2015/10/29

1140【歴史ミステリ】鹿鳴館の設計者はコンドルではなくて実はウォートルスであったという話をご存知ですか?

 鹿鳴館の設計は、ジョサイア・コンドルじゃなくて、銀座煉瓦街を作ったウォートルスだった、という話を読んだ。いや、なに、北森鴻著『暁英 贋説・鹿鳴館』って歴史ミステリ小説ですよ。
 明治政府お雇い外国人となってからのコンドルを主人公に、その弟子たちはもちろん、師匠の河鍋暁斎、お雇い外国人仲間のベルツ、井上馨、岩崎弥太郎などが登場し、ちょっと面白かった。なにが虚で、なにが実かわからない。

 ジャーディン・マセソン社という、中国でアヘン戦争、日本では戊辰戦争で悪辣な商売をしたイギリスの商社があったが、コンドルが実はその手先であったという設定である。コンドルの弟子の佐立七次郎もそうであるとしている。
 あれやこれやと事件があって、ウォートルスが描いた銀座煉瓦街の設計図をコンドルが手に入れるのだが、そのとき別のデザインの洋館設計図もついてきた。そして、その洋館設計図の通りに鹿鳴館を建てるのである。

 だから鹿鳴館は実はウォートルスの設計であるというのだ。ふむ、おもしろい。
 そのウォートルスは、藤森照信の「日本の近代建築」によれば、日本から香港に移り更にアメリカに渡ったとされているが、小説では日本で殺されたことになっている。
 そこには銀座煉瓦街で文明開化の景観を作りたかった明治政府の犯罪的陰謀が隠れており、この陰謀をジャーディンマセソンの手先のコンドルが探るという筋書きである。

 じゃあ、コンドルはなぜウォートルスの図面を自分の設計として鹿鳴館に使ったのか、裏にジャーディン・マセソン社の陰謀が絡んでいるらしいのだが、そこから先は実は分からないままに突然、この本は終わってしまう。
 尻切れトンボ小説である、だって、著者の北森鴻がそこまで書いて、死んだのだからしょうがない。もうちょっと書いてほしかった。

 読んでいて、残りページが少ないのに、ここまで広げたいろいろな伏線が、どうやって大団円に行くのかなあと心配しつつ読み進めて、最後に(未完)と出てきてガクッとした。
 どうりで話が途中で散らかり気味のままだった。雑誌連載ものだったらしいから、単行本にするときにうまくまとめるつもりだったのだろう。
 

 この本は、市立図書館で借りてきたのだが、そのときに同じ「キ」の棚で近くにあった北原亜以子の「化土記」もついでに借りてきた。久しぶりに北原の情緒ある時代物を読んでみたくなったのだ。
 ところが読んでいて、どうにもとっ散らかり過ぎて、北原亜以子ってこんな書き方だっけ、おかしいなあ、これも残りページ少ないのに、このとっ散らかりをどう収拾するのか。
 なんとまあ、これも未完のまま、作者が死んでしまった。北原が最近死んだことは知っていたけど(2013年と書いてある)、これが絶筆であるのか。知らなかった。

  というわけで、偶然にも図書館で借りてきた2冊の長編小説が、よりによって、どちらも著者の最後の著作で未完であった。北原よりも北森のほうができはよかったが、どちらも話がとっ散らかったままである。
 著者が再度目を通して手を入れることもなく、雑誌掲載時のままに単行本にするのは、出版社は著者の名前だけでも本は売れてよいだろうが、こんな内容では読者にとっては大いに不満だし、死んだ著者にとっても成仏しがたいだろう。

 死んだのではないが、ジェフリーアーチャーがこのところ4分冊(ペーパバックス)になっている小説を出しているが、わたしは出たばかりの1巻目を読んで、アレ、続き物かよ、しょうがないと2巻目が出るのを待って買って読み、これがまた続きなっていて騙されてからは、3冊目以降を買わないでいる。
 これからは本を読む前に最終ページを見て、未完となっていないと確認してからにしょう。

 長編小説で未完と知らないで読んで、それでも出来が良いと思った本を思い出した。隆 慶一郎著『花と火の帝』である。わたしはこれを読んで、後水尾上皇のつくった圓通寺庭園のことを書いたのであった。
 わたしの書く物は未完小説にはならないにしても、近いうちに絶筆になる可能性はある。絶筆がとっ散らかってるのも恥ずかしいような、いや、当人は死んでるんだからどうでもいいような。
 あ、こんな本を読んでると、うちにある未読本読破がますます遅延するなあ。

●参照 『京都:怨念の景観帝国ー円通寺と後水尾上皇の視線
https://sites.google.com/site/machimorig0/entsuji

2015/10/27

1139【横浜名ばかりマンション傾き事件】真犯人は設計も監理も施工もグルでやった三井住友建設とようやくわかったぞ

1136【横浜名ばかりマンション傾き事件】の続き
http://datey.blogspot.jp/2015/10/1136_22.html

●横浜傾きマンション設計監理者は三井住友建設だった
熊五郎:ご隠居、分りましたよッ、ほれ、これこれ、。
ご隠居:おや熊さん、騒々しいねえ、なにごとだよ。
:ほれ、例の傾いたマンションのことで、、、
:あ、またその話かい、わたしゃもう飽きたよ。
:まあ、そう言わないで聞いてくださいよ。この前に話した時、設計者が分らないと言ってたでしょ。それがネット探ししてたら、わかったんですよ。
:おやそうかい、だれだった?
:ほれ、ここに設計施工三井住友建設って書いてあるでしょ。これは事業主の三井不動産の発表資料ですから確かでしょうよ、10年も前だから、始まる時なんでしょうね。
:そうか、やっぱり、設計は三井住友建設だったのか。で、工事監理者は誰だい?
:そりゃ書いていないですね。いないのかなあ。
:法律で決まってるから、いないことはないだろう。一般には設計者と監理者は同じにするから、それも三井住友建設だな。
:ということは、三井不動産は、設計も監理も工事も全部まとめて三井住友建設と契約したんですね。設計監理料をケチって工事費に一切を含めたのかな。



●もしかして設計ミスを握りつぶしたのかも
:あ、そうだ、もしかしたら、問題の基礎杭も設計ミスで短くて、支持地盤に届かないものだったのかもしれないね。
:ということは、杭工事をした孫請けの旭化成建材は、設計通りに仕事をしたってことになりますね。ちっとも悪くない。
:そうとも言えないがね、現場で杭が支持地盤に達しているかいないか確かめないままに、ボンクラ工事したんだろうな、それはそれで違反行為なんっだよ。設計通りにするとおかしい、と気が付いたら報告する義務があるね、そして指示を受ける。
:誰に報告するんです?
:日立ナントカってところにね、そこから元請けの三井住友建設に報告し、そこから設計監理者に報告して設計変更の指示を受けるんだな。指示はその逆ルートで伝わる。ここでは旭、日立、三井という3段階だな。
:じゃあ、三井住友建設は設計監理も工事も一緒だから、工事現場監督が設計監理もやってたんでしょうね。
:そうだろうね、ところが工事現場監督に報告された基礎杭データを見ても、設計ミスだってことに気が付かなかったんだろうな。
:もしかしたら、気が付いたけど自分ところのミスだから、握りつぶしてデータの偽装をさせたのかもしれませんね。
:おお、その可能性が大きいね。設計監理者と施工者がグルになってりゃ、設計ミスが分らないか、分っても無視って不正が起きるかもなあ。
:そうか、設計監理と工事と別々にやるなんて、めんどうなことと思ってましたけど、実はそうやって、立場の違うものがチェックしてミスや不正を防ぐようにするシステムなんですね。それが同じ会社の者じゃあ、甘くなるのは当然ですね。
:だから、設計監理者と施工者とを分けて、厳しいチェックの目を入れる必要があるよ。

●設計施工グル方式新国立競技場も傾くか
:あれ、ここにデザイン監修IMNNPACT DESIGN INC.って書いてありますよ。ここが設計じゃないんですか。
:そこは、たぶん、三井住友建設の下請けで、外観とか玄関ホールの内装デザインとかをしたんだろうな。
:それって、三井じゃデザインが下手なんで、見た目の格好をつける役目ですかね。
:まあ、そうなのかもなあ、超高額商品だから見た目の良さが大切なんだな。
:ところが実は見た目はよくてもすぐ壊れる商品、マンションてのも誇大広告用語だし、建て直しはほとんど無理だし、文字通り「名ばかりマンション」ですねえ。
:世間は末端業者の杭工事屋ばかりおっかけて、大元の設計監理施工した三井住友建設の責任を追及しない何故かねえ、ここが設計施工した名ばかりマンション全国調査をしろって、なぜ言わないのかねえ。
:それに設計監理者と施工者が同じでよいのか悪いのかって、その基本的な問題も誰も言いませんね。
:そういや、あのやり直しになった新国立競技場コンペも、設計者と施行者が一応は別だけど、最初から談合してグルになって応募せよって新条件だよ。大丈夫かね、傾くんじゃないかねえ。
:競技トラックが坂道になったりしてね。そうしたらご隠居は、また張り切ってイチャモン書んでしょ。
:うん、ありがたいことだよ、世の中いろいろ揉めてくれるから、年取ってもボケてるヒマがないね。

(追記20151112)今朝に新聞に、三井住友建設が初めて謝罪したとの記事が出ている、いまごのになってかよ~。


2015/10/25

1138【横浜名ばかりマンション傾き事件】根本問題は基礎杭の欠陥工事じゃなくて「マンション」という区分所有方式共同住宅という欠陥システムにあるんだけどなあ

●とにかく名ばかりマンションを買わないことが一番
 今朝の新聞には、「うちの杭は大丈夫か、誰に聞けば、マンション相次ぐ相談」とかって、「マンション購入、注意すべき点は」なんて記事もある。
あのねえ、杭のことなんか、誰に聞いてもわかんないよ、だって土の中の深~くで、だれも見てないんだからね。杭じゃなくてもコンクリートだってほじくってみても分らないよ。
 そんなこと心配するんじゃなくて、そもそもマンションという危険な商品を買うのを、おやめさないよ。それが一番よろしい。
 共同住宅ビルに住みたいなら、1棟まるまる賃貸借共同住宅の中の1戸を借りなさいよ。
それなら傾こうが倒れようが、あなたの懐は痛みません。その家主さんが建てなおすでしょ。

 新聞屋さんも、こんな末端杭屋さんを追っかける記事ばかりじゃなくて、そもそもマンションなるものがいかに危険な商品かを報道しなさいよ。
 その危険なることは、20年前の神戸大震災で十分に知ったはずなのに、もう忘れたのかい。
 え、不動産屋さんが新聞広告を出してくれなくなるからできないって、、、おお、しょうがないなあ、まったく。

●「マンション」って大邸宅とか豪邸のことなんだけど
 このところ「マンション」という不思議な言葉で、マスメディアもネットスズメも賑やかなことである。横浜都筑区でマンションが基礎杭の欠陥工事で傾いた事件である。
 ニュースを見てるとマンションとは、高層の共同住宅ビルのことを言うらしいが、特に各戸が別々の所有者になっている区分所有タイプの建築を言うらしい。
 だから2階建ての賃貸アパートはマンションとは言わないらしい。高層の賃貸共同住宅ビルはマンションなんだろうか。

 マンションとは和製英語らしいが、本場英語の意味は大邸宅とか豪邸とかで、分りやすく言えばハリウッドの大スターの邸宅とか、アメリカ大統領が住んでいるホワイトハウスのような豪邸を言うのだそうである。
 それなのに日本では、ちっとも大邸宅でも豪邸でもないのに、どうしてマンションというのか。
 和製英語マンションに英語で近い意味と思われるのはコンドミニアムだが、そう言わないのはなぜだろうか。

●不動産屋の誇大宣伝広告用語「マンション」
 法律はどうなっているんだろうと探すと、「マンションの建替え等の円滑化に関する法律」というのがあった。その第2条にマンション定義が「二以上の区分所有者が存する建物で人の居住の用に供する専有部分のあるものをいう」と書いてある。
 え、じゃあ、木造2階建て住宅の1階をわたしが、2階を弟がそれぞれ所有したら、これもマンションなんだ。超高層の1000戸もある共同住宅もマンションだ。へえ~。

 では、法律がそうだから、共同住宅ビルをマンションというようになったのか。いやいや、法律は2002年にできたけれど、そのずっと昔からマンションと言っていた。
 どうやら、不動産業者がアパートメントハウスと言うべきところを、都市にはびこった木造2階建てアパートと差別化するために、マンションと誇大広告的命名をして売り出したのが始まりらしい。
 その誇大広告用語をそのまま法律に持ち込んだらしいが、庶民には分りやすような、誤解を招くような困った法律である。
 最近、新聞のマンション広告に戸数の表現を、例えば100邸と書いている。の漢字が土地につかない空中楼閣にもつかうのは、マンションと同じく誇大広告用語だけど、そのうちに法律にも書かれるかもしれない。
 
 というわけで、マンションとは高級な邸宅を言うものだと、庶民はこの誇大広告にすっかり騙されて買うようになったらしい。
 どうも誇大広告用語を使うのがバカみたいなので、わたしは名づけてこう言っている。
「名ばかりマンション」


●実は珍しくもない名ばかりマンション建て替え紛争
 そして、この事件である。しかし、この事件は決して珍しいことではない。去年7月に横浜で住友不動産が売った「名ばかりマンション」で全く同じような事件の報道がある。
 ずっと前には耐震偽装事件という地震に弱い名ばかりマンションが、その前には阪神淡路地震被災した名ばかりマンションが、どれもその後の建て直しで、とんでもない大苦労をしている。

 その苦労は、区分所有ビルであるということが原因である。上に書いた法律ができたのが2002年であるように、いろいろな事件で壊れても倒れても、その建て替えをめぐってはなんだかんだと紛争が起きるために、なんとかしなければなるまいとできた法律である。
 紛争の根本は、壊すにも建て替えるにも、所有権利者たちの同意がいるのだが、これが簡単ではないからだ。分りやすく言えば貧乏人と金持ち、年寄りと若者、外国人と日本人、などなど100人いれば100通りの違いがある。その権利者数が多くなれば幾何級数的に難題が増える。

 今評判の横浜都筑区の名ばかりマンションでは、4棟で全700戸もあるのをデベロッパーは全部建替え補償すると言っているそうだが、700通りの事情に加えて各棟ごとの事情があるから、同意を取るのは超難関であろう。
 このようなことは、1995年の神戸でその難しさをたっぷりと経験したのに、売るほうも、建てる方も、買う方も、だれもかれもがすっかり忘れてしまっている。
 そうしてこのような事件に出くわしたのである。全くどうかしているとしか思えない。

●名ばかりマンションがもたらす大震災後の難民問題
 TVを見ないから知らないが、新聞やネットのマスメディアの報道には、末端業者の犯罪事件としての視点しかないらしい。しかし、根本問題は名ばかりマンションというシステムにあるのだ。
 次の大震災が来たら、名ばかりマンションの多くは被災するだろう。倒れなくても、大修繕が必要な壊れ方をするだろう。そして修繕の同意が得られない名ばかりマンションは立ち腐れ廃墟になる。
 倒壊してしまって公費で撤去されても、跡地は細分化されたままの共有地だから、この再利用も同意を簡単にはとれないから、草ぼうぼうの空き地が増えるばかり。
 大地震が来なくても、人口減少で空き家が出てくると管理できなくなって、お化け名ばかりマンションがあちこちに登場するだろう。名ばかりマンション難民は、もう戻ることができない。

 というわけで、共同住宅ビルは区分所有の名ばかりマンション方式を、今すぐさま禁止するべきである。今やめておけば、これ以上の被害者を出さなくて済む。
 共同住宅ビルは区分所有名ばかりマンション方式ではなくて、1棟の全戸が賃貸借住宅の、しかも単純所有方式にするべきである。その所有者は団体(企業、組合等)でも個人でもよいが、とにかく単純にしておけば、建て直しは比較的容易であるはずだ。
 また、建物の管理や運営が、組合という寄合世帯ではないから、空き家対策もやりやすいだろう。

●人口減と大震災に備えてマンション禁止と賃貸住宅促進を
 現在の政府の住宅政策は、このような現実から眼を逸らして、持ち家を進めているから、賃貸住区には冷たい。
 ところが、先般の東日本大震災被災者への住宅供給が、珍しくも災害復興公営住宅という賃貸住宅を大量に建設している。つまりこれまでのような持ち家政策のままでは、社会的な大事件が起きた場合には対応できなくなったことを、まざまざと示している。
 その公的賃貸住宅の建設をするのに困ったのは、どこの被災自治体でもながらくその建設をしていないので、ノウハウが失われてしまっていたことだった。全国の自治体のその専門職員を派遣してもらって建設をしている有様であるが、遅れに遅れている。

 住宅を社会政策ではなくて、民間投資の経済景気対策にしてきたツケである。公的賃貸住宅を日ごろからきちんと供給していれば、震災後にこれほども困ることはなかったはずである。
 それなのに、次の大震災に備えて、被災するかもしれない自治体において、公的賃貸住宅の供給を進めているかと言えば、そういうことを全く聞かないのは、いったいどういうことなんだろうか。むしろ名ばかりマンションばかりが増えて、住宅難民候補者を増加させている。

 その結果が今の空き家大量発生問題である。この国の政府には住宅政策がないと前々から言っているのだ、いまだになにも見通しが無くて、マンション問題も空き家問題も、まるでまるでモグラたたきの目先小手先対策しかしない。
  そもそも基本的人権である住むということについて、ほとんどの国民が一生かかって返済するような借金漬け人生を送らなければならないような政策自体が、根本的に間違っている。
 わたしはもう30年くらいそういっているが、蟷螂の斧だし、もうすぐ死ぬから、知ったことではないのだが、あまりバカバカしい事件が起きるもんで、こんなことを書いてヒマツブシとローカボーシに活用している。ありがたいことだ。

(追記20151026)
 今朝の新聞に週刊現代の広告。あのフューザー社長が、わたしと同じこと言っているらしい。あの耐震偽装騒ぎで騒ぎで、悪名が髙かった本職が言うんだから、わたしの言よりも確かだろう。

●参照:「くたばれマンション」
https://sites.google.com/site/machimorig0/#tosikyoju

2015/10/24

1137【横浜名ばかりマンション基礎杭インチキ事件】これって特定犯人捜しよりも建設業界と建築設計業界の根深い問題を追及するべきとと思うけどなあ

 
建設業界の構造的問題としてなんとも興味深いことなので、またもや横浜都筑区の共同住宅(名ばかりマンション)基礎杭インチキ事件について書くのだ。ホント言えば、ヒマツブシ、ボケボーシにやってるんだけどね。

 新聞にデカデカと「杭偽装の責任者」って出てる。でもね、特定の犯人を捜すのも結構だけど、これって真犯人はそこじゃないんだよなあ。
だってね、基礎杭のインチキなんて、もしかしたらどこの建物の工事でも、技術者の誰でもやってるのかもしれないよ。あなたが住む名ばかりマンションだって、安心できませんよ、ホント。
 たまたま傾いたからバレタけど、これからの地震で簡単に傾くヤツだってあるかもよ。そうなったら原因が地震か、インチキ杭かわからないね、どうします?

 これは建設業界の構造的問題なんだよ。
 問題の根源は元請けゼネコンの三井住友建設にあるってことを、世間様というかマスメディアはお忘れのようですね。
 下請けの日立ナントカや孫請けの旭化成ナントカに、工事を任せっぱなしで何も管理監督しないで、請負金の上前だけピンハネした元請けの三井住友建設、ここがいちばん悪いんだけどなあ、なんでニュースには出てこないんだろ?

 あのね、だからね、旭化成ナントカの杭打ちした建築を調べるのもいいけど、いいかげんなゼネコン三井住友建設が工事した建物を全国調査するべきでしょうに、なにしてるんだかねえ~。
 いい加減な管理監督の企業だから、基礎杭ばかりじゃなくて、ほかもインチキあるかもしれないよ。大丈夫ですか、三井住友建設さんよ。

 いや、そればかりじゃないよ、こうなりゃ、三井ナントカとか旭なんとばっかりじゃなくて、基礎が杭打ちになっている建物を全部を調べるべきですよ、、おお、こりゃたいへんだあ~。大手ゼネコン中小ゼネコンに限らず全部調べて、ぞくぞくとインチキが出てきたら、どうします?
 だからね、えへん、これは建設業界の構造的な問題なんですよ、多分。
 下請けや孫請けにまかせっきりで、現場を見ない元請けゼネコン、これで建築は大丈夫なんでしょうか、大丈夫じゃないからこういう事件が起きたんでしょ、どうするんですか?
 そのあたりを、なんで世間では言わないのかなあ?

 あ、そうだ、建築設計業界の建築家にとっても大問題ですよ、だってさ、やるべき監理をさぼってインチキ基礎杭を見逃した工事監理者の一級建築士は、いったいどなたですか、いるんですか、いないんですか、法律で決められているから、いないってことはないでしょ、出てきなさいよ。
 普通ならこの建築の設計者でしょうが、雲隠れですか?
 このあたりを、なんで世間では言わないのかなあ?


 とにかく、みなさま、名ばかりマンションだけはおやめください。
 悔いのない住宅選びをしましょうね。

 去年7月にも、ほぼ同じ事件が起きて、こんなことを書いています。世の中は全然反省してませんねえ。
968だから言ってるでしょ、名ばかりマンション区分所有共同住宅ビルをやめろって
http://datey.blogspot.jp/2014/07/968.html


(追記20151026:設計者は施工と同じ三井住友建設(の一級建築士)とようやく分かった。工事監理者も三井住友建設の一級建築士だろう。つまり、同じ企業内でグルだから、なんのチェックも働かなかったのだ。そして下請け孫請けまかせだったに違いない)
 参照:http://mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2005/1130/index.html

(追記20151112)今朝に新聞に、三井住友建設が初めて謝罪したとの記事が出ている、いまごのになってかよ~。

2015/10/22

1136【横浜名ばかりマンション傾き事件】基礎杭インチキ事件の真の責任者は孫請けか元請けか工事監理者か設計者か謎ばかりニュース

●傾いた横浜都筑区の「名ばかりマンション」
熊五郎:ご隠居、その後は腰の具合はいかかですか。
ご隠居:おお、熊さん、いらっしゃい、ありがと、まあまあ何とか動いてるよ。
:あのですね、横浜のどこやらのマンションが傾いたって、大騒ぎのニュースですね。このあっしたちが住んでるボロ長屋は大丈夫なんですかね。
:ボロは余計だけど、ここは木造2階建てだからね、多少は傾いてるだろうよ、でもね、あのニュースのビルみたいにコンクリで重いってわけじゃなし、大丈夫だろうよ。
:ビルじゃなくてマンションですよ。
:お前さんねえ、マンションと言ったら、例えばアメリカ大統領が住むホワイトハウスみたいな豪邸のことだよ、日本でマンションて言ってるのは、不動産屋の営業用誇大広告宣伝用語だよ。日本では「名ばかり」マンションだよ。
:じゃあ、なんて言えばいいんですか。
:正しく言えばだな、区分所有型中高層共同住宅ビルだな。
:フ~ン、長たらしいね、で、あの傾いたヤツもそのクブンショなんとかかんとか、めんどくさい名ばかりマンションですかね。
:うんそうらしいねえ。しかも、700戸も入っているらしいよ。

●建て直しって実は超大変だろうなあ
:でも、それは4棟に分れていて、そのうちの西棟だけが傾いたらしいですよ。それなのに、売り主の三井不動産ナントカカントカ企業の社長は、その棟だけじゃなくて、責任とって全部建てなおすって言ってますよ、さすが大企業は偉いもんですねえ。
:う~ん、ホントに偉いのかねえ、わかってるのかなあ。写真で見ると、そのうちの南棟を除く3棟がつながってるからこれらは建築基準法でも区分所有法でも、法律上は1棟らしいよ。
:でも、その中の傾いた部分だけを建てなおせばいいでしょ。なんで全部建て直すって言ったのかなあ。
:その傾いた西棟だけ直すのは、技術上は可能だろうけど、法的に1棟になってると持ち主全部の内の8割がOKしないとできないね。それに他の棟も完全とは言えなくなったからね。
:仮に500戸あるとすれば、400戸の持ち主の同意を取るって言っても、400通りの事情があるだろうから、そりゃもう大変ですよね。
:そうだよなあ、それに地震で壊れたって天災じゃなくて、欠陥商品を売りつけたってことだから、なおさらナンダカンダと揉めるに決まってる。
:じゃあ、事実上は8割賛成じゃだめで10割でしょうね。
:それに、今は傾いてなくても、こうやっていったん不信となったら、そのうちに傾くって思うよなあ、だから全部を建てなおすしかないってことになる。離れている南棟の人もそう思うだろうなあ。
:そうなりゃ700戸には700通りの事情があるから、社長がカッコよく全部建て直しますって言っても、こりゃ簡単じゃあないですねえ。事実上はできないかもねえ。大変なジレンマですねえ。

●大地震が来たらこの騒ぎの比じゃない数になる
:あのね、いつか近いうちに巨大地震が起きるって言われてるだろ、そうなったらたいへんだよ、あちこちの巨大な名ばかりマンション超高層ビルには、1000戸もある奴のあるらしいからね。
:そんなのがあちこちで傾いたら、難民だらけになりますね。
:そんな大勢の巨大ビルを建てなおそうたって、そうは簡単に皆が同意できっこないね。日本列島は立ち腐れ廃墟名ばかりマンションビルだらけになるな。
:あ、そうだ、この長屋はどうなりますかね、すぐに倒れそうだけど。
隠:うん、そうだね、大地震で簡単に倒れちまうだろうねえ、店子の難民はいっとき出るのはしょうがないけど、ここは1棟全部貸家で持ち主は大家さんひとりだから、建て直しは簡単だよ、すぐに戻ってこられるよ。
:あ、なーるほど、そりゃいいや、安心しました。その名ばかりマンションも、棟の全部を貸家にすればいいのねえ、なんでそうしないんでしょうねえ。
:そりゃね、日本政府の住宅政策が間違ってきたからだよ、持ち家ばかりを優遇する政策ばかりで、賃貸住宅を冷遇してきたからだよ。
:なんでそうなんでしょ
:日本では住宅政策が、景気対策の経済政策に使われて、住宅って基本的人権を保障する社会政策じゃなかったってことなんだよ。経済ばっかりに目を向けるって、政策の基本が貧困なんだよ。
:そうやって、名ばかりマンションばかりか、郊外住宅もどんどん建てさせたあげくが、いまじゃあ空き家問題にぶつかってるんですね。
:郊外には空き家、街なかには空き名ばかりマンションだよ、困ったもんだよ、もうすぐ起きる東南海大震災の直後に、住宅を経済政策にしたツケがドド~ンとまわってくるだろうねえ。わたしはその頃はこの世にいないだろうからいいけどね、熊さん気の毒だね。

●真の責任者は元請け企業と工事監理者なのに
:それにしても、あのインチキ基礎杭事件は、マスメディアの格好の餌食ですね。杭打ちした旭化成建材ってところの親会社の旭化成社長がでてきて謝ってますね。
:あのねえ、それがなんだかおかしいねえ、だってこの事件の一番の責任者はそこじゃないよ。
:え、なぜ旭化成じゃないんですか。
:あのねえ、インチキ杭打ちした旭化成建材が悪いのもちろんだけけどね、そこはこのビルの建設を請け負った三井住友建設の下請けのそのまた下請の企業、つまり孫請けなんだよ。
:ということは、下っ端企業が泣いて謝ってるだけなのかあ。
:その孫請けの親が出てきて謝るのは勝手だけど、その上の日立ナントカって下請け企業の社長や、大元の三井住友建設の社長はどうしてるんだろうかねえ。
:あ、そうか、そこが泣いて謝るのがスジでしょうにねえ。
:元請けの建設現場で三井住友建設が、下請けの工事をきちんと管理監督してなかったのがいちばんの責任取ることだよ。それにね、工事監理者も責任が重いはずなのに出てこないね。
:なんです、その工事監理者ってのは。
:工事屋さんの現場監督とは別にね、設計どおりにきちんと工事をしているかって、工事を見張る役割の一級建築士がいるんだよ。いなきゃならんと法律に決めてあって、それが工事監理者だよ。
:じゃあ、三井住友建設の現場監督の外に、工事管理者がいるのですね、そりゃ誰なんでしょうかね。
:それがニュースには全く登場しないから名前が分らない。マスメディアも世間一般も、そういう責任者がいるってことを知らないらしいね。
・あ、もしかして、その工事監理者の一級建築士と三井住友建設が、グルになって監督をサボってたのかもしれませんね。

●設計者も出てこないのは何故か
:うん、多くの場合は設計者が工事監理者になるんだけど、その設計者の名前もニュースには全くでてこないね。
:あっ、もしかして、実は設計で基礎杭の長さが短くしてあった、かもしれないのにね。
:もしそうだったら、杭打ち工事は設計図の通りにやったことになるな。
:それだったら、設計者と共に、設計図の間違いを指摘しなかった工事監理者の大罪ですね。なんだか、マスメディアは末端ばかりおっかけて、大元の方の原因者の仕業を忘れてるかもしれませんね。
:それよりもいちばんの大問題は、空き家だらけと言うのに、これから大地震が来るというのに、名ばかりマンションを建て続けさせ、買い続けさせる日本の住宅政策の大間違いにあるんだよ。
:そうか、阪神淡路大震災で名ばかりマンションの建て直しが大変でしたよね、それから耐震偽装って事件でも大変、それなのにもう忘れて同じバカをやってるんですねえ。
名ばかりマンションを買う奴が一番のバカだね。だからね、ボロでもこの借家長屋に住んでることを、ありがたく思わなくちゃいけないよ。
:え~~、そうなんですかあ、まあ、買う金もないけどねえ、、ヤレヤレ。

1995年3月神戸三ノ宮、勝手な向きに傾く街並み

1995年阪神淡路大地震における神戸被災地
(追記20151112)今朝に新聞に、三井住友建設が初めて謝罪したとの記事が出ている、いまごのになってかよ~。

参照:くたばれマンション
https://sites.google.com/site/machimorig0/#tosikyoju

2015/10/20

1135【終活ゴッコ】建築家山口文象と初期RIAに関する資料コレクションをRIA山口文象資料庫に納めた

●蔵書を箱づめ送り出す

 蔵書をどんどん手放している。他に手放すべき財産らしいものがないので、これが重要なる終活(終末活動)である。
 箱詰めして送り出すのだが、箱詰め作業がけっこうな労働になるので、ただいま腰椎圧迫骨折治療中の身としては、リハビリテーションを兼ねてボチボチユルユルと進めている。

 あちらこちらの知人たちに、こんな本があるけど要りませんかと、本棚の写真を添えて頼みこんで、受け取ってもらうのである。
 今年の初めに、知人の若い研究者に、本棚の写真を送って、この中で要る本があるなら、喜んで差し上げると言ったら、100冊くらいを引き取ってくれた。
 これに味を占めて、この分野の本ならあの人が、この分野の本ならこの研究会メンバーが、などと、あちこちに声をかけて、良い返事をいただいたところに箱詰めして送る。もしかして押し付けになっているかもしれない。

 もちろん、近くの古本屋に売るとか、震災復興支援で古書寄付なんて方法もあるのだが、それは最後にして、やはり読みたいお方に受け入れていただきたいのである。特定のテーマによる資料収集は、そのテーマに関係の深い方に受け取ってもらいたいとも思う。 
 ある友人が、全部を受け入れようと、超ありがたいことを言ってくださったので、それに甘えてボチボチ送り付けている。ただし、何でもかんでも片端から詰め込んで送るのも申し訳ないので、ジャンルごとに整理して箱詰めして送る。
 
 そうやって蔵書を棚卸していると、同じ本が2冊も出てくることがたびたび出現する。ボケたので同じものを次々に買った、のではない。
 この現象の原因は、買ったけど読まないままに忘れてしまい、また買ったに違いないのである。自分の興味ある本はいつまでも変らないってことか。

 稀覯本を集める趣味はないが、なかには珍しいような本もある。調べもののために古本屋めぐりしていて発見した戦前の本など、調べものが終ってからは本棚に入りっぱなしだった本を、懐かしく再発見している。それを読んだりするから、箱詰めは遅々として進まない。

●未読本の読破で余生を送る

 前から自覚していはいたが、買うばかりで読んでいない本、つまり未読本が非常に多いのが、なんとも悔しい。興味ある本を見つけると、絶版になると困るからとにかく買っておく、という行為を重ねてきた結果が、未読本の山になったのだ。
 未読のままに人さまにさしあげるのは残念な気もするが、一方では、もらってくださった方から、キレイな本ばかりと感謝されて、良かったようで、こそばゆい。
 
 4年ほど前に、本の処分をしないと死んだ後の処分が大変だなあ、息子に申し訳ないことになるなあと気がついて、もうこれからは本を買わないと決めた。
 これからは未読本を読破することをもって、わが余生の過ごし方とすることにして、ウチにない本は近くの市立や県立の図書館に行くことにした。図書館は宝庫である。
 そしてほぼそれを守ってきたのだが、じつのところは未読本読破余生は遅々としてはかどらない。その最大の原因は、インタネットウェブ徘徊である。読書時間がWEB時間に食い込まれてしまった。どうやら読破前にわが身が終末になるだろう。

 未読本読破はもういいや、ってことにして、箱詰め外部送り出しとなったのである。自分ではできないので、未読本読破作業の外注である。
 今年になってから送りだし始めたのだが、これまでに段ボール箱22個、でも、まだまだ半分もはけていないから、本の終末よりわが身の終末が先になりそうだ。
 まあ、そのときはテキトーに息子がやってくればよい。そのときは持ち主は不在で、なにも文句を言わないからね。

●建築家山口文象関係資料をRIAへ

 そのような中で昨日のこと、大物コレクション発送して、ちょっと息をついたところだ。
 それは建築家・山口文象に関する資料である。RIA在籍時代の1982年に、「建築家山口文象 人と作品』(相模書房)を発刊したが、これの編集に6年間ほど携わった。
 50歳でRIAを離れてからも山口文象研究を続け、2003年には『新編 山口文象 人と作品』(アール・アイ・エー)を発刊、山口文象に関する資料を収集し続けてきた。その間に新発見もあった。

 完全に集めるほどのマニアではないが、初期RIA分の資料も入れて、ついつい増えて書棚の一角を占拠し続けてきた。だが、もうこの山口文象ストーカー行為も終活にすることにした。あとはベルリンに行って調べるしか残っていないが、そこまでの文象マニアではない。
 ということで、終活発送箱にこれら資料も加えることにしたのである。幸いにしてこの受入れ先は以前から明確になっており、山口文象が主宰したRIA(㈱アール・アイ・エー)である。
 RIAには、山口文象関係資料庫があり、戦前の山口文象建築事務所じだからの図面、書籍、書類を保存しているので、その中にわたしのコレクションも入れてもらうことにしたのである。
 送り出すとなって整理して、リストを作り、箱詰めしたら4個になったのであった。

 これまで10人くらいの学生や院生たちが、山口文象やら戦後復興期の都市づくりに関して論文を書くとて、わたしに問合せが来たり、インタビューされたことがある。
 その資料が、ボケが来つつあるわたしのところにあるよりも、RIAにあるほうが世の中に役立つ時が来たということである。

 なお、わたしの『山口文象+初期RIA資料まちもりコレクションリスト』を、ここに載せておいた。完全なリストではないが、ある程度は役に立つだろう。
 これまでのRIA所蔵の資料は、まだリスト化されていないので、検索が難しい。その内容をもっともよく知っているのは、わたしだろう。でも、わたしはもうボケてきたから、これを機会にわたしのコレクションと一緒に整理、リスト化をしてもらいたいものである。

参照:山口文象+初期RIAアーカイブス(伊達美徳編)
https://sites.google.com/site/dateyg/bunzo-archives-1




2015/10/18

1134『いまなお原爆と向き合ってー原爆を落とせし国でー』大竹幾久子著

 本棚がいっぱいだし、もう読んでいる人生の時間がないし、カネもないので、これからは本を買わない、本棚にある未読本を読む、そこにない読みたい本は近くの図書館で読む、と決めて4年目だが、ついつい買ってしまった。

いまなお原爆と向き合って
―原爆を落とせし国でー
 大竹幾久子著 本の泉社 
          2015年8月発行

 戦争が終わって70年、終わるために大きな犠牲を払ったのが、アメリカが日本で爆発させた核爆弾であった。当時3歳の大竹幾久子さんは、爆心から1.7kmの自宅で、母子4人もろとも重症瀕死の被爆をした。
 医療もほとんどない中で、試練を超えてようやくに生を取り戻したら、10月になっていた。爆心近くで兵役の父は帰らないまま、残された母の戦後は更に壮烈だった。

 その大竹幾久子さんが、この夏に原爆を糾弾する本を出した。今はカリフォルニアに住むアメリカ人となっているのだが、その地で訴えているからこそ、迫力がある。
 一緒に被爆した母の証言の叙事詩のような言葉を、そのままに書き取ったオーラルヒストリ―が、じわじわとした迫力で胸に迫ってくる。
 これは英語版も添えてあるから、アメリカ人も読むだろう。その地獄絵の描写の一部を掲げる。


 Some were completely red, with raw flesh burns.

 The scorched skin slipped from their bodies,
 And hung in loose strips, like paper streamers.
 And their faces!
 Eyes,noses,mouths,ears had all melted down.
 And the hair...the hair...
 Had burned away from the scalps.

 A man's arms and legs...were almost torn away...

 We saw his bones protruding like bloody skewers.

 And One...

 Had a gaping hole in his chest...his ribs were exposed

 And One...

 His belly was split open,
 And oh,he was holding his bowels in place!

 And one...

 His skull was smashed open...
 One eye dangled down on his cheek,

 And Another...

 His head was split so badly...
 l couldn't tell which side his face was on.

 All were streaked with blood and dirt.

 The lucky ones still wore shreds of pants、
 Scorched and tattered though they were.
 But most wore no clothes at all.
 Their garments were shorn away
 Or burned off by the bomb's searing blast.

 l saw masses of naked, bloodied,burned flesh,gasping faces so disfigured

 That l could not tell the men from the women.
 This one...that one...
 l had never seen such horror!
 Were they truly human beings?

 l once saw a painting of hell.

 But l swear this sight was more nightmarish than that



 アメリカで歌詠みとなった著者は、原爆のことから原発のことへと、切ない思いをくり広げて詠う。


 被爆後に小二で我は主婦となり作りし夕餉は毎日目玉焼き

 爆心地で死にたる父はアメリカに帰化せし我を許し給うや

 体内に残留放射能もつ不安 押し込めて生きしこの七〇年


 戦後70年とは、原爆被害70年であるのだが、それは戦争という大きな渦巻で見るだけではなく、その渦の中の一人一人の人間がいることを忘れてはならないと、これを読んでおもいなおしたのであった。
 核毒問題がフクシマであらためて襲ってきながらも、この実に身近な核毒恐怖さえも、もう忘れて核発電の再開をする日本という国家、そして核爆弾の恐怖は、いまも更に地球を覆い尽くしつつあって、大竹幾久子さんの静かな怒りは続く。
 わが身に潜む70年の恐怖を、こう裏返して見せるのである。


  おめでたい話

 あれから70年以上も生き延びて
 めでたく もう古希も過ぎた

 近ごろ ときどき こんなことを考える

 放射線は細胞に突然変異を起こさせるという
 ひょっとして わたしの細胞は放射線の好影響を受けて
 老化せず

 わたしは世界一の長寿者になるのではないかと


なお、著者の夫も兄も、わたしの大学時代からの親友である。

関連ページ
500・カリフォルニア歌人
https://datey.blogspot.jp/2011/09/500.html
879・カリフォルニア閨秀歌人の歌が朝日歌壇に入選した
https://datey.blogspot.jp/2013/12/879.html
648・日本人は5度目の大被曝体験をしても原発を動かす
https://datey.blogspot.jp/2012/07/648.html



2015/10/11

1133【越後の棚田米】中越震災復興支援が縁で都市計画家から村興し篤農家に転向して棲みついた山村で作る美味い棚田米

 有楽町駅前で屋台を出しているのは、越後の山奥の限界集落からやってきた農民。
 今日は、自分で育てた採れたて新米を、2合づつ美麗な包装で(300円)、まるでお菓子のように見せて売っている。
 同じく畑で作ったカボチャやナスもあれば、自家製の餡団子やおやきもある。
 親子でそろって、ここでの販売に出かけて来たらしい。

実はその農民は、わたしの旧知の宮田裕介氏である。
 彼は2004年中越大震災の復興支援で、東京からその山村(長岡市小国町法末)に通っていたのだが、そのうちに集落に居続けになり、ついには「帰化」してしまったのだ。
 都市計画家から篤農家に転向したのである。

 住民60人ほどの限界集落で、次第に増える耕作放棄になる棚田を頼まれて次々に引き受け、本格的百姓になりきって、米つくりに精を出している。
 いくつかの大きな古民家に手を入れて、古民家民宿も始めている。村興しである。
 豪雪の高原の棚田でできる米は、実に美味い飯になる。暖かい飯がうまいのは当たり前だが、冷めても美味いのが不思議である。わたしはもう10年もその村でとれた米を食い続けている。

 ここにその美味い棚田米の宣伝をしておくので、買ってあげてください。
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 越後の天日干し棚田米と地元産野菜のお得なセットです
 小国町の山間地にある法末集落は棚田に囲まれた村です。
 雪解けの湧き水と標高300mの高地が美味しいお米を育てます。
 そのコシヒカリを自然の太陽の恵みの天日で干して、香りと甘味のあるお米に仕上げました。
 黒姫山と米山を望む棚田で育てられたコシヒカリを、季節ののご挨拶にいかがですか。

[セット1] 5,000円(送料込)
 プレミアム棚田米(天日干し)5kg+地元産野菜(1,000円相当) 
[セット2] 3,000円(送料込)
 プレミアム棚田米(天日干し)3kg+地元産野菜(500円相当) 
[セット3] 3,000円(送料込)
 美味棚田米(機械乾燥)5kg+地元産野菜(500円相当) 

●お問合せ・ご注文は下記まで
株式会社 法末天神囃子  販売担当 宮田裕介
電話:0258-95-3125 メールアドレス:miyata@h-tenjin.com
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●参照:法末集落へようこそ
https://sites.google.com/site/hossuey/



2015/10/10

1132【東京風景】銀座おのぼりさん徘徊して外国人買い物客の多さと松坂屋の巨大再開発に感慨を催す

 横浜から東京へ「上京」して、銀ブラ徘徊をしてきた。2年ぶりくらいだろうか、もちろん用事は何もないから、単なる徘徊である。
 聞きしに勝るたくさんの外国人買い物客たちである。どうもアジア系、特にチャイニーズ系らしい。爆買いって、この人たちのことかなあ。
 かつては銀座にはなかったような店もある。大きな安売り電器屋があるし、おおきな安売り衣料屋もできている。もちろん私がよりつけないフェラガモとかナントカカントカって高売り店もある。

 おもえば、1970~80年頃、ジャパニーズ観光客が、パリやミラノやロンドンの有名繁華街の高売り店で、爆買いしていたよなあ。
 モンテナポレオーネ通りを、若いジャパニーズネエちゃんたちが、ブランドショップの名を書いた大きな袋を膨らませて行進していたなあ、懐かしい時代だよなあ。
 それが今は、銀座でチャイニーズネエチャンオバサンオジサンたちが、それをやってるんだ、ふ~ん、そういう時代になったんだと、徘徊お上りさんは感慨を催す。
 あ、もしかして、チャイニーズネエチャンたちもやっぱり、ヨーロッパに行ってるかな。

 銀座通りの建物群が、昔よりもずいぶん高く建て替えられて、なんだか空が狭くなった。ただ、一軒一軒の幅はそのままで、のっぽビルになるばかりである。
 ところがその一角で、妙に空が広いところがある。クレーンが建っている。再開発中であるか。
 はて、ここに何が建っていたっけ、あ、そうだ松坂屋デパートだったよなあ。
 ドレドレと工事看板を見ると、もとの松坂屋よりも広い範囲、しかも裏通りの向うのブロックまで広げての、共同ビルに建て替えらしい。



 よくまあこんな地価の高すぎるところで、よくまあこんなに広く、よくまあこんなに大勢の権利者たちを纏めたもんだなあ、いったい、だれの仕業なんだろうか。
 表示看板のひとつに、設計プロジェクトマネージャーとして、森ビル・アール・アイ・エー共同企業体と表示してある。
 なーるほど、この両者なら日本の市街地再開発事業の雄であるから、纏めることができたのだろうし、これからの難しい進行マネージもできるのだろうと、納得したのである。

 そう、あの新国立競技場が不様なことになったのも、プロジェクトマネージャーが不在だったからと、第三者検証委員会レポートにもあったように、大きく複雑な事業にはその役割が重要である。
 それにしても、プロジェクトマネージャー名を工事現場に表示してあるのも珍しいが、森ビルもRIAも銀座通りに名を出すのは、多分、初めてであろう。
 これもそういう時代になったんだ(どういう時代かうまく言えないが)、感慨を催すのであった。
 それで思い出したが、1953年に建って今なもうない第1森ビルの設計が、RIAであった。この2社の組み合わせはそれ以来だろう。

2015/10/08

1131【尻餅老人起臥戯録9】第4腰椎圧迫骨折で病院通い6回目、X線写真見てこれって治ってるのかなあ

 5月初めに繁華街の真ん中で、自転車から墜ちて尻餅搗いて、第4腰椎圧迫骨折の大怪我、全治3カ月と医者から言われてもう5か月、いまだに全治にしていない。
 若ければ3カ月って、条件付きであったのかなあ。 

 寝たきり老人を半月やってから、姿勢よくなら立ったきり老人もできるが座ったきり老人はできないとわかって、机の上にスツールを置いてPCを乗せ、立ったままでキーボードを打つ日々をやっていた。立ったきり食事もやっていた。
 結果的には、それが寝たきり脚弱り老人じゃなくて、脚力維持になっていたらしく、腰は痛いが脚はなんともない状態になって、歩くのは問題がない。

 そして今は5か月たったが、上向きや横倒しに寝る、真直ぐ立つ、姿勢よく座る、歩きまわる、この4つは普通にできる。だが、これらの中間の折れたり畳んだりの動作を、どうも円滑にできない。
 洗面器の前で腰を曲げて顔をお洗うことができるようになったのは、やっと4か月目であった。

 なんともはや、全治3か月の宣告は延期、延期で、いまだに腰に違和感を抱きつづけている。
 これが老人がよく言っている「腰が痛い」という現象なのだろうか、もう死ぬまで治らないのだろうなあと、老人になってみて分かってきた。
 コルセットで腰を締めているが、気休めのような感もある。ヤレヤレ、フー、。

 今日はその医者通いの6回目であった。
 X線撮影の映像を見れば、圧迫して凹んだ第4腰椎の治り具合は、はかばかしくないように見える。骨が回復するって効能書きの、高い薬を飲んでいるのになあ。
 だが、医者は「ほれ、このあたり、骨が白くなってきて固まってきてますよ」と、励ましてくれるのであった。
 「はあ、そうですかあ、、」、医者がいうのだから、たぶん、治ってきているのだろう。
第4腰椎圧迫骨折の最初のMRI画像 
見事な潰れ様であるなあ、椎間板の顔出しが可愛らしい
5月から10月までの第4腰椎圧迫骨折X線画像
これって治っているのかなあ??
まあ、身体のあちこちがチカチカ痛む現象は消えたし、机に向かって座ることもできるようになったし、洗面器で顔を洗えるようになったし、遠ざかっていた尿意便意も戻ってきたし、などなど、治りつつあることは確かだろう。

しかしなあ、第4腰椎あたりの違和感の無くなり具合は、なんとも遅々として、身体が円滑に動かないなあ。歳のせいもあるだろうけど、ブツブツ、、、。
 まあ、歩くのも寝るのも支障はないし、懐具合を別にすれば酒飲むのも問題ないから、この調子で良しとしようか。
 

・尻餅搗いて突発寝たきり老人になったが、、、2015/05/05~

2015/10/05

1130【地震津波核毒騒動】東北地方の津波被災地復興に取り組むアドボカシーな都市計画家たちの重くて軽い存在

 新国立競技場の計画に関して、都市計画家という職能の専門家が関わっていることを、このブログの記事に書いたら、それまでに書いた多くの新国立競技場関連記事の20倍以上の読者数になり、これを「炎上」というのであろうか。
 都市計画家って、それほど人気があるものなんだ、え、ほんとかよって、面くらっている。
 では、都市計画家が関わる別の話を書こう。これも「炎上」すれば、都市計画家の人気度合いが本物かどうかわかる。
(追記:この記事を掲載3日後のアクセス記録は、この前の新国立競技場の都市計画家の記事の10分の1にも及ばない。残念)

●東北の復興に関わる都市計画家たち
 東日本大震災から4年半、各地の復興の動きに、都市計画家たちも当然にかかわってきている。
 だが、いろいろなメディアに復興の動きと諸問題が報じられるが、それを支援している都市計画家たちのことは、ほとんど出てこない。いったい何をしているのだろうか。
 昨日(2015年10月4日)、NPO日本都市計画家協会(以下「家協会」と言う)が主催する「全国まちづくり会議」において、その家協会が会員の都市計画家を現地に派遣して支援する復興計画について、復興の現状、問題、展望などについて報告とシンポがあった。

 巨大津波で壊れ失われた街への都市計画家の復興支援とは、行政が作る大きな網かけの復興基本計画づくりへの仕事から、その網目から漏れた小さな集落住民が自力で取り組む復興へのボランティア的支援まで、大小いろいろな段階がある。
 聞いてみると、家協会が現地からの要請によって派遣している先は10地区ほど、いずれも上に述べた後者の、小のほうにあたる地区ばかりらしい。派遣専門家は20人足らずのようである。
 
 だから、大の復興計画づくりのような大きな金が行政からでるものではないから、家協会も専門家たちもカネの苦労をしている。
 とにかく地域の住民たちとひざを交えて、これからどうしたいのか、話し込んで聞くことから始める。初めは手弁当で通うしかないが、そのうちに行政から地元への支援金がでると、そこから家協会にいくばくかはまわしてくれることもある。
 あるいは家協会が諸財団や企業の公益支援事業に応募して、いくばくかは自前調達する。

 しかし、いずれにしても交通費程度の費用にしかならないから、専門家としての人件費は持ちだしボランティアである。「金持ちでないと専門家としての支援継続は難しい」と、報告者の専門家から述懐があった。もっとなことである、泣けてくる、シクシク。
 都市計画家たちは、いずれも小さな都市計画事務所を構えているが、家協会は個人会員制だから、個人のボランティア仕事に所員を使うわけにはいかないし、そのようなカネはでないが、とにかく忙しい。大学の研究者である都市計画家たちもいるが、同じようなものだろう。
 しかも、地元密着型であるから、時には行政計画に対する批判も含む地元型復興計画づくりになるから、これを行政が支援する筈もない。

●大きな行政復興と小さな地元復興
 家協会が派遣している専門家たちは、いずれも都市計画家の職能から言えば「建築・まちづくり系」である。
 都市計画家に一般分類があるのではないが、大別して「土木・都市基盤整備系」(仮に「土系」という)と「建築・まちづくり系」(仮に「建系」という)があると言えよう。もちろん、この境界は明確ではないが、その人の大学での専攻が土木系か建築系かで分れる。
 家協会会員にはそのいずれもがいるが、派遣しているのは家系のようだ。

 聞いてみると、各被災自治体が国政府の支援を得てつくる大きな復興計画は、土系の都市計画家が受注したらしい。
 これに建系がはじかれたのは、国が支援にあたって起用する都市計画コンサルタントを、土地区画整理事業の実績のある土系にせよと指示したからだそうだ。どうやら土系の大学教授が国を指導したかららしい。
 その大復興計画は、巨大防潮堤、広範囲盛土市街地、丘上住宅地となって、今、現れつつある。

 だから建系都市計画家は、その巨大計画から漏れた小集落の復興支援とか、あるいは行政と対立する住民たちの相談相手とか、大復興計画の中の一部のまちづくりとか、小さな復興へと取り組んだのだ。しかもどこかからカネを調達してくるしかない。
 派遣専門家がその大きな復興計画の携わっていれば、それとあわせて小さな復興計画にも動くことができるのだが、そうはうまくいかないものだ。

 もっとも、そのことは支援する都市計画家にとっては、誰に雇われているのでもない個人だから、柔軟にして自由に発送し行動できる専門家として、復興への思いを地域の人々と一緒に計画へと積み上げて行き、行政の計画に反映させることもできるのだそうだ。
 家協会の考える復興のあり方は、自立と持続をテーマに、住民が自ら考え、住民が自ら行動することを支援することで、地域の自立的復興を促し、そこから持続するコミュニティーを組み立てることにあるという。
NPO日本都市計画家協会の考える復興のあり方

●アドボカシープランナーとしての都市計画家
 これが全部でもないだろうが、小さな地元からの復興計画は、そのような専門家たちの支援状況で動いているらしい。
 これはまさにアドボカシープランナー(advovacy planner)である。だが、それで食える道は、今の日本にはなさそうだ。
 これまでのそのような努力に、心から敬意をはらうのである。2004年中越震災での経験を、わたしから言えば次世代の都市計画家たちが、立派に継承していることに感激したのだ。
 家協会による2005年からの中越復興支援は、限界集落のある山村に集中的にかかわり、古民家を手に入れて、どっぷりとはまり込んだ。あちこちから支援資金を受けながら、似たようなもんだったなあと、回顧と反省をしたのであった。
 中越支援は今は日本都市計画家協会の手を離れた。その時の支援仲間たちが出資して地元組織として会社を設立し、集落住民に「帰化」してしまった仲間のひとりが社長となり、棚田で米つくりをしつつ、村起しに取り組んでいる。

(追記;10月4日の全国まちづくり会議の震災復興フォーラムで報告したプランナーの名前を列記しておく。小泉秀樹、江田隆三、神谷秀美、高鍋剛、渡会清治、加藤孝明、内山征)

●参照:法末集落へようこそ 
https://sites.google.com/site/hossuey/
 
●参照:地震津波核毒オロオロ日録 
http://datey.blogspot.jp/p/blog-page_26.html