、自分のところで作ったマスタープランと違う内容なのに受理したのであったか。
 受けとってからマスタープランを変更したのかしら、行政裁量として適切だろうか。

参照
◆【五輪騒動】新国立競技場建設と神宮外苑再開発瓢論集

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