2010/09/29

322【世相戯評】国勢調査にいちゃもん

 5年ごとに行なう国勢調査の調査票が来た。郵送でもよくなったのが、まことによろしい。
 記入していて、いろいろ気づいたこと。

男女の別」の記入だが、国勢調査は実態を把握するものであるらしいから、昨今のような性同一性ナントカントカを言われる時代となって、「男」「女」か迷う人もいるだろうし、男女どちらでもない「その他」の欄が必要かもしれない。5年後の調査にはそれが登場するだろうか。

出生の年月」に、以前は無かった西暦での記入が登場したのは、時代の移り変わりだろう。

配偶者」とは何か、これも難しいことがありそうだ。届出は配偶者であっても、実態はそうでないときは、どう記入するのかしら。同居していて、一方はそう思っていても、もう一方はそうではないかもしれない。同性の場合でも、互いにそう思っていると配偶者と書くのであろうか。
    
住居の種類」で、公営住宅が選択肢に無い。多分、「都市機構・公社等の賃貸住宅」なのであろうが、解説に列挙してある中に公営住宅は無い。国政府の調査で「など」の一部になるほどに、日本の公営住宅政策は落ちぶれてしまったのである。

住宅の建て方」の選択肢に「マンション」が出てくるかと思ったら、そうではなくて「共同住宅」となっていて、これでよろしい。解説には共同住宅の例にマンションの言葉もあるが、欧米系外国人が読んだら頭を傾げるだろう。

住宅の面積」の選択肢に、20㎡未満があるのが悲しい。上は250㎡以上でまとまってしまうのも寂しい。
    
教育」の選択肢に「在学中」「卒業」とあるが、これだと「中退」の場合はどうするか困りそうだ。多分、「卒業」のほうにするのだろう。
 学校の選択肢に「高校・旧中」とあって、「旧中」の解説で旧制の尋常中学校などが例示してある。生まれ故郷の町に旧制中学校があったが、戦後の学制改革で新制の高等学校となり、別に中学校が新設された。大人たちはしばらくの間、元の中学校が新制高校となっても中学校とつい言ってしまって、商品の配達先や子供のお遣い先やらの間違いがよくあった。新制の中学校は「新中」といっていた。

9月24日から30日までの1週間に仕事をしましたか」という問にも、自由業の者は回答に困る。例えば、売れない文筆業ならば、その期間に書いた原稿が売れたら仕事したことになるし、売れなければそうでないから、今の時点で回答できない。また例えば、都市計画審議会の委員をやっているとして、会合の日の日当は出るが、その前の下調べとか終わってからの検証とかやらなくてもよいことをしたら、これは仕事か仕事でないのか。
    
 以前の調査には「年収」の欄があったが、今回は無いのはどうしてだろうか。
 全体に調査項目が少ないような気がする。こんなに金かけてやるのだから、もっと詳しく聞いてはどうか。
 例えば、お酒を飲みますか、なにが好きですかなんてあって、日本酒やら焼酎やら選択肢があると、書き込みも楽しいのだがなあ。旅行にはどこに行きましたか、とかね。え、どうでもよい?、いや、日本の産業振興のための統計になりますよ。

 あ、そうだ、総務省の調査なんだから、ぜひとも血出痔問題についても聞いてほしかったぞ、賛成、反対なんかね、わたしは断然反対、個人財産を国家が補償なしに廃棄させるのはファシズムであるってね。

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