2009/07/26

158【山口文象】ほろ酔い気分で隅田の川風に吹かれつつ豊海橋へ

 昨日土曜日、新宿で旧友たちと久しぶりに逢って昼食、別かれてから東京駅丸の内探検へ。
 東京駅は今や工事現場と化していて、景色がはなわだよろしくない。北の三角ドームは皮をはがれて頭の骨が見えている。
 政治家も登場してお騒がせだった東京中央郵便局は、駅前広場側の2スパンを残して、裏側はきれいさっぱりなくなっていた。

 その斜め南向い側にあった丸の内八重洲ビルは、その南の三菱商事ビルと一体開発の丸の内パークビルとなっていて、角の塔が超高層ビルにくっついている。
 三菱商事ビルの跡には、コピー復元した三菱1号館が、超高層パークビルに従うように完成している。
 さてこの新三菱1号館を建築家・建築史家たちはどう評価するのか、タノシミである。京都の元第一勧銀ビルのように無視を決め込むのか、文化財の復元だとほめそやすのか。
   ◆◆
 今日は、隅田川花火大会の日であると知って、見てこようかと思いついて、地下鉄東西線に乗って、どこで下りようかと路線図を見ていて、門前仲町が目に付いた。
 そうだ、あそこの駅近くにうまい魚を食わせる酒場があったぞ、と思い出した。ここで花火見物は二の次になってしまった。

 門前仲町に下りるのは10年ぶりくらいだろうか、あの居酒屋が未だあるだろうか、どこにあるか分かるだろうか、店の名前も思い出さない。
 でも酒飲みはすごい、すぐに見つかった。魚三酒場である。
 1階は味のしみこんだカウンター席ばかり30席ほど、昔はすぐには入れないほど混んでいたのが、土曜日のせいか不景気のせいか、その中の5席ほど空いている。

 冷酒で鰯てんぷらを食いつつ見れば、ほぼ満席になかに以前は見かけなかった若い女性が、6,7人いる。男ときている者や女二人連れも居る。女一人は居ないようだ。
 でもこんなうまくて安い店に女性も入るようになって、それはよいことだが、混み具合が進むのが困るような。
 酒2合、肴4品で1240円、美味くて安かった。
  ◆◆
 さて、花火を思い出した。隅田川の橋まで歩けば見えるかと、ふらふらと永代橋までやって来た。
 だが、花火は遥か遠くの北のほうで、ビルや高速道路の裏から、頭だけパッパッとみせていて、これでは見物にはならない。

 そばの豊海橋がライトアップされているのを見つけた。
 この橋はわが師匠の山口文象がデザインにかかわっているから、敬意を表しに行き、半分だけ渡ってもどってくる。
 この橋から永代橋の夜景もよく見える。

 それにしても橋をライトアップすると、なんだかそれは元の橋とは違うものに見える。
 河川や両岸の風景とあわせて結ぶ風景、そしてその構造技術の美しさ、それらがあいまっての全体像が橋の基本的な風景なのだが、ライトアップされると特定部分の強調となってくるので、昼間の太陽の下の橋とは別物に見える。
 それがよしあしではなくて、そういうものとしてライトアップデザインをしているのだろうか。

 川風が涼しい。 魚三酒場の冷酒の酔いがまわってきて、橋と水の夜景がだんだんとぼやけてきた。
 よりかかる欄干からドボン、、。

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