2014/04/03

914【横浜都計審】いまどきニュータウン開発かと思えばこれは大型店舗誘致が目的らしい

◆横浜市最後の郊外ニュータウン開発か
 横浜市の西の方の郊外、藤沢市との境界に近いあたりの畑の上空に、ちょっと格好よさそうな電車の駅がある。
 そこから100mほどのところの畑の地下には、地下鉄の駅もある。広大な畑には、野菜よりも雑草や自動車を植えてあるところの方が多い。
 横浜駅と湘南台を結ぶ二つの鉄道ができて駅もできたのは、15年も前のことであった。それは1992年に「いずみ田園都市構想」なるものがぶち上げられたことによるらしい。あるいは地下鉄をつくるためにぶち上げたのかもしれない。


2014年3月の横浜市都市計画審議会で、「泉ゆめが丘地区」ニュータウン開発が承認された。24ヘクタールの広さの畑を、市街化調整区域を市街化区域に変更して、土地区画整理事業で新市街地をつくるのだそうである。
 どうやら、横浜市最後の市街化調整区域に残る特定保留人口フレームらしく、その5200人がすべて市街化区域人口に組込まれて、これで横浜市には保留人口はゼロになった。

人口減少時代になって、都市計画もコンパクトシティへと市街地を縮小再編することが主流になっているのに、今から郊外に市街地拡大とはどういうことなのだろうか。
 なぜこんなところに二つも駅ができて、なぜ今ごろここで土地区画整理事業が始めるのか、都市計画審議会の資料を見ても理解できない。
 現地の諸事情などは全く知らないが、ヒマにまかせて花見になるかもしれないと、現地の畑の中をぐる~っと徘徊してきた。
 もっとも、計画地内では全く花見に無縁の殺風景で、その周りの川沿いや既存集落では美しい桜が咲き誇っていた。

◆郊外型大規模商業誘致が目的らしい
 都計審資料の「将来イメージパース」をしげしげと見ると、どうも低層商業施設と駐車場がべたーっと開発地のほとんどを占めていて、そのまわりに中高層共同住宅群がまとまりなく立ち並んでいる。
 これはなんともはや、イメージ図とは言いながら、なんにもイメージがわかない雑な絵である。土地区画整理事業をやった後は、勝手に建てましょうってことだろう。

想定土地利用図を見ると、まんなかはべたーっと赤くなっていて商業開発、そのほかはほぼなんでもありみたいな書き方である。
 わたしには、この都計審を傍聴した時にもらった資料では、どんな街が生れるのかほとんどわからない。資料と首っ引きで、計画地区のまわりをぐるっと歩いたのだが、それでなんとなくこの開発イメージが湧いてきた。
 簡単に言えば、どうも郊外型大型ショッピングセンターを誘致するのが本音らしい。そのついでに周りに、名ばかりマンションからミニ住宅地、工場も倉庫もあるという、なんでもありの街をつくるのだろう。

 小さな地方都市ではなくて、横浜と藤沢という大都市の近郊であるから、商業も住宅も需要はあるだろう。
 土地区画整理事業としては、商業デベロッパーに保留地を一括して処分すれば、事業はやりやすい。多分、この区画整理組合はそのような事業者に支えらえているのだろう。
 それはそれで開発仕掛けの定番だろうが、近ごろの大規模開発計画には珍しいくらいに、新たな提案やプラニングの先進性が見えない計画である。いや、あるのかもしれないが、まったくうかがわせてもらえない。
 どうもおかしいのは、この計画がもうかなり長い歴史を持っているらしいのに、この程度かということである。

◆構想20年以上でこの程度のイメージか
 横浜市の都市構想で、このあたりの開発が「いずみ田園都市構想」として位置づけられたのが1992年というから、これは多分、バブル期に初期構想をぶち上げてパンクしていたのだろう。
 地元に開発協議会ができたのが1998年で、地下鉄と相鉄の駅ができたのは1999年、現地を見てこんな畑ばかりの中に駅をよく駅をつくったもんだと思ったが、すぐに開発するという前提だったのだろうか。
 沈没していた開発計画がこれで再浮上したのかもしれないが、リーマンショックでまた沈没だったのだろうか。
 土地区画整理事業準備組合ができたのが2007年で、今ようやく初めての都市計画だから、20年以上の長い長い検討の歴史があるはずだ。
 それにしては、中身があまりにいいかげんなのはどういうことなのだろうか、と、思ってしまう。

 この新たな市街化区域編入エリアは、横浜市の市街化区域から半島状の突き出しており、まわりは畑作の田園地帯がじわじわと開発されていき、大都市横浜の調整区域らしい(といってはおかしいが)なんとも、魅力のない田園地帯になってきている。
 今回の都市計画で、とりあえず市街化調整区域を市街化区域に、事業手法を土地区画整理事業で、最低限の用途地域として第1種住居専用地域に、そして二つの駅と環状2号を結ぶ回遊型の都市計画道路を決めたのである。
 今後、仮換地に向けての詳しいことが決まってくるにつれて、それに対応する用途市域変更は地区計画を決めるということらしい。
 要するに開発計画を具体的に律する都市計画は、都市計画道路のほかは何も決めていないのと同然である。地区計画の方針だけでも決めればよいのに、それさえもしていない。

◆醜い郊外商業風景がここにも生れるか
 今回の市街化区域編入で、早期に土地区画整理事業にとりかかることができるのだろうか。
 これまでは市街化調整区域だからバラ立ち建設に歯止めがかかっていたが、これからは市街化区域になって第1種住居専用だから、事業が遅れて住宅がばらばらと立ち並びだしたら、目も当てられないことになる。
 
 ここは電車駅も市営地下鉄と相鉄線のふたつの鉄道駅があり、横浜環状4号の広域幹線道路もあるから、大型量販店屋とかロードサイド安売り屋などが狙いそうなところである。
 駅前大規模商業開発も、よくある郊外型ショッピングセンターの、けばけばしい、安っぽい建物、殺風景な広い駐車場などが並び、よほどきちんとした上物コントロールをしないと、看板だらけ、旗だらけ、色も形も勝手な建物が立ち並ぶだろう。
 賑やかといっては褒め言葉だが、要するにどこの地方都市の郊外にも繁殖している、あの醜い郊外商業の街が出現するおそれがある。
 ちょっと気になることは、藤沢市の湘南台駅からは一駅目の近さだから、ここに大規模ショッピングセンターができたら、湘南台駅周辺の商業は影響が大きいだろうことである。

上は今の「ゆめが丘」駅前畑風景だが、これが
下のような地方都市の郊外沿道商業風景になるかもしれない
参照:https://sites.google.com/site/machimorig0/keikangizo#yatu

 ということで、そのあたりの事業の確実さと、今後の街づくりコントロールの方針のあたりを、都計審ではしっかりと確かめて審議してほしかったのであった。
 それにしても「ゆめが丘」とは、はずかしいような名をつけたものだ。でも、その名のごとくに夢のある計画には、資料ではとても見えないのが残念である。
 いまどき不思議なことに、この開発事業計画についてネット検索しても、横浜市の行政情報のほかには見つからないのである。どうしたのだろうか。
 ここに書いたわたしの悪口や心配が杞憂に終わって、哂い者にされる日が来ることを切に期待する。

 ではお口直しに、この開発予定地外の隣あたりの花の風景をどうぞ。






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