2015/07/30

1114・デモに参加すると就職に不利になるとの噂があるが本当にそうなった1960年の私の証言は今も通じる怖い世の中

 今日の朝刊(朝日新聞東京版)に、『デモに参加すると就職に不利・・・「いつの時代の話?」』という見出しの記事がある。
そうですとも、そりゃもう、ぜったいに不利ですとも、それを体験して人生が変わった、このわたしが証言します。
 あれは1960年のことです。いつの時代の話?なんて、言ってる場合じゃないですよ、そう、今の時代ですよ、あの時とそっくりの時代が再来してますからね。
 
 1960年の秋、わたしは7月に就職内定していた企業から、その取り消しの連絡を受けた。理由は、9月の就職面接のときに、安保反対デモに参加したことを言ったからであると、明確に告げられた。
 即座に反論した。7月の内定面接の時にも、それをはっきりと言って、それで内定した、そして、本面接でも同じことをしゃべった。
 それなのに、こんどはダメとは、どういうことか。

 答えは、内定面接のときはいなかった役員が、本面接のときにいて、この人がNOと言ったからだという。呆れた。
 更につけ加えて、企業としては今さらNOと言えないから、わたしの方から辞退してくれと言うのである。バカな、、。
 そんな理不尽なことはないでしょって、当然のことながら猛反発、先方にのりこんで抗議した。それからも両者はながらく紛糾した。

 10月になったある日だったとお記憶するが、卒論を書いている歴史研究室にいたら、先方の人事担当者と役員たちがやってきた。わたしと顔を合わせて、バツが悪そうな格好。
 わたしの卒論指導の教授に説明か謝るかに来たらしい。まあ、この大ボスの先生に睨まれたら、このあと企業としてはマズイと判断したのだろう。メンツを捨てたらしい。

 教授からどうすると聞かれたが、もちろんそれでも筋が通らないことだからとて、わたしは意地で屈服しないままでいた。
 でも、腹は立つけれども、当然ながら、だんだんとバカらしくなってきた。そんな理不尽なことを平気で言うような企業に入って、おれは気分よく働けるんだろうか。
 もう11月もすぎると、就職先がなくなってしまった。学年でわたしひとりが先行きがない。

 いまなら、もっとうまい戦い方があったと思うが、若い身ではタダタダ腹が立って、いやだと突っ張るばかりだった。
 そうこうしているうちに教授から、山口文象さんに話して入れてもらうようにしてやるから、このへんでキリをつけてはどうかと親切な話をいただいて、踏ん切りがついた。
 辞退してやったのだった。それをどう伝えたか忘れてしまった。

 そうして先生の紹介で、RIAに入れたもらった。社員10数人のアトリエ事務所は、東京に新人の席がなかったようで、大阪支店だった。
 その後の人生は、なんとか面白く過ごしてきたから(恩師が亡くなられてRIAを退職した)、それはそれでよいのであるが、社会人人生の出だしでもうれつに腹が立つ事件であった。

 ということで、デモに行ったら絶対に就職不利ですよ、いや、デモには行きなさい、そして就職面接ではデモなんか行ってないと、平然と嘘をつきなさい、長いそれからの人生の為です、嘘も方便です。
 1960年と今とで時代の様相は変わっていない、というか、あの時の暗雲が再来していますからね。
 
 その企業の面接を受けたのは、社会のことはほとんど知らない私に、尊敬する都市計画の教授が、君はここがいいよと教えてくださったからであった。
 その企業名は、三菱地所。


参照
641・原発反対で52年ぶりの国会議事堂デモに参加して思うこと多々あり
http://datey.blogspot.jp/2012/07/641.html

2015/07/29

1113【新国競騒ぎ】ザハ・ハディドが契約突然破棄についてアピール出したけど一緒にやった日本の建築家やゼネコンはどうするの?

●ザハ・ハディドがアピールを出した

 アベサンがちゃぶ台返しして大騒ぎの「新国立競技場白紙見直し事件」、そのデザインコンペ一等で設計監修してきたUKのザハ・ハディド(Zaha Hadid Architects:ZHA)が、この件に関してアピールを出した。
http://www.zaha-hadid.com/2015/07/28/new-national-stadium-tokyo-japan-statement-by-zaha-hadid-architects/
                (追記8月3日 こちらもhttp://goo.gl/K0BIx7

 やっぱり書いてるなあ。
 アベサンがちゃぶ台返ししたことを報道ニュースで知ったが、その後で、JSCから契約破棄の通知を受けとったそうである。事前に打診とか協議があったのではないらしい。
 それどころか、その10日前にはあのデザインで進めると、正式な承認を得たばかりだったとある。
 そのとおりだとすれば、ずいぶん阿漕なJSCであり、アベサンである。
 まあ、民法上は損害賠償すれば契約破棄を一方的にすることは可能だが、なんの事前相談もなくて、総理大臣のちゃぶ台返しって、どこかの独裁国みたいだが、そういうものかい?
 
こんどはエンブレムデザイン盗用か?事件
JSCの発表では、コスト高騰は設計者のせいであるとしており、ZHAはこれに強く抗議している。
 特に、あの2本のアーチがコスト高騰の原因だと言われていることには、ZHAとしては、かなり力を込めて反論している。
 東京の建設ブームによる物価や労賃の高騰や、円安による輸入資材の高騰が原因なのに、それを全体コストの10パーセント未満のアーチのせいに全部押し付けたと言わんばかりである。
 ゼネコン発注に競争原理が働かない工事発注方式をとったことも、コスト高騰の原因としている。

 それでも、喧嘩してもう止めた、とか言ってるのではなくて、安かろう悪かろうスタジアムをつくって、将来に禍根を残すほうが心配だから、ZHAとしてはコストダウンのためには技術もアイデアもあるので、今後も協力する用意があると表明している。
 そのことも既にアベサンに申し入れしたそうだ。

●ところで日本の設計事務所はアピールをいつ出すの?
 
 なんとなく、硬軟両様の構えのような感じがするZHAコメントである。
 さて、これがからどうなるのか、野次馬としてはこの騒ぎの行方がお楽しみである。
 それにしても怪訝なのは、ZHAはこうやってちゃんとアピールしているのに、ZHAの監修のもとに協力して仕事をした、日本側のかずかずの一流どころに設計と施工関係者は、いったい、どうなさったのでしょうかねえ。

 一方的な契約破棄について、これからアピールを出すんですか?、それとも泣き寝入りなんですか?、それともなにか仕事上で瑕疵があるのでコメントも抗議もできないんですか?、それとも、いきなり損害賠償交渉ですか?、それともZHAと違って事前に了解をしていたのですか?、それとももう契約仕事はすっかり完了しているので、契約破棄云々はなにもないのですか。
 でも、ZHAのアピール文には、「キャンセル」という言葉がありますよ。

 ねえ、この前にも書いたんだけど、JSCからお仕事もらっていらっしゃる、大成建設、竹中工務店、山下設計、山下ピー・エム・コンサルタンツ、建設技術研究所、日建設計、梓設計、日本設計、アラップの皆々様、いかがなさっていますか。

 日本の一部の建築家たちが言って、それにメディアも乗っかっている、コスト高騰アーチ主因説は、本当ですか?、あなた方が一番よく知っているでしょ、だってもう一部工事発注をしたのだから、詳細な工事費積算書があるでしょ、それ見れば一目瞭然のはずでしょ?、ZHAの言ってることは本当なんですか?いちばん事情をよく知っているのは、あなた方ですよ。

 第3者検証委員会ができるとかってニュースもあるので、そちらから言われるまで黙ってるつもりかしら、建築家ってそういうもんなんですか?
 まあ、建築業界のお方たちは、だいたいはこの間の事情を察しておられるでしょうな、そう、ごく普通に考えて、設計者や施工者が勝手にコスト高騰させたってわけじゃない、発注者側が承認しないとできないものだってね。
 でも、世間じゃあ、建築家たちが誤った設計をして、コスト高騰させたって思いますよ、いいんですすか?、それをザハだけに押し付けて、。

 ZHAだけに言わせないで、こっちもちゃんと言わないと、倫理にもとるでしょ。 世間の噂のままに、ZHAだけに責任を押し付けるって、建築家の風上にも置けませんよ。
 司直の手が入っているのじゃないし、既に工事発注されているのだから、守秘義務はないでしょ。
 情報公開請求すれば白日の下に出てくる資料がいっぱいあるでしょ、そうされてからナンダカンダとまた言われる前に、ちゃんとアピールしなさいよ。

●どこまで白紙見直しするのだろうか
 
 第三者委員会がどう振る舞うかも、実に面白そうだ。メンバーを”犯人”の文科省が選定するそうだから、あまり期待はできない。
 唯一の期待は、自民政権としてはこの事件を、民主党政権下に起きたことを追及させるかもしれないことだ。そこでわたしの期待は、外苑地区の都市計画にまで踏み込んでくれると、面白いのである。

 なんてたって白紙見直しなんだから、風致地区許可基準改悪奇妙な緩和型地区計画変な都市公園変更ムリヤリ都営住宅廃止など、いずれも白紙見直しするに違いないよなあ、普通なら、、。
 が、まあ、やらんだろうなあ、だって、どれも東京都の仕事だから、民主党政権に関係ないもんなあ。

 いやまあ、わたしに何の関係もないんだけど(微額納税者程度はあるかも)、ドタバタがあまりにも面白いんでね、駆けだした老野次馬がとまらない。

参照
◆【五輪騒動】新国立競技場建設と神宮外苑再開発瓢論集
http://datey.blogspot.jp/p/866-httpdatey.html

2015/07/25

1112【新国競騒ぎ】第三者検証委員会は建築だけでなく外苑地区の都市計画にさかのぼって検証せよ

●第三者検証委員会は何をどこまでどう検証するのか
 
 新国立競技場の計画が、総理大臣のちゃぶ台返しで、白紙に戻った。
 白紙に戻ったと言っても、もう建てるのをヤ~メタとか、建てるにしてもどこか他のところにするとか、そういうことではないらしい。あくまであそこに建てるのだ。

 いまのところ決まっていることは、こんなものらしい。
①外苑のあの場所を変えない(なんであそこに固執するのかなあ)、
②外観を変える(あの「生ガキ・UFO・ヘルメット」をお嫌いなんだな)、
③工事費を2500億円以下にする(当初約束1300億円には絶対にならないだろうな)、
④2020年東京オリンピックに間に合わせる(ラグビー運動会はあきらめたらしい)、

 さて、このドタバタ喜劇が起きた原因は、なんといっても民主党政権下で起きたあのコンペに原因がある、だから第三者委員会をつくって検証する、ということらしい。
 なんでまた、あんな変な形を選んだのか、あの形がそもそも工事費高騰の原因でしょ、しかも民主党政権下でって言いたい気分が、文科大臣(文句大臣か)にありありと見えるのが、可笑しい。

 実体としては、アベ政権下において、計画から実施へのマネージメントに大きなドジがあったに違いない。
 最後はコストでどんでん返しになったが、コスト計画は最初から最後まで建設事業の基本のことである。どうして予定の1300億の倍以上になっても、中途半端な規模見直しだけで、徹底的な見直しをしなかったのか。
 JSCと契約して担当している設計事務所コンソーシアムのメンバーは、どれも一流どころばかりである、ヘンだ。予算はいくらでも出るからとの方針変更の指示が、どこかであったのか。

 こうなったのは、建築家のザハ・ハディドと日本側の設計事務所コンソーシアムに技術的瑕疵があるのか、それとも発注者JSC側のマネージメントに瑕疵があったのか。
 もしも建築家や設計事務所に瑕疵がないとしたら、なぜ一方的に契約破棄をされなければならないのか。契約破棄に伴う損害賠償を、更に税金を使って支払うことになるとしたら、その責任はアベ政権が負うのか。
 建築家、設計事務所側としては、損害賠償を受領すれば済むのか、契約もしているのに、この仕打ちは名誉棄損になるのか、ならないのか。
 こういう検証もするのだろうか。

●ぜひとも都市計画の検証をせよ

 どうも、工事費が高くなったのでやり直しって、建築のことばかりを白紙見直しの対象にしている様子だが、この巨大建築を許す規制緩和をした都市計画については、白紙見直しには入っているのだろうか。入っているのかもしれないが、いっこうにメディアには出てこないこないのは、どういうわけか。
 あんな巨大なものをあんな狭いところで、しかも都市公園、風致地区という都市計画による土地利用規制の厳しい指定地に建てようとするから、無理が出てこうなったのだ。

 あのコンペに出てきたどの案も、その時点では都市計画規制に違反している案であった。もちろん一等のザハ・ハディド案もそうである。
 だが、オリンピックという錦の御旗のもとに、なにがなんでもあれを建てるんだからとて、都市計画をそれに合わせるように規制緩和をしたのである。
 特に外苑地区の風致地区指定は、都庁の机で許可基準の書類を書き換えるだけで、実体的には除外されたも同然になったのが、すごいことだ。http://datey.blogspot.jp/2014/07/971.html


 もちろんこれらは手続き的には適法であるが、実体的には異例な緩和である。そのあたりも果たして適切なことであったか、たとえ違法性はないしても、当事者たちはどのような認識であったのか、ぜひとも検証してもほしい。

 それには、あのような緩和策を前提としたコンペプログラムの作成段階までさかのぼって、JSCあるいは文科省は、都市計画行政当局とどのような事前摺り合せを行ったか、そこを検証するべきである。
 もし摺り合せができないままにコンペを行って選定したなら、大問題になったはずだ。

 そしてまた、都市計画手続きに於いて、都市計画審議会はどうしたか、都市計画案の縦覧に於いて都民はどのように意見表明したか、その後の市民運動はどう動いたかなどについても、検証してほしい。

 第三者委員会のメンバーがどのような専門家たちになるのだろうか。
 また、例の解散させられたらしい「有識者会議」(無識者か)みたいに、業界団体代表の集まりになるのかもなあ。
 とにかく、お役所追随の都市計画学者ではなくて、ぜひとも建築基準法とか都市計画法とか都市法を分る弁護士を入れてほしいものである。
 外苑地区の都市計画は、今後も変更緩和が行われる予定である。そのためにも、ここでしっかり検証して、大規模開発の都市計画制度の実態を、良くも悪くも知らせてほしい。


参照
◆【五輪騒動】新国立競技場建設と神宮外苑再開発瓢論集
http://datey.blogspot.jp/p/866-httpdatey.html


2015/07/23

1111【新国競騒ぎ】それならば裏長屋の庶民が提案する白紙見直しでタダになる案はこれだッ

新国立競技場騒ぎが面白くて、毎日毎日、ブログの書き込みを止められない、ああ、指が痛い、たすけて~

●100億円チャラの豪気ちゃぶ台返し
熊五郎:こんちわ、ご隠居、全治3か月って宣伝のお怪我は、そろそろ刑期の3カ月がきます、いかがですか。
ご隠居:おお、熊さん、いらっしゃい。お見舞いありがとよ、でもなあ、まだ腰が痛くてねえ、刑期満了にはなりそうにないんだな。
:ホントはすっかり治ってるけど、同情されるのが嬉しくて治らないフリとか。ま、そうやって寝転んで養生してるってのも、退屈でしょ。
:いやいや、ここんところアベチャンが世間を騒がせる事件が続くから、暇つぶしに持ってこいだ
よ。
:はあ、そうですね、憲法9条ちゃぶ台返しにつづいて、こんどは新国立競技場をちゃぶ台返しですよ。ここまできて、また白紙からやり直すのだそうですね。ヤレヤレ、なに考えてるんだろ、税金を使ってってんでしょ。
:そのまえは原発廃止方針をちゃぶ台返しだったね。首相のちゃぶ台返し事件はどうも腑に落ちないことばかりだよ。こんどの新国立競技場では、これまでに設計関係で50億円以上使って、そのほかにもコンペやら有識者会議やらJSCの運営費やら入れると、100億円はかかってるらしいよ。それをご破算だって。
:ヒャクオクエン、千円札にしたらどれくらいに厚さになるんですかね、1mくらいかな。
:わたしも分らんねえ、日本国は1000兆円の借金があるってえのに、100億円をチャラにするんだから、豪気なもんだねえ。売り家と唐様で書く三代目って川柳があるけど、あの人は政治家三代目だな、アブナイ。

●生ガキデザイン取り替え大作戦
:でもねえ、なんでここにきてちゃぶ台返しなんでしょうねえ。
:そうだよねえ、いくら金がかかったって、国民がなんと言おうと、もうこの案で着工しようって決めたら、そのトタンにヤ~メタッて、ガキじゃあるまいし。
:あっしゃね、こう考えるんですよ、ホラ、東京五輪組の親分がいるでしょ。
:親分?、あ、モリさんね。
:そうその親分が言ったでしょ、もともと生ガキみたいで嫌だったって。だから何とかしてあの形を変えさせたかったんですよ。
隠:そうだね、建築家の槇さんたち、世間でも景観が悪いなんて声も上がってたけどね。
:でも格好が悪いってのでは変える理由になりにくい、そこで文科省にねじ込んね、工事費が倍以上の3000億円もかかることになったって、ムリヤリ言わせたんですよ。
:ほお、、。
:でね、庶民はカネメの話だとすぐ飛びついてきて、ハンタイハンタイって声が大きくなった。そこで親分はアベサンにちゃぶ台返しをさせたってんですよ。大成功ってね。
:ホントかい?
:いや、あっしが勝手に、そう考えたんですがね。
:なんだ、そういうことか、でもなあ、ありそうなことだよね。だって、2500億とか3000億とか口では言っても、なんにもその証拠の積算資料が出てないんだもんなあ。でっちあげかな。
:ちょうど、憲法解釈変更と安保法案で、ナンダカンダと世間がうるさいので、ここで眼を逸らせよう、うまくいくとアベ人気盛り返すって作戦もあるでしょ。
:そうかもなあ。でも、オヤブンは生ガキさえなくなりゃいいので、屋根だけ見直しと思ってたら、一からやり直しでラグビー大会に間に合わなくなった。困っただろうね。でもね、これから見直しの見直しがあって、屋根だけチョロっと変更して、安く見せかけてとりあえず着工かもねえ。

●見直したらホントの安くなるのかしら
:それにしてもですよ、もう設計も工事も契約しているのに、総理大臣が勝手にヤーメタって、言ってもいいんですかねえ。それで見直しが決まったみたいな雰囲気ですよ。
:そりゃもう、憲法だって勝手に変えてしまうくらいの独裁者だからね、税金は全部おれが使い道を決めるってんだろうなあ。
:契約しているイギリスのザハ・ハディドや日本の建設会社や設計事務所は、一方的にクビなんですかね。そういうことができる世の中なんですか。
:もちろん民法上で大きな疑問がある行為だよ、たぶん訴訟になれば、損害賠償とか慰謝料とかまた税金で払うんだろうなあ。
:え、もう100億円も損してるのに、また損するんですかい、その金はアベサンに懐から出してもらいたい。
:その上だよ、見直しをしたら1300億から1000億に下がるかと思うだろ、あたしゃ無理だと思うよ、本音は生ガキさえやめりゃいいのだからね、2000億ぐらいにして3000億より下がりましたって言うだろうさ。
:で、着工してしまえばもう引き返せないから、ドンドン追加で事業費をつっこんで、結局は3000億円になっちまうって、こういう作戦でしょうかね。

●やっぱり神の国の国立施設はこうでなくっちゃ
:それにしても、白紙から見直しって、どんな格好になるんだろうかね。
:そうなんですよ、そこであっしがこんな予想図をつくってみましたよ。生ガキさえなけりゃいいし、こんな形になるだろうってね。
近ごろ冗談を分らぬ人が増えたので念の為に書いておくが、この画像はパロディですからね、、、
で、どこが面白いかというと、、あ、林家三平になっちゃった
:な、なんだい、こりゃ、、、あ、分かった、これは明治神宮の本殿の屋根だな。
:ピンポ~ン、「日本は天皇を中心とする神の国」の国立競技場ですからね。
:そういって嗤われた総理大臣がいたよなあ。うん、これならあのUFOとか自転車ヘルメットとか生ガキの形は、神宮外苑に似合わないって言ってる人たちも、グウの音も出ないな。
:でも、これはやっぱり3000億円かかりそうですね。
:では、わたしの考える白紙見直し案を見せようか。

:え~、これですかあ、ヘルメットもUFOも生ガキもないどころか、8万人はいる競技場自体が見えません。
:いやね、神宮外苑全部をオリンピックで8万人入る時だけ競技場ってことにするんだよ、一か所に8万人集まっても、どうせ選手たちの姿は豆粒かゴマ粒程度にしか見えないよ。だから外苑のあちこちに大映像画面をおいて、外苑全体で8万人でも10万人でも20万人でもやってきて、それを見ながら交歓すればいいのだよ。
:なるほど、どうせ開会式と閉会式だけですからね。なにか儀式をするので観客席が必要なら、神宮球場でも秩父宮ラグビー場ででもやりゃいいんですよ。
:だからね、旧国立競技場を壊した跡の空き地は、幸いなことに平地になってるだろ、ここにトラックフィールドだけ作って、周りをみんな森にするんだよ。
:これなら安くっていいですね。今あそこは公園指定になっているけど実は公園じゃない、それを本当に公園として開設できますね。

●白紙見直しでタダになる案はこれだッ
:もっと安い、タダって方法があるんだけど、聞きたいかい?
:聞きたい、聞きたい。
:オリンピックをやめりゃいいのだよ。
:ウワッ、いまさらそんなことできますか?
:できるとも、アベサンにお得意のちゃぶ台返ししてもらうんだよ。
:そういや、1940年に開催予定だった東京オリンピックを返上したことがあったそうですね。
:そう、返上したのは開催2年前の1938年だったから、その前例だとまだ間にあうな。そこでだね、どうだい、返上するにあたって、ギリシャに肩代わりしてもらうんだよ。
:えっ、今、借金で首が回らなくて大変なところですよ。
:だからこそなんだよ、2004年アテネオリンピックの施設があるだろ、それ使えばいいんだよ。ついでに日本から1000億円ほど、持参金つき返上ってのはどうだい。日本でオリンピックやるとナンダカンダと1兆円くらいかかるらしいから、これで日本もギリシャも助かるんだよ。
:そういや、アテネオリンピックの時はアチラは景気がよかったそうですから、2020年アテネオリンピックなら、一気に景気挽回でユーロは安定、EUの連中も喜ぶでしょうね。
:そう、これこそ世界に貢献するオ・モ・テ・ナ・シだな。

参照
◆【五輪騒動】新国立競技場建設と神宮外苑再開発瓢論集
http://datey.blogspot.jp/p/866-httpdatey.html


2015/07/22

1110【新国競騒ぎ】首相のチャブ台返しにザハ・ハディドよ怒れ、建築家よ怒れ、納税者よ怒れ、選挙民よ怒れ

  
 新国立競技場計画について、ザハ・ハディド案を白紙にもどして見直しって、突然、アベ総理大臣が言った。7月17日、ちゃぶ台返しである。
 それからずっと気になっているのだが、だれも言わないようなので、ここでいうぞ、これってヘンでしょ、オカシイでしょ、間違ってるでしょ。


 なにがオカシイかって、ザハ・ハディドの案は、文科省参加の機関JSCが主催した国際コンペで正式に1等賞になり、すでに契約もしてるでしょ、それを一方的に破棄するって、そんなこといいのですか?
 事前にザハ・ハディドの了解を得た訳でもないし、コンペ主催者のJSCの了承もなし、例の業者団体みたいな有識者会議にもかけず、もちろんコンペ審査委員の了承を得ることもなかったらしい。ただ、東京五輪組の森喜郎親分には了承を得たという。やくざの手打ちかよ。

 そりゃまあ、あの形が嫌だとか、背が高すぎる、工事費が高すぎるっって、いろいろと世間の批判はあるよ、だからちゃぶ台返しですっていわれてもなあ、だったら、憲法9条解釈変更にも安保法案にも世間の批判はわんさとあるよ、なんで、こっちのちゃぶ台返しはしないんだよ。

 はっきり言って、建築家も有識者、そして納税者も選挙民もバカにされている。
 建築家は契約している仕事を突然一方的に破棄される。いいのか。まさか、そんなことを出来るとコンペ応募要項に書いてあったのじゃあるまいね。
 大成建設、竹中工務店、山下設計、山下ピー・エム・コンサルタンツ、建設技術研究所、日建設計、梓設計、日本設計、アラップ設計の皆々様も、いかがですか。

 独立国家の機関が行った契約を、その機関の長でもない人(契約当事者ではない筈)が一方的破棄なんて、いいのかい。
 有識者会議なんて、どうも業界代表団体というか利益団体代表みたいなのでマユツバと思っていたが、やっぱりなあ、バカにされてしまった。

 納税者だってそうだよ、あのバカ高くなった工事費への批判が、これで通った、アベサンはエライなんて思っているようじゃあ、バカにされ具合もいいところだよ。
 国民の税金の使い方は、総理大臣の一言で決まる、契約なんて屁とも思わないなんて、そんな癖を付けさせちゃあいけませんよ。独裁者かよ。
 せめて、インタネットによるパブリックコメントでもやってるなら可愛げがあるけど、なんのreferendumなしに、森親分に仁義をきってておいただけって、ほんと、怒るよりも笑いたくなる。

 選挙民もバカにされてるってのは、この前とその前の選挙で、こんなお人をかつぐ政党の人々を国会にワンサと送り込んだからです。あ、わたしは違いますよ。
 ま、チャブダイ返しはこれが初めてじゃなくて、憲法9条解釈チャブ台返し、原発廃止方針チャブダイ返しと、とにかくチャブ台返しをお好きなお方って、分かってた筈でしょ。

 さて、まずは建築家の職能の危機について、これまで社会的地位向上に努力してきた団体の、日本建築家協会(JIA)は、当然のことにこんなチャブダイ返しに対して、猛烈に怒って政府に申し入れしていらっしゃるのでしょうね。

 と、思ったら、違った。なんだかフニャフニャ提言をなさっているのである。
http://kensetsunewspickup.blogspot.jp/2015/07/jia.html
 白紙に戻すことに大賛成をなさっているのは、まあ、いいでしょう。
 だが、コンペという手続きをないがしろにされ、すでに契約している業務を手続き無しに破棄されるという、建築家であろうと何であろうと常識外れでしょ。
 これになんのアピールもないのは、どういうわけだろうか。それでいいのかしら。

 さて、RIBA(英国王立建築家協会)の会員(?)のザハ・ハディドがどう怒るのか、まことに興味がある。
 ここはやっぱり、訴訟に持ち込むのかなあ。だって、日本側のなんだかんだのドジによる最大の被害者はこの人でしょ。金銭的なことじゃなくて職能としてね。 
 日本建築家は腰抜けだが、アチラではそうじゃないような気がするが、どんなもんでしょう?
 訴訟に負けて、慰謝料とか損害賠償とか払うことになったら、それこそ国際的恥さらしである。
  
 誤解の無いように言っておくが、わたしは建築家でもないし、JIAとも建築士協会とも建築学会とも建設業協会とも何も関係はないが、一般論として奇妙奇天烈に思うのである。
 ついでにつけ加えるが、わたしはザハ案で3000億円になっても良いと思ってはいないし(実は、世の反対論じゃや賛成論者の皆様とは全く異なる理由で、ザハ案になればよいと思っているのだが、それは既に書いた)、それどころかオリピック運動会そのものに興味がなかったし、ちかごろは大嫌いになった。。

 もしかして、わたしが間違っているのだろうか、どなたかご教示いただきたい。世間からこういう方向での批判が聞こえないので不安になる。 

参照
◆【五輪騒動】新国立競技場建設と神宮外苑再開発瓢論集
http://datey.blogspot.jp/p/866-httpdatey.html

 


2015/07/20

1109【新国競騒ぎ】すっかり空き地になった旧国立競技場跡地にオリンピックの森をつくろう

 新国立競技場の提案 2015年7月、安倍総理大臣によるチャブ台返しで、一転、ザハ・ハディド案廃棄、国際コンペの結果に民主的手続き抜きで、一方的に無効宣言とは、ここはいつ独裁国になったんだ?
 まあ、改憲手続き省いて9条の武力放棄条項を無効にしてしまうのだから、こんなことぐらい、全然たいしたことではない。ついでにオリピックそのものもチャブ台返しお願いします。

 では、どんな新国立競技場をつくるつもりなんだろうか。
 また、時間がないからと、いまのザハ・ハディド案をベースに、屋根だけ安直な工法に変えるってのが、オチのような気がする。
 それで1999億円に納めて、2000億円を下回る様に抜本的見直しをしたっていうに違いない。え~と、もとはいくらって言ってたっけかなあ、あ、1300億円だったかな、それじゃあ1999億円では見直しならんなあ。

 では、わたくしめが見直しをして進ぜよう。「新・新国立競技場」計画である。いや、興戯場計画かな。
 幸にして、今や旧国立競技場はすっかり壊されて、平らな更地になっている。
 おお、それなら、その旧国立競技場跡地に競技フィールドと森をつくるのです。

 え、8万人の観客席をどうするのかって?
 そう、そこですよ、8万人がフィールその周りを取り囲んだって、前の方は見えるかもしれないが、たぶん、6万人くらいは豆粒かゴマ粒のアスリートを見てるだけでしょ。
 だから近ごろの競技場は、でっかい液晶かなんかの映像画面を設けて、多くの観客はそっちを見てるんでしょ。実は、観戦スポーツ嫌いのわたしは行ったことがないんだけどね。

 そんなもの、競技場の中にある必要はないでしょ。どこにあっても同じでしょ。といっても、観戦好きの人は一緒になって興奮したいんだろうなあ、要するに烏合の衆になりたいんでしょ。
 それならば、神宮外苑の全部をオリピック会場にすりゃいいでしょ、外苑のあちこちにあの大型画像装置を置いておけばいいでしょ。

 こうやって神宮外苑全部をオリピック会場にして、8万人でも10万人でも20万人でも、外苑のなか全体にに広がって、共に楽しみ交歓すればよろしいと思いますが、いかがですか。あ、便所もあちこちに必要だな。
 どうしても観客スタンドが必要なら、神宮球場やラグビー場があるでしょ、そこを使えばよろしい。休憩所なら、絵画館があるでしょ。
 
 森をつくると言っても、2020年までには間に合わないから、これから苗木を植えるのです。
 ちょうどいま、東北津波被災海岸で、森の防波堤をつくっていますが、あの宮脇昭さんの提唱する方式の、みんなが参加する苗木からの森づくりをやりましょう。
 そうだ、オリピック、パラリンピックにやってきた世界中の人たちにも植えてもらいましょう。20年経つと高さ20mの樹木に育ち、それは神宮内苑の森がこちらにもできます。

 そうそう、そのような大勢の人々の参加方式による森づくりは、創建時の神宮内苑の森づくりがまさにそうでした。その現代版を外苑でやることも意義のあることでしょ。
 あ、そうだ、東京五輪組の親分は、なんとまあさんというお方ですよ、オンリピックのづくりにピッタリでしょ。もひとつ、あ、そうだ、この方は総理大臣のとき「日本は神の国です」って言って嗤われたくらいの神様好きなお方だから、ピッタリ!!! 、ヨイショ。

 この「外苑オリピックの森」こそ、「オリンピックのレガシー」となるでしょう。
  なお、以前にはこんな戯案も提案したけどね。

(追記20150719 1800)
 新国立競技場について、文科相が17日に、「これから半年かけてコンペから審査まで終える」と述べたそうだ。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK17H6F_X10C15A7000000/
 ありゃ、一から見直しってのは、オリンピックをヤメルってのは、見直しの中には、はいってなかったのかい?
 
 またコンペだってさ、ほんとかなあ。で、また、ザハ・ハディドが一等になったりして、、。
 だってさ、金のことだけでひっくり返ったんだから、内容的には同じ条件でコンペするんでしょ、1300億円もこの前と同じ条件でしょ。
 だったら、応募の建築家はこの前の応募案と同じものを出すでしょ、だって、あの時に最上の案として応募したんだから、今度は違うなんて変でしょ。もしも違う案をだしたら、誠意がない建築家だから落選。
 そして、ザハさんがまた一等賞、ってね。

 でもなあ、第2回目コンペで一等とったとしようか、そしてまた、総理大臣がチャブ台返しするかもしれないよ、それでも応募しますか?
 多分、今度のコンペは、時間短縮とか言って、設計業と工事業の両者が一体になって応募する方式になるんだろうなあ。

 そうだ、今度はもう、あの、ケチのついた外苑をやめて、湾岸部のどこかに場所を変えたらどうですか。その方がはるかによろしいでしょ。どうせ、国際公約はちゃぶ台返しで破棄なんだから、。

参照
◆【五輪騒動】新国立競技場建設と神宮外苑再開発瓢論集
http://datey.blogspot.jp/p/866-httpdatey.html

 

2015/07/18

1108【新国競騒ぎ】憲法違反騒ぎで不人気挽回とて運動競技場ごときで首相が出てきてチャブ台返しのポピュリズムニッポン


●運動競技場如きで総理大臣が出てきてチャブ台返し

 新国立競技場騒ぎは、なんとまあ、アベ総理のちゃぶ台返しだそうだ。こんな一運動競技場如きは担当のJSC理事長、せいぜい文科大臣の役だろうに、なんと総理大臣がでてくるなんて、今の政府はどこかアフリカあたりの独裁国みたいだ。
 これって、もしかして憲法違反騒ぎでの不人気の挽回策だろうか。



  ここにきてカネメの話になって、ようやく抜本的見直しになるらしいが、槙老大家から初めに問題提起された景観デザインについては、どこかに追いやられたようだ。
 カネメ問題と言い、首相の登場と言い、まことにもってポピュリズムニッポンですな。
 どうせなら、この際、オリピック返上ちゃぶ台返しってやれば、やんやの喝采!?!?

 ところが、可笑しいのは東京五輪組のモリ親分が「生ガキみたいで嫌い」って,景観からの見直しを言ったのには???。
 まあ、高さの見直し(20m以下にする)については、ちゃぶ台には乗ってなかったでしょうな。

●JSCお抱え建築専門家はどう対応したのか
 
 でも、こういう判断は政治家や文科省建築素人官僚だけでは不可能だろうから、当然のことにJSC発注のもとで担当している建築の専門家たちの検討があるのはずである。
 いま、JSCが使っている専門家は、大成建設、竹中工務店、山下設計、山下ピー・エム・コンサルタンツ、建設技術研究所、日建設計、梓設計、日本設計、アラップ設計。

 で、この方々はどういう判断をしたのでだろう、それを知りたい。この方々は、ここに至るまでただただ傍観していたのだろうか。それで専門家としての倫理が許しますか。

 JSCの発注サイトには見直し検討の発注が書いてないから、それをこの方々がさせられたのだろうか。もちろん、見直し検討の仕事は、今の発注の外だろうから、きちんとその報酬をおもらいになるのでしょうね。それともタダ働きですか。

 とにかく、このプロジェクトに関して一番よく知っている当事者である建築の専門家の顔が、全然見えないのは実に奇妙であるが、そのあたりは例えばJIAではどうお考えなのでしょうか。


●国際コンペを手続きルールもなくてひっくり返してよいのか

 ところで、国際コンペの後始末を、どうするのだろうか。ザハ・ハディド案を一から見直すのだから、あの案を破棄するのだろう。とすれば、当然のことに違約金とでもいうべきものを払うのだろう。それもまた、無駄な出費であることを承知でのちゃぶ台返しなんだろう。
 これまでJSC発注の基本設計費や実施設計費も、いまとなれば無駄な出費であるが、それを担当した専門家たちの責任はどうなるのだろうか。ちゃぶ台返しの直接的原因となった、予定工事費額を大幅に超過した責任はないのか。

 こうやって国際コンペで一等になったのに、着工のどたん場に来て、総理大臣のひとことでひっくり返ったことになる。これを国際社会はどう見るだろうか。
 建築家や市民の反対の声は多かったが、レファレンダムのような手続きは何も経ていないまま、首相の言葉による当選案廃棄だから、人気策ポピュリズムちゃぶ台返しである。

 総理大臣はちゃぶ台返しの前に、国際コンペ委員長だった安藤忠雄や一等のザハ・ハディドに交渉したのだろうか。どうも何も話はしなかったような気がするが、日本の政治家が考える建築家の地位はその程度のものだろう。

 今後、日本で建築設計の国際コンペがあっても、うっかり応募できないぞ、一等をとっても、レファレンダムもなくて政治的ちゃぶ台返しに遭うのだからと、世界中の建築家が思っているだろう。日本の建築界の信用が問われる。
 このあたりを、JIAとか建築学会とかは、なにもアピールすることはないのだろうか。

●ちゃぶ台返しで進むポピュリズムニッポン

 それにしても、憲法9条ちゃぶ台返し、新国競ちゃぶ台返し、そうそう、あんなに丁寧な手続きを経て原発ゼロ方針を出したのにこれも簡単ちゃぶ台返し、次は何がちゃぶ台返しに遭うのか、楽しみだなあ、怖いなあ。

 新国立競技場については、市民や建築専門家会論があったことは確かで、こうなったのは良い方向であるだろう。もっとも、結論が良くなるかどうか、かなりあやしいが。
 最初はコンペのやり方や景観的な面から異論だったのが、今は結局はカネメの問題になって、分りやすくなったが、問題はある面では矮小化した感もある。

 カネメのことを言うなら、オリンピック運動会という壮大な無駄遣いをやめるべきである。

 これで、これまで反対してきた人々が、このチャブ台返しをもって、アベさんはエライなんて思うとしたら、かなりアブナイ。
 オリンピックの国際公約なんて言葉を吐いていた人が、文科省の機関による国際コンペなる手続きで決めた国際公約を、なんの手続きも経ないでチャブ台返しするって、首相って人は、なんでも独裁的にひっくりかえせるとしたら、今のこの世は実に気持ちが悪い。
 コンペ応募要項に、「ただし総理大臣がちゃぶ台返しをした場合は、一等当選を取り消すことができる」って、かいてあったんだろうなあ。
 

参照
◆【五輪騒動】新国立競技場建設と神宮外苑再開発瓢論集
http://datey.blogspot.jp/p/866-httpdatey.html



2015/07/15

1107【新国競騒ぎ】カネメの話になってようやく庶民にもわかる論議になった新国立競技場騒ぎ

 
シンコクリツ「新国立」というと、オペラをやる新国立劇場のことなのに、近ごろは新国立競技場のことらしい(新国競でしょ)。
 で、その新国競だが、なんだかシンコクな話になりかけているらしい。

 なんでも、工事費がもとは1300億円の予定が、今ようやく工事に取り掛かろうとしたら、これが2500億円とも3000億円とも、大超過になってきたのだそうだ。
 1000兆円借金日本国の国立の施設に、そんな金を投じてよいのか、予定と実際とが違いすぎる、杜撰な計画だ、税金の無駄使いだ、というのだ。
 
 この新国立競技場が巷で評判になり出したのは、一昨年の夏、建築家の槇文彦が決め方やデザイン異を唱えたころからである。その前の2012年11月のコンペによって決まってから、もう9カ月もたっていた頃だ。だれも言わないから老大家自らの出馬である。

 はじめは建築界だけの内輪話みたいだったのが、だんだんと異論が広がっていった。
 その異論の中心は、明治神宮外苑の明治天皇の事績を顕彰する絵画館に似合わないという、分りやすいようでいて、どこか趣味的でもあり、なんとなく高踏的な感もある。
 オリピック好きの庶民には、どうでもよい論争である。

 こういう景観についての話となると、どうもそれは主観の違いでしょなんて、のれんに腕押し論に対応するには、なかなかに難しい。
 だから誰にでもわかる数値に置き換えての景観論争になる。そう、それは高さ論争である。
 この新国立競技場でも、建築物高さ20mの都市計画規制を越えて、72mにすることが異論の焦点となった。

 かつて東京丸の内や京都盆地でおきた景観論争でも、31m規制を超えることの建築物高さ論争になった。それまで都市計画に定めた高さを、今になって超えるのがけしからんということ。
 高さという数値に景観を置き換えると、誰にも分りやすいのだが、景観の本質的な問題を逸れてしまう話になっていることを忘れる。
 特に丸の内では、今の姿をみると、あの論争はいったいなんだったのか。これも、実はでだしが皇居を見下ろすのがけしからん論からはじまったのが、なんとなく今度の事件に似ている。

 さて、新国立競技場も、その都市デザインとして景観が、72mという数値に対する異論だけではひろがりを見せないでいるところに、強力な助っ人の数値が登場してきた。
 それが工事費である。1300億が3000億になった、ケシカランってのは、景観と違って庶民に分りやすい異論だ。
 いや、庶民にはそのイッセンオクエンなんて金銭には、何の実感もわきっこないのだが、予定の工事費から倍以上にもなる、しかもそれがコクリツなんだから、オレが払っている税金だってことは分る。いや、まあ、僅かな納税額だけどね。

 それでも文科省当局や五輪組森喜郎親分は、2020東京オリンピックのレガシーをつくるんだから、それくらい我慢せよ、みたいなことらしい。安倍政権は軍隊だって海外に派遣できるくらいに、なんでもできるんだから、
 でも、庶民が騒ぐと、次の選挙の票に響くかもしれない国会与党のギインさんたち、これはまずいような気がすると、言い出している気配が出てきた。 

 「オリピックのレガシーをつくる」なんて、あの「日本は神の国です」といって嗤われて、総理大臣を辞めた森親分の口から出るのが、なんだか似合わなくて、オカシイ。
 むかしむかし、1964年の東京オリピックの、いちばんのレガシー建築はなんだろうか。
 それはもう、なんといっても代々木の体育館だろう。そう、丹下健三設計になる、あのサーカステント小屋である。

 あれも工事費がむちゃくちゃにオーバー、大蔵省がNOと言って、一時頓挫、そこで丹下が政治力を発揮して、田中角栄に直談判してヨッシャヨッシャと見事に予算増額成功、ということがあったんだという話をなにかで読んだことがある。
 今度は安藤忠雄がアベかアソオに掛けあうかな?

 そう、あのころは、今にみたいに情報が流通しない時代だったから、世間もマスメディアもなんにも騒がなかった。
 今の新国立競技場なみの事件だったのだが、建築界だけがすごい設計だと騒いでいただけ。
 
 そういえば設計者も、東大の岸田・高山両親分が、これは誰に、それは彼にと、適宜に決めて配分、コンペなんて無かったなあ。
 あの代々木の体育館だが、実はあの軽業みたいな格好の屋根をもたせるには、修理維持費がものすごくかかる代物らしい。

 さて新国競では、高さが20mを越えて72mになり、工事費が1300億円を超えて3000億円、この二つ数字が出てきて、ネットメディアもある時代には、庶民にも分りやすくなった。
 その一方で、都市景観の問題はどこかに押しやられつつある。まあ、庶民には景観がどうなろうと、食うに困ることはない。

 でもなあ、ちょうどいまギリシャが借金2000億円を返せないことから今の騒ぎになっていることから考えると、1000兆円借金国日本だって、たかが遊びの施設に税金3000億円投入となると、これからは分らんぞってことが、庶民にもウスウスとは分る。
 あ、思い出した、福島のことでだれだったか、「最後はカネメでしょ」っていって、叩かれたギインさんがいたなあ。そう、庶民はしょせんカネメである。

参照
◆【五輪騒動】新国立競技場建設と神宮外苑再開発瓢論集
http://datey.blogspot.jp/p/866-httpdatey.html

2015/07/13

1106【終活遊び】書棚から記憶にない社寺建築の教科書が出てきてデジタル復刻遊びをした

 近ごろは人生の終活中である、といいつつ、身辺のあれこれもろもろを捨てているのだが、実は終活だからと自分に言い聞かせている気配も濃い。
 捨てるのにいちばん悩むのが蔵書である。これまでの人生でどれだけ本を買って来たかよく分らないが、延べ冊数にしたらずいぶんの数で、万の単位だろう。
 自宅もオフィスも本だらけだったが、どちらも何回も引っ越ししたから、その都度にたくさん捨ててきた。
 いま、手もとに残った蔵書は、床から天井までの本棚の幅にして7m足らず、いったい何冊だろうか。半分くらいは、買ったままで読んでない「未読本」である。未読本の読破も終活の重要な仕事である。

 どんな本が本棚のどのあたりにあるか、ほぼ頭の中に入っているので、物書きの時は引っ張り出す。無い本は近くの市立か県立の中央図書館に行けばほぼ間違いなくある。
 だが、ウチの本棚を漁っていると、えっ、こんな本を持ってたっけ、ということもある。
 最近も2冊を発見、発掘した。一冊は大正14年8月発行の雑誌「新建築」創刊号である。
 といっても、本物ではなくて1975年12月号「新建築」の付録の復刻版である。

 もう一冊は、「社寺建築構造」とタイトルがあるA5版、116ページの冊子である。紙が赤茶けてしまっている。母校の大学の講義用と書いてあるから、教科書らしい。
 あれ、なんだろうとパラパラとめくると、まさに神社や寺院の建築構造について、足元から屋根まで、外装から内装まで、図も豊富な教科書である。これは面白そうだ。
 でも、講義を受けた記憶がない。さっそく同期生たちにMLメールで問い合わせたが、誰も記憶がないという。わたしだけがサボったのではなかったと、ホッとした。


そこで同期仲間8名が協力して、デジタル化しつつ読み合わせすることになった。超久しぶりで建築の勉強をすれば、ボケ進行が少しでも遅くなるかもしれないという期待もある。
 スキャナーで画像を取り込み修正、文字はOCRで読みこんで校正という作業を、数ページづつメールで交換しつつ進めた。
 いまどきらしいやり方であるが、旧仮名遣いだし、印刷が悪いので、OCRの誤読が多くて骨が折れた。それでも2カ月でデジタル復刻版が完成した。

 ところが、この本には発行年も著者も書いてない。旧仮名遣いだから戦前の執筆だろう。
 そこで大学時代の恩師である平井聖先生にうかがうと、この教科書の原本は『高等建築學8 建築構造』(常磐書房 1936年刊)の中のひとつ、「社寺建築構造」(角南 隆著)であるとご教示いただいた。
 角南は戦前に東京工業大学で非常勤講師をしていたことがあり、それをそっくりそのまま冊子にして教科書にした。戦前には印刷をもって謄写に替えるとして、著書を教科書に使うことがあったとのこと。

 角南 隆(1887-1980)は、1916年東京帝国大学を卒業して明治神宮造営局、内務省神社局を経て、明治神宮、伊勢神宮をはじめとして数多くの神社建築に携わった建築家である。
 特に明治神宮には創建時から携わり、太平洋戦争の空襲で焼失して戦後再建した現在の社殿は、戦前の形をそのままコピー再現するのではなく、角南による独自の設計が多く加わっているらしい。

 季節がよくなったら、この本をもって明治神宮に行って、冊子の図と社殿とを見比べてみようかと思う。まことに意義深い紅葉狩りになるはずである。
 これをわたしが所蔵していたのは、たぶん、藤岡研究室で京都御所遺構に関する卒業研究の時に、平井先生からいただいたのであろう。
 そういうわけで、今ごろになって勉強した不肖の弟子の話で、これもわたしの本づくり趣味のひとつである。

2015/07/10

1105【病気知らずの病院通い】病院とは待つところと覚悟して準備して行ったのに15分で済むとはねえ

 めったに病院に行かないわたしが、今日も病院に行ってきた。5月以来5回目である。かなり医療保険料を取り戻したぞ。
 しかも今日は全く初めての耳鼻咽喉科医院である。このところ尻餅腰椎圧迫骨折の病院通いで、病院とは待つところと知ったので、十分に覚悟して出かけた。

 4日前から、口の中の左の喉近くに、なにかひっかかるような感じがあり、だんだんと顕著になってきた。指を突っ込んでも分らない。
 親しかった大学同期の男が10年ほど前に咽頭癌で死んだが、それに気が付いたのは喉にちょっと違和感があったのがきっかけだったと言っていた。
 わたしも、もしかしてそれかもなあと、ちょっとだけ悩んでいた。そうなったら、これまでロクな病に罹ったことがないわたしも、ようやく人並みになるなあ。

 悩んでいても喉のひっかりは治らない。近くの耳鼻咽喉科をネット検索して、一番近い駅前の診療所に行くことにした。
 今度は待たないように、朝一番に乗り込んでやろう、たとえ待たされてもよいように本を2冊抱えて、8時45分に玄関前に着いた。

 でも「診察は9時からです」と書いた札のかかる扉が開かない。しょうがないから、用意の本を読みながら玄関扉の前に立って待った。レストランとか公衆便所とかで待つという行為を大嫌いなのだが、こればかりは仕方ない。
 でも、わたしがこのところ通う整形外科の病院は、9時前から押すな押すなの行列だよ。へんだな。
 わたしの外に待つ人がいないのは、もしかして、ここは予約だけしか診ないのかもなあ、心配になる。

 ようやく9時、開いたので入ると、もちろん、わたし一人だけ。すぐに診察である。おいおい、待つんじゃないのかい、病院のくせにちょっと早すぎるよなあ。
 口を開けさせて覗き込んでいた医師が、「吸引します、アーンしてアーって声を出し続けて」と指示、棒みたいなのを口に突っ込んで、なにやらつまみ出して、「これです」と言う。

 なにか食ったものの一部がノドチンコあたりにひっかかっていたのであり、「よくあることです」とのこと。咽頭癌どころか、人並み以下の病とも言えない出来事だった。
 口内炎症防止の薬の吸い込みをやって終り。この間、15分ほどだった。拍子抜けしたが、もちろん、よかった。

 わたしのあとから来た患者は、たったひとりだけ。整形外科の繁盛ぶりと大違いである。
 う~む、診療科目によって、医師は儲かり方が大いに違うんだろうなあ。長々と待たせる医師もいれば、全然待たせない医師もいるんだ。
 整形外科医の繁盛ぶりは、なんだか異常であると思った。

2015/07/05

1104オウンゴールが女タマケリ大会・国会・ギリシャとかで流行っているらしい

●女タマケリ大会でオウンゴールで勝ったとさ

 見るだけスポーツは嫌いだから、野球もサッカーも知らない。新聞もそのページをすっ飛ばす。毎朝、スポーツ欄という紙くずを買っている。もったいないことだ。
 TVは一切見ないから、なにも言うことはない。ネットでは見に行かないからこれも問題ない。

 だが、近ごろは新聞1面や社会面に、女タマケリ世界運動会の記事が載るから、チラと見る。なんでも日本の女タマケリチームが、試合相手のオウンゴールで勝ったとある。
 オウンゴールってなんだ?、あ、日本チームが蹴りこむべきゴールに、相手チームのプレーヤーが間違って蹴りこんで、これが日本チームの点になったんだそうだ。しかも終了間際で、日本の勝ち越し点になったとか。
新聞の第1面からして紙くず記事で閉口する

●そういう卑怯な勝ち方はどんなもんでしょ

 ふ~ん、世界レベルのチームにも、ボケの来てるヤツがいるんだなあ。
 でもなあ、そういうので勝っても、気持ちよくないでしょ、敵のボケにつけ込むなんて。
 どうです、その得点をお返しするほうが、よろしいような気がしますが、いかがなものでしょう。そうしたらフェアプレーって、褒められるよ。
 ほら、むかしむかしウインブルドンで、日本のテニスプレーヤー清水善造が、試合の相手アメリカ人が転んだので、ゆっくりやさしい球を返した、これぞスポーツマンの鑑だって、美談があったでしょ?、え、しらない?、教科書に載ってたよ。

 いや、まてよ、もしかしたらオウンゴールって八百長かもよ、ほら、わざと自分ちのゴールに蹴りこむ、サッカー博打かなんかでジャパンを勝たせるためにってさ、そういうの調べないのかしら。
 まあ、なんでもいいけど、大会を早く終えてくれないと、紙くず新聞ばかりやってきて、困るんだよ。そのうちに高校野球の紙屑が来るんだよなあ、マッタクモ~。
 
●自民党もオウンゴールがお好きなようで

 オウンゴール事件で思い出したのは、先日来の自民党のウロウロである。
 安保国会でゴチャゴチャしたくない安倍親分の気も知らないで、憲法審査会にはよんだ参考人が違憲を唱えるし、文化芸術懇談会での3議員の発言は沖縄やメディアを怒らせるし、これ等は見事なるオウンゴールだよなあ。

 サッカーならあわせて4点の自殺点(自爆点か)だから、野党はこれでもう完全に勝ち戦でしょ。それがなんで攻めきれないんだろ、要するに弱すぎるんだな。
 あ、いや、自民党が強すぎるんだな、それをそうさせたのは、この前の選挙民の方々であるのだけど、それでいいのかい?、わたしの入れた票は完全にハズレだったけどね。

 あ、もしかして八百長かもなあ。
 ほら、憲法審査会でボケッとしてたらオウンゴール食らったドジで、安保審議で面倒なことになったから、このへんで別のオウンゴールやって、沖縄にメディアの眼をそらせてやろうって、そういう八百長作戦だったんだな、そうに違いない。
 だから、謝罪嫌いのアベさんが謝ったふりしたんだな。

 こんどは多分、沖縄より遠い朝鮮半島あたりへ目をそらせようって作戦のオウンゴールを仕掛け中らしい。
 ほら、拉致被害者調査がうまくいかない問題で、半島に北部方面に眼をそらせてるでしょ。
 そしてまた、世界遺産登録問題で、半島南へ眼を逸らせている。1910年で止まるなんて歴史観しかない遺産登録の趣旨説明なんて、隣りから文句言われるって分ってたんでしょ、だから八百長オウンゴールなんだよ。
 もしも八百長じゃなくて、何も考えていなかったのなら、これって、かなりドジなオウンゴールだと思うよ。

●ギリシャの国民投票はオウンゴールになるのか

 ところで、今日はギリシャの国民投票である。EU案に賛成か反対か、これって超難問なんだろうなあ。
 緊縮による今日明日の生活不安への対応か、東面の緊縮でも未来の生活安定への対応か、どちらを選ぶのか、その国民の賢明さを問われるようで、こわいよなあ。
 どっちに蹴りこんだらオウンゴールになるのか、多分ギリシャの人々は悩んでいるんだろうなあ。
 どちらにきまっても、それが得点か自爆点か分るまでには、ずいぶん時間がかかるだろうしなあ。
 日本でもしこれをやるとしたら、どうするだろうか。
 

2015/07/02

1103・慶應義塾大学日吉キャンパスには旧日本海軍の戦争遺跡が地上に生き地下に眠っている

 
横浜市の北の端に慶應義塾大学の日吉キャンパスがある。
 今朝の朝日新聞東京版の神奈川ページに「戦争末期 作戦立案の地 慶応大日吉キャンパス 旧海軍司令部地下壕」との見出しがある。
 記事内容は、慶應大のキャンパルには大きな長い地下壕があり、ここに1944年に入った日本海軍の司令部が、遠く海上の艦船に作戦指令を出したにも拘らず、ついに敗戦を迎えた戦争遺跡の紹介である。

 戦後70年の企画記事だが、今ではこの地下壕は有名な戦争遺跡であり、慶応大学が保存に力を入れているから、わたしとしては事新しい内容は無い。
 ただし、わたしとしては、どうもこの記事は食い足りない。連合艦隊司令部が地下にあったとだけしか読めないのだが、実は、戦争末期には、日吉キャンパス全体に日本海軍の軍令部、連合艦隊司令部などの枢要な機能が入っって、一大軍事基地となっていたのだ。
 日吉キャンパスばかりか、周辺の丘陵の地下にもトンネルを掘って、日吉地区は海軍の陸の要塞化していたのだ。1945年に横浜都心部はアメリカ軍の空襲を受けた。郊外部では日吉だけが空襲を受けたのは、この海軍基地があったせいだろうと言われている。

 海軍施設は地下にあっただけではなく、地上の大学の施設の大部分を接収して使っていた。リベラリストの小泉信三塾長も、戦争協力はやむを得なかった。
 その大学の建築の中には、いくつかの近代建築として有名なものもあった。中でも建築家・谷口吉郎の設計になる1937年に建った「慶応義塾日吉寄宿舎」は、彼の若い時のモダニズムデザインの典型である。
 この寄宿舎が、連合艦隊司令部の本拠となったのであった。司令部の幹部たちはこの寄宿舎で起居して、地下壕に降りて行ったのだった。


 新聞が地下壕を戦争遺跡として取り上げるのは、もちろんよろしいのであるが、この有名建築家による日本近代建築史における記念的な建築が、設計者の意図とは異なる数奇な運命を経て、戦争遺跡となったことの物語もほしいものだ。
 とくに地下壕は一般には見えないのだが、寄宿舎の建物は今も地上の丘の上に健在で、その端正な姿を誰もが見ることができる。
 これが戦争遺跡であったとは、知る人は少ないのかもしれない。そして今、この名建築が多様な意味を持つ日本の記念的な建築であることを忘れてはならない。日本の一般ジャーナリズムは、建築についてはどうも弱いし、建築ジャーナリズムは、建築周辺のことに弱い(東京駅赤レンガ駅舎に見るように)。
 慶應大学日吉キャンパスには、地上に学生寮として生き、地下には壕として眠る戦争遺跡が、数奇な運命をたどって今も存在しているのだ。





わたしが今日この記事をここに書いたのは、このことについて下記に詳しく書いていることを思い出したからだ。
参照:「太平洋戦争に翻弄された戦前モダン建築」(伊達美徳)
第1章<戦前>慶応モダンボーイの新キャンパス
https://sites.google.com/site/dandysworldg/hiyosi
第2章<戦中>海軍中枢の秘密基地となった日吉キャンパス
https://sites.google.com/site/dandysworldg/hiyosi/hiyosi2
第3章<戦後そして今>戦争の傷を癒しきれない日吉寄宿舎
https://sites.google.com/site/dandysworldg/hiyosi/hiyosi3