2014/08/31

992【横浜都計審傍聴4】都市再生特別扱い提案はお手軽鵜呑み都市計画か

 (前回からの続き)横浜駅西口駅ビル計画の話を続ける。

・これでも都市計画なのか?
 
 この都市計画案の内容を、横浜市都市計画審議会の傍聴で知った時、都市再生特区は事業者提案だが、地区計画は市の独自計画だと思った。
 なぜそう思ったかと言えば、特区が超スポット的超容積率緩和だけの提案なので、いくら都市再生特別法による特別扱いといっても、それはあまりに虫が良すぎるから、横浜市としては地区計画でいろいろと規制やら社会貢献してもらうことにしたのであろう、ということである。

 ところが、地区計画を見ると、先にも書いたように、これがはたして都市計画なのか、という内容である。ほとんど建築計画説明書である。
 まわりの土地利用や都市基盤がどうであろうと、提案者が建てる建築敷地だけを対象にする地区計画なら、他の地権者の同意をとらなくてよいから、しごく簡単に違いない。
 そう、面倒だから周りには地区計画をもちかけなかったのだろう。
 でも、それは地区計画ではないでしょ、フツーは、あの横浜市がそんなことやるのか。ってことは、ここは、やっぱり、特別地区なんだな、、う~む。

 でも、どうもおかしいので、もういちど資料を読み返したら、なんと、地区計画も事業者提案であった。そうであったか、なるほど。そりゃもうお手軽にやりたいに決まってる。
 でもなあ、その提案を鵜呑み?にした横浜市って、これはいったいどうしたことか。都市計画行政の先端を行く横浜市にしては、いくら特別地区でも、これはおかしい。
 提案から6カ月以内に処理しなけりゃならないって、都市再生特措法にあるんだから、しょうがない、面倒なことしていられない、お手軽都市計画で行け、ってことにしたのかしら、。

 都市再生特別地区ってのは、そんなにも特別なんですか? 
 ねえ、都計審の委員さんたちよ、都市計画については何も審議しないで、建築計画の質問ばかりなさっていましたよね、たった3つだけど。
 都市再生特別法による都市再生特別地区内では、建築計画を地区計画で決めることになっていて、そういう提案があったら、横浜市は鵜呑みにするのかしら、どうも分らん。

・「エキサイトよこはま22」とはなんだ

 あ、わたしは、それがいけない、と言っているのではない。建築計画と都市計画がドッキングするのは結構なことであると、原則的には思う。
 でもなあ、そうやって敷地ごとに都市計画を決めると、都市計画っていったいなんなんだってことになるような気がする。このあと横浜駅西口地区の各建物敷地ごとに、特区と地区計画提案が出てきたらどうするのか。
 横浜市お得意の都市デザインはどうなるのか
 これに対してこういう答えが用意されているかもしれない。「エキサイトよこはま22」なる整備構想に準拠しますから、大丈夫です、と。

 しかし、地区計画の目標の記述に引用されている「エキサイトよこはま22」は、法定計画でもないし、地区計画ほどにも内容はツッコミがない。
 こういう計画がお得意の、きれいごとが並ぶお題目である。お題目がいけないのではなくて、これでは地区計画の目標ほどにも、法的規制が働かないのが問題なのである。
 ①都市計画マスタープラン→②エキサイトよこはま22→③都市再生特区→④地区計画(目標→方針→整備計画)の段階を踏んでいるつもりだろうが、その法的根拠のない漠然内容の②を引きあいにして、そこから、いきなり敷地に飛んでの③と④の都市計画提案は、都市計画を逸脱しているとしか思えない。
「エキサイトよこはま22」土地利用・空間形成概念図

・西口駅ビルのどこがエキサイトさせてくれるのか

 ところで、「エキサイトよこはま22」の「エキサイト」ってのはなんだろうか。
 駅のエキと、場所を言う英語siteと、英語exciteの、語呂合わせなんだろうなあ、たぶん。
 「みなとみらい21」を越えたくて、もう一世紀先の物まね命名をしたのか。

 しかし、siteとは「エキサイトよこはま22」が対象としているような広い地区を言うのではなくて、せいぜい敷地くらいの広さを言う。
 とすればこれは駅敷地構想ということか。そうか、横浜駅西口駅ビルの敷地を対象とする構想でるあるのか、、、だから特別地区も地区計画地区も敷地レベルなのか、、ヨクデキテイル。

 exciteってのは、他動詞で興奮させるって意味だから、ここではコーフンさせてくれるんだな。コーフンさせてくれるなにかを造ろうってことか。どこか品がないネーミングだよなあ。
 それは知的コーフンか、身体的コーフンか。

 西口駅ビル計画には、なにかコーフンさせてくれる機能があるのだろうか。地区計画という建築計画説明書を読んでも、文化施設はないから知的コーフンはなさそうだ。
 そのいっぽうで、肉体的にもコーフンしそうなものもない。なにしろ風俗営業禁止建築だからなあ、、。

 その点、駅ビル付属の駐車場計画地の周りには、風俗系も飲み屋系もあれこれたくさんあるから、肉体コーフンさせてくれるよなあ。こちらが「エキサイトよこはま22」のコーフン拠点になるのかしら。
鶴屋町地区には肉体的コーフン施設があるなあ、エキサイトさせられるよ
とにかく横浜駅西口地区には、知的コーフンを起させるエキサイト拠点は今も計画にも見当たらないのは、どういうわけか。
 差別表現を承知で書くが、なにしろ出自が砂利と燃料置き場の荒れ地の、なにもコーフンのないところだったせいだろうか。いやまてよ、貯蔵燃料が燃えて大火事になり、市民をコーフンさせた事件が、昔々あったそうだなあ。

 さて、そうやって都市計画まで引き出して決めた駅ビルは、さぞやコーフンさせてくれる素晴らしいデザインであろうと、完成予想図を見ると、これが、、、。(つづく)

参照→991【横浜都計審傍聴3】http://datey.blogspot.jp/2014/08/991_30.html

参照→これまでの横浜都計審イチャモン弧乱夢

参照→●あなたの町の都市計画はこんな会議で決めている(要約版)  ●本文版
https://sites.google.com/site/matimorig2x/essay-cityplanning
https://sites.google.com/site/matimorig2x/tokeisin

0 件のコメント: