2008/10/24

055【各地の風景】大阪の駅前から御堂筋そして心斎橋筋へと繁華街を久しぶりに歩いてきた

 2年ぶりくらいに大阪駅に降りた。ついでに御堂筋、道頓堀、ナンバ辺りをちょっとだけ見てきた。
 近頃は建築のスピードが速いから、2年位のでもずいぶん変わる。大阪駅前では、かの伝統ある阪急デパートの建物を建て替えの真っ最中である。低層部に既存のデザインイメージを継承し、上に超高層が載るというお決まりパターンである。

 阪急から駅ビルの大丸をはさんで西には、未だ取り壊しは始まっていなかったが、吉田鉄郎の大阪中央郵便局が黒く見えている。近いうちにこれも下半身は今の形をイメージ継承、上半身に超高層建築が建つだろう。
 これをペアのような郵政建築の東京中央郵便局の建て替えは、もう施工会社まで決まったと報道だから、近いうちに工事だろう。

 御堂筋を行くと、31mのスカイラインがそろう銀杏並木は、落ち着いた風格をもつ景観だが、次第に超高層がスカイラインを乱して来ている。
 そごう本店と大丸本店は並んでいて対照的である。そごう本店は、かの村野藤吾の名作の面影もなく、軽薄なる超高層建築に建て替えた。
 これに対して隣の大丸はヴォーリスの名作を今も大事に使っている。建物の風格に格段の差がある。
 横浜の松坂屋も閉店で、この風格あるデザインがどうなるか気になっているときに、大阪の大丸本店は実に堂々たるものである。

 心斎橋筋に入り、道頓堀橋まで来ると、橋の袂にあった高松伸怪作のキリンシティがただいま取り壊し真っ最中である。
 あれができたのはいつだったか、奇天烈な広告建築で、道頓堀筋への猥雑さを象徴していたものだ。

 ちょっと横に入り、法善寺横丁に行く。火災で丸焼けになったあとに工夫を重ねて、元のような狭い路地の飲み屋街を再現したのだが、新しいような古いような、そして猥雑にして親密なる空間が生きている。

 それにしても心斎橋筋もナショナルチェーン店が多くなっているようで、仕方ないのかもしれないが、東京の渋谷と変わらない。人出はさすが大阪の目抜き通りで、平日の昼間なのにずいぶんとにぎわっている。 

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