2014/03/17

908宮脇昭提唱の森の長城づくりの原点の森は横浜国大

 宮脇昭さんは、今86歳、東日本大震災の津波被災海岸部に、森の防潮堤を延々と築くことを提唱して、その実行にいまは老いの一徹のごとくに精力をかたむけている植物生態学者である。
 昨日(2014年3月16日)、横浜国大で「命を守る森の防潮堤ーこれからの展望」と題する講演会があった。ここは宮脇さんの古巣であり、彼のいう「本物の森」の最初の実践の地である。





 まだ落葉樹は葉がなくて寒々としているが、横浜国大キャンパスの常緑広葉樹の森は緑をたたえている。知らない人はこの森が人工林とは思わず、森を切り開いて大学キャンパスにしたと思うだろう。
実はここはもとはゴルフ場だったから、森ではなくて草原だった。そこに今では宮脇方式と言われる手法で、苗木を植えた常緑の森を作り上げたのだ。

 「まだたったの86歳です。120歳まで生きます」と、あいかわらぬ意気軒昂ぶりで、生態としての人間と自然のあり方をとうとうと説き続ける。
 わたしは最近は疎遠になったが、40年ほど前に知り合ってから、自宅にも研究室にもしょっちゅう訪れ、わたしがやっていた仕事で依頼した植生調査に一緒に行ったことも何回かあったし、ヨーロッパに植生調査団にも入れてもらって、彼の師のチュクセン氏を訪ねたこともある。

 その最初に会った頃と今とでは、彼の主張は「本物の緑を」と一貫しているのは、さすがであると思う。
 だが、最近はなんだか哲学の世界に入り込みつつあるようだ。いや、わたしはいつも現場からしかものを考えないのだ、机の上の哲学ではないぞ、と、怒られそうだが、現場の哲学である。
 少し耳が遠くなったのか、講演会の会場からの質問にすれ違ったお答えがあったりして、さすがに現場の鉄人も歳には勝てないらしい。

 この続きの宮脇さんと岩沼市長の井口さんの講演内容については、下記を参照のこと
宮脇昭提唱の森の長城づくりと行政の現場【岩沼市相野釜】
https://sites.google.com/site/dandysworldg/iwanuma-ainokama

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