2009/05/05

123【老いゆく自分】少年の頃はによく見た空を飛ぶ夢を今は見ないのが寂しい

 少年の日のことを昨日に続けて書く。なにしろ、今日はわが誕生日なのだから、。
 何回も見た怖い夢と楽しい夢があった。
 怖い夢は、球体の内部に身体ごと閉じ込められていて、周りの球体からまた球体がいくつも飛び出している。ここから出たいと、必死になってぐるぐる回りながら周りの球体を蹴飛ばすのだが、出られない、コワイ、ハット目が覚めて、まだどきどきしながらひと安心する。

 この閉所恐怖の夢は、中学生になったらもう見なかったような気がするが、このためだったかどうか閉所恐怖症はいまも残っている。 だから宇宙船にはとても乗れない。それどころかアクアラングも試したが、だめだった。 狭い乗用車で長時間ドライブも好きではない。

 怖くはないがどうにも困る夢があった。走ることができないのである。
 一生懸命に走ろうとするのだが、足がどうしてもよろよろとしか動かないのである。じれったくなり、四足になって手で走り、そのうちに目が覚め、ほっとする。この夢は40歳代になっても見たような気がする。

 これにひきかえ、空を飛ぶ夢はじつに楽しかった。
 わたしの生家は盆地の東の丘陵の中腹にある神社だったから、下の道から鳥居をくぐって長い石段を登るのである。家からは下の街の屋根の連なる家並みを見下ろすことができる。
 この石段の上から飛び出すのである。階段を低空飛行して、鳥居の上を飛び越えると上空へ、そしてまちの屋根の上を飛ぶのがフルコースの夢で、おお、やっと飛べたぞと喜んで目が覚める。

 失敗して石段で着地することも多かったが、覚めても楽しい。これも40歳代までは見たような気がする。
 だから高所恐怖は全然なくて、大学山岳部でも岩登りは好きだった。大学本館の塔の上のパラペットを歩いたこともある。いまじゃできない。
 どれもいつの間にか見なくなってしまって、見たくない夢もあるが、なんだか寂しい。

(追記)映画「E.T.」で自転車に乗って月夜の空を飛ぶ場面があったが、あれは制作者スチーブン・スピルバーグが少年の頃に見た夢に違いない。それを映像にしてひともうけとは、やるなあ、。

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